香港デモ:催涙弾使用に反発広がる ツイッターで拡散

毎日新聞 2014年09月30日 20時46分(最終更新 09月30日 21時21分)

官庁街の金鐘地区で、占拠を続けながらスマートフォンをチェックするデモ参加者(中央)。抗議活動の情報はソーシャルメディアを通じてまたたく間に広がった=香港で2014年9月30日、隅俊之撮影
官庁街の金鐘地区で、占拠を続けながらスマートフォンをチェックするデモ参加者(中央)。抗議活動の情報はソーシャルメディアを通じてまたたく間に広がった=香港で2014年9月30日、隅俊之撮影

 香港の大規模デモに対し警察が28日夜から催涙弾を使用したことに強い反発が広がっている。スマートフォンを使いこなす学生らの若い世代は、現場で見たことや感じたことをツイッターなどでまたたく間に拡散させ、かえってデモ参加者を増やす結果となった。

 「白い煙が広がり、目が痛くなったので催涙ガスだと気づいた。すぐに写真を撮って(写真共有サービスの)インスタグラムに投稿した」。官庁街の金鐘地区で女子大学生(21)が言った。催涙ガスの情報は多くの人が発信し、反発の気持ちが共有された。「本当に失望した。でも、その怒りをみんなが共有していることがソーシャルメディアを通じて分かった」

 大学生の鐘君豪さん(20)は「私たち次世代は未来を自由に選択できることを望んでいる。最後まであきらめない」と話した。

 2005年の世界貿易機関(WTO)香港閣僚会議の際、海外から来たデモ参加者らに催涙弾が使用されたことがある。今回、香港の警察当局は催涙弾87発の使用を発表。ソーシャルメディア上でも「恥を知れ」と反発が急速に広がった。

 地元英字紙によると、警察官が催涙弾の使用の正当性を認めながらも「(使用は)少し驚いた」とコメントするなど「平和的なデモ」を訴える学生らへの強硬姿勢には動揺も出ている。このため、催涙弾を使う強制排除は今後難しいとの見方が広まっている。【香港・隅俊之】

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