(2014年9月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
中国政府は9月29日、民主化推進を求める香港の活動家たちによる市民的不服従の共同キャンペーンに対して一歩も引かないという誓いを貫いた。
「困難は多少あるかもしれないが、国はそれらに対する準備ができており、中央政府も準備ができている」。中国の全国人民代表大会(全人代=国会)委員長の張徳江氏は8月末、香港のビジネス街を混乱させるという民主派団体「和平占中(オキュパイ・セントラル)」の脅しに暗に触れ、全人代の香港代表団にこう語った。
強硬姿勢を貫く中国政府
先週末に何万人もの抗議者がまさにそれを実行し、香港警察との衝突を招くと、中国政府は、同政府が「違法集会」と呼ぶものに反対する立場と、エスカレートする危機に対処する香港政府の能力に対する信頼を改めて繰り返した。
だが、2017年に予定されている香港行政長官選挙で候補者を選抜することを決めた中国政府の判断を支持する人々でさえ、週末に香港の街頭で噴出した怒りに驚きを表した。
「『市民的不服従』という言葉は香港で起きていることを表していない。いま起きているのは暴動だ」。深圳大学の香港問題の専門家、張定淮氏はこう話す。
「中央政府はすでに意見を表明しており、この運動を抑制しようとする香港の取り組みを支持する。私の見るところ、学生の行動は衝動的で、これを煽っている人々がいる。中央政府の決定は変えることができない」
ソーシャルメディアを相次ぎ遮断
中国本土の検閲当局は、香港での事態の展開に不意を突かれたように見える。政府は当初、中国のツイッターに相当する微博(ウェイボ)上で「オキュパイ・セントラル」およびそれと関連する言葉を禁止した後、通常は中国でアクセス可能なフェイスブック傘下の写真共有サイト「インスタグラム」へのアクセスを遮断した。
また、検閲当局は9月29日、ユーザーが友人や知人の個別グループと対話したり、文書を共有したりできる騰訊控股(テンセント)のメッセージングサービス「微信(ウィーチャット)」に投稿された香港関連の記事も遮断した。