2014年09月30日
NYタイムズのネイティブ広告が好発進、 大手32ブランドのコンテンツを配信
今年1月8日に正式にネイティブ広告を導入して以来、半年近くで32ブランドからネイティブ広告の注文を受け、各ブランドのためのコンテンツを配信してきた。NYタイムズのネイティブ広告では、NYタイムズ内部のコンテンツスタジオ「T Brand Studio」でコンテンツを制作している。32ブランドのコンテンツ制作費は2万5000ドルから上は20万ドルまで(広告掲載料はこれとは別に徴収)。これまで最も人気の高かったネイティブ広告記事では10万ページビューを達成しているという。T Brand Studioには6月時点で16人の専任スタッフを抱えている。
32ブランドには、Netflix, Chevron, Dell , MetLife,Thomson Reutersといった有力広告主がズラリと名を連ねている。その中から、NetflixとThomson Reutersのネイティブ広告向けのコンテンツを以下に掲げておく。
図. Netflixのネイティブ広告
図. Thomson Reutersのネイティブ広告
当ブログでは年初に、NYタイムズがネイティブ広告に乗り出した背景を次のように紹介した。
「ネイティブ広告は、フォーブスやアトランティックなどの有力雑誌とか、ワシントンポストやウォール・ストリート・ジャーナルなどの有力新聞のWebサイトで、相次いで採用されてきている。ところがNYタイムズは昨年の前半ころまで、広告枠の外で(つまり編集枠で)広告主からのコンテンツを提供していく「ネイティブ広告」に否定的な立場をとっていた。編集と広告の境界線があいまいな形での情報提供を、高級新聞たるNYタイムズは避けるべきだという立場である。でも今の米国の新聞は、そんな綺麗ごとを貫ける余裕はない。NYタイムズも昨年中ごろには、iPhoneアプリでネイティブ広告の予行演習を実施していた。」
そして禁断の果実であるネイティブ広告に、NYタイムズがついに1月8日から着手したのだが、まずは順調に滑り出したと見てよさそうだ。CAPITAL(CAPITAL magazineのサイト)が現況を紹介しているが、このCAPITALの記事には、NYTの広告部門の陣頭指揮を執るMeredith Kopit Levien氏(43)についても語られていて興味深い。彼女は、伝統マスメディアで最も早くネイティブ広告を手掛けたフォーブスにおいてBrandVoice(フォーブスのネイティブ広告)を担当してきたが、その経験を生かして昨年(2013年)7月にNYタイムズの広告担当副社長(executive vice president for advertising)に就任した。彼女はまず、外部のデジタルスキルの高い専門スタッフをリストアップし、かなり多くの専門スタッフを獲得したが、一方でその入れ替えのために多くの内部スタッフが辞めていったという。NYタイムズもプリント広告の売上が急減している。まだ広告売上に占めるプリント広告の割合が高いが、これからはデジタル広告の売上増に頼らざる得ない。その牽引役となるのが、ネイティブ広告とビデオ広告である。
◇参考
・Native advertising is growing at The New York Times
・Going native at the Times(Capital)
・You can expect more multimedia-rich native advertising from The New York Times(NiemanLab)
・用心深くネイティブ広告導入、NYタイムズも禁断の果実に触手を(メディア・パブ)
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