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岐阜

県内に5つの活火山 ハザードマップ一部未完成

 県内には御嶽山のほかに四つの活火山があるが、乗鞍岳とアカンダナ山、白山の三つは県の「火山ハザードマップ」(防災地図)が完成していない。噴火時の対応を県などが事前に決めておくための重要な資料で、早期の完成が必要だ。

 県防災課によると、土石流や火山灰が及ぶ範囲を示す地図で、御嶽山の分は二〇〇九年二月に作成した。今回の噴火では気象庁の噴火警戒レベル「3」が出たため、事前の取り決め通りに火口から半径四キロを進入禁止に。今後、もしもレベル「4」になれば、半径八キロの百十一世帯に避難準備を指示する方針も決まっている。

 乗鞍岳など三つの山のハザードマップ作りが遅れているのは、気象庁や国土交通省による火山の被害想定が予算不足でまとまらないためという。

 乗鞍岳は岐阜県側だけでも年間十八万人が訪れる人気の山だが、国と県、高山市などが準備会議を発足させた段階。高山市の職員は「御嶽山の噴火で急がなければならないと実感した」と漏らす。

 白山は修験道の信仰の中心で、県や白川村がハザードマップの素案を年末までに地元住民に説明する。アカンダナ山は噴火の危険性が比較的低く、県はその後に作成する予定という。

 御嶽山と焼岳のハザードマップは、インターネットで「火山防災マップ」で検索できる。

◆御嶽山噴火犠牲の三浦さんを惜しむ

 御嶽山に登山をしていて噴火で亡くなった岐阜市次木、会社員三浦勇さん(45)。死亡確認から一夜明けた二十九日、市内にある勤務先の同僚は「信じられない」と戸惑い、親族は「心の整理がついていない」と明かした。

 三浦さんは社内の登山同好会に参加し、年に数回、山に出掛けていた。

 御嶽山には、同僚ら四人と出掛けて力強く先頭を歩み、山頂近くで眼下の眺めに「苦労して登るとすがすがしいねぇ」と晴れやかな表情を見せたという。

 今回は、北アルプスの槍ケ岳(三、一八〇メートル)の登頂に挑戦するための練習。一緒に登っていた同僚らによると、三浦さんと別の同僚男性が噴火に巻き込まれ、はぐれてしまった。この男性も、まだ連絡が取れない状況が続いている。

 一方、三浦さん宅では二十九日午後、親族とみられる女性二人が一時帰宅。疲れた様子で「気持ちを察していただければ…。話せる状態ではないので」と再び車で外出した。

(大島康介)

 

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