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くねくね科学探検日記

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RSS 巨大すぎるリスクをどう考えるか

<<   作成日時 : 2014/09/30 23:00   >>

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今回の御嶽山の噴火に関連して、
川内原発の再稼働に影響するか
という話がある。

原発の再稼働に反対する人たちは、もちろん予知できないんだからやっちゃいけないみたいなことをいうわけだけれど、実際にはそんな話はどうでもよくて、結論は最初から決まっているのだろう。決して、今回の新しい情報に基づいた判断がなされたわけではないはずだ。

そもそも南九州でカルデラ噴火が起きるかも知れないからというなら、原発再稼働どころか、南九州一帯に人を住まわせちゃ危ないって事になると思うんだよね。

カルデラ噴火によって川内原発が粉砕される様なことは、可能性としてはあるかも知れないけれど、それだけのことが起きるのだとすると、原発が稼働している場合と、稼働していない場合での被害の差は、その場所に使用済み核燃料などが置かれている限り大した差にはならない。

また、そのレベルで危険な場所というのは、日本にはほかにもある。例えば富士山は歴史的にはあらゆるタイプの噴火を経験してきた山なんだけど、恐らく最も恐ろしいのは山体崩壊だ。

これは山の一部が一気に崩れる現象で、富士山では、不確かなものも含めふと南西側に5回、北東側に3回、東側に4回の計12回起きたそうで、直近では2900年前に起きた、18億立方キロメートルの土砂崩れという、それがいったいどれくらいのものかイメージすらできない規模の、御殿場岩屑(がんせつ)なだれがあった。

岩屑なだれの速度は、時速200キロを越えることもあるようで、発生してから逃げることはまあできそうにない。

富士山の山体崩壊

によると、
『首都圏にもっとも大きな影響が出るのは、北東側に崩壊した場合であろう。富士吉田市、都留市、大月市の市街地を一気に埋めた後、若干速度を落としながら下流の桂川および相模川沿いの低い土地も飲み込んでいき、最終的には相模川河口の平塚・茅ヶ崎付近に達する。このケースの被災人口を見積もったところ約40万人となった。事前避難ができなかった場合、この数がそのまま犠牲者となる。』

とのこと。

しかもこれと同じ崩壊は、1万5千年前に起きているという。

こんな災害が起きるとしたら、はっきりいって打つ手はない。

山体崩壊は地形の変化をみれば予測は可能みたいだけれど、仮に何週間か前に危険と判断できたとしても、40万人もの人をその短期間でどこかに移動させ住まわせるなんて事は、まあ現実的には無理だろう。

この富士山の山体崩壊がいつ起きるかわからないということを深刻にとらえるなら、富士山の麓からかなりの範囲で人の居住を赦してはいけないってなことになってしまう。

こういうものすごい規模の自然現象は、地球の歴史上確かにあったのだから、見方を変えると、我々はその危険を無視して日本で生活しているわけだ。

しかし、一方で、この広い範囲の人の居住を赦さないような政策をうつとしたら、それによる社会的な損失は莫大で、しかもそれはその政策を始めた瞬間から生じ始めて、政策が継続している間中ずっと蓄積していく。

ようするにある危険を未然に防ごうとすることで、別の現実の損害がどんどん蓄積してしまうって事があるんだよね。

まあ、この想像を絶する規模の超巨大災害について、きちんリアリティのあるリスク計算ができるとも思えないけれど、定性的な基本としては、リスクとベネフィットを天秤にかけて、危険な場所でも人々が生活することを許容しているってのが現実ってことになるんだよね。


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