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プラニメ『Plastic 2 Mercy』インタビュー

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

プラニメ:カミヤサキ(ex.BiS)ミズタマリ(ex.いずこねこ)

 抱えきれぬ無茶な夢も I Know? You Know? 届かない?
 不安でも 蹴り上げて飛べ baby another sky

 日本のアイドルシーンにいくつもの衝撃と喪失感を残し、嵐のように過ぎ去ってしまったBiSといずこねこの物語。それを見守ってきたほとんどの人が言う。プラニメにあれは超えられない。
 バカにするな。そんなことは百も承知の上で、それでも超えようとしているんだ、2人は。意識したくなくても意識してしまう過去と対峙しながら、カミヤサキとミズタマリは“概念”や“現象”や“大人の力”という不確かなものでなく、自らの存在を懸けて戦っている。

◎ミズタマリ(ex.いずこねこ))
周りの反応で「終わる」っていうのが決まったんです。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--自撮りですか?

ミズタマリ:このお店、綺麗だから撮っておこうと思って。でも私、自撮り苦手なんですよ。

--アイドルとしては致命傷ですね(笑)。

ミズタマリ:そうなんですよー。だからツイッターにあんまり自撮りを上げないんです。ダメですよね。でもたまに「どうだ!」みたいな写真が撮れるんですよ(笑)。20枚ぐらい撮らないとその奇跡みたいな写真が撮れないんですけど。で、そっからまた綺麗に加工して……。だから取材の写真とか基本的に見たくないです。私に選ばせてくれないから。アー写(アーティスト写真/宣材写真)とかも「あー……」って気分で見てる。あと、あざといのも嫌いなんですよ。いかにも「可愛いでしょ?」的なあざとさが。

--向いてないなー、この仕事(笑)。

ミズタマリ:私がやってもなんか古くなるんですよ(笑)。

--なんでアイドルになったんですか?

ミズタマリ:アイドルになりたいと思ってなかったんですよ。最初はバンドをやっていて。ギターとかバイオリンとかピアノとか楽器が好きで。でもそのバンドにはボーカルがいたから、私も歌いたかったんですけど言えなくて。で、ある日、地下アイドルイベント。のど自慢みたいなしょうもないイベントなんですけど、それに友達から誘われて歌ったら「あ、ステージで歌うの、クソ楽しいやん!」ってなって、アイドルになりたいというよりもステージで歌いたくなった。

--でもアイドルになったのは?

ミズタマリ:そのときにサクケン(サクライケンタ/元いずこねこプロデューサー)が仮歌の仕事をやってくれる人を探してて。そのイベントにサクケンが曲を作ったアイドルも出てて、声を掛けてくれて「仮歌やってくれません?」って言われたんです。1年ぐらいやってましたよ。「歌でバイトできるんだ、お金もらえるんだ!」と思って。同時にフリーでイベントにも出てたんですけど、オリジナル曲もないし、楽器もないからアイドルイベントしか出れなくてアイドルになってました。で、初めてオリジナル曲をもらって、赤坂BLITZの復興支援イベントで河村隆一さんと共演したんですよ!

--凄いじゃないですか。

ミズタマリ:それで「ここまで来たらもう行かなきゃ!」「私、この世界で頑張ろう!」みたいな。だからアイドルは流れです(笑)。アイドルなんてミニモニ。ぐらいしか知らなかった。でもアイドルの仮歌やってるときに「どんな娘がこんな可愛いブリブリな曲歌うんだろう?」と思って観に行ったら、ちょっと感動しちゃったんですよ。それがしず風&絆~KIZUNA~ちゃん。

--プラニメとしてはT-Palette Recordsの先輩ですね。

ミズタマリ:「アイドルだけど格好良いんだなぁ」って。でも他にもいろんな地下アイドルとか観てたら「私のほうが絶対パフォーマンスできるし、もっと盛り上げられるし、歌も絶対あの娘たちよりは上手くなれる」と思って。なんか「こんなんでキャーキャー言われてんだ!?」って悔しくなって。それで「私がやってやる」みたいな。「アイドルなんかクソ食らえ!」から始まった(笑)。それでしょこたん(中川翔子)とか、まのえり(真野恵里菜)ちゃんとか、小桃音まいちゃんとかソロアイドルをいっぱい観て、アイドルになりつつ「アイドルよりももっと格好良くライブできるようになったらいいな」と思って勉強しました。ソロでいろいろ変えてやろうと思って。

--それがいずこねこだったと。

ミズタマリ:そう!

いずこねこ sampleメドレー2
※いずこねこ sampleメドレー2

--いずこねこってなんで終わっちゃったんですか?

ミズタマリ:なんで終わっちゃった? とりあえず終わった理由がいっぱいあり過ぎるんですよね。一番の大きい理由は、仕事量が抱えきれなくなった。サクライさんは拘りが凄いんですよ。曲は誰にもいじられたくない、歌詞も俺が書く、仕事の依頼も俺が選びたい、どういう風に活動していくか全部見ていたい、グッズも俺が全部やりたい、デザインもしたい……もう拘りがすっごい。本当に天才だし、クリエイティブな人だし、プライドも高いし、拘りも凄いから仕事量が抱えられなくなっちゃって。私がここまで来ると誰も思ってなかったし。

--サクライさんが抱えきれなくなったと。

ミズタマリ:そう。サクライさんは元々音楽事務所で音楽作ってるだけの人なんですよ。プロデュースできないんです。ただ、私がすごくセミプロデュースが出来ちゃったからここまで来れたんですよ、2人で。最初の頃は3,4人ぐらいスタッフいましたよ。仲間内で集まってチームを組んで。けど、いざ始まったら徐々に離れていっちゃって。サクライさんの拘りが強すぎるから。「ああしてほしい、こうしてほしい」って注文多すぎるし、みんなそれを抱えきれないし。小さい事務所で、しかも最初はフリーの団体だから。それで2人になって、また新しい人が入っても結局サクライさんの性格に耐えられないから、どんどん離れていっちゃうんです。でも私はその性格にも「天才だから。この人がいないと私は動かないから」ってずっとついてきたし、尊敬しているところもあるから進められていたんですけど、3年という年を重ねてきて、いずこねこもイベントのトリとか務められるようになって、注目も浴びて、そうなるとプレッシャーもあるし、サクライさんが作る曲への期待値もどんどん上がるじゃないですか。「次のサクライさんの新曲、すごく楽しみにしてます。期待してます」その言葉が重みなんですよ。サクライさんにとっては。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--苦しくなってしまったんですね。

ミズタマリ:「いずこねこの曲は、俺が作りたい曲を作る。で、マリちゃんが好きなようにパフォーマンスする。自分のやりたいようにやる」って言っていずこねこは始まったのに、どんどんそれが重みになってくるんですよ。私もそうだけど。振り付けも自分でやってたし、忙しくて歌やダンスの練習ができなくて悔しい想いもするし。で、サクライさんも「もう無理だ。もう詞が出せない」みたいな。そしたら止まっちゃうしかない。それで「もう僕辞める。あとはマリちゃんに任せた」みたいな連絡が定期的にあって。それをツイッターや表に出さないようにしていたのは私たち。だけどそれを私たちも放棄しちゃったから書いちゃっただけ。書くか書かないかの差だったんですよ。でも書いちゃったから「あ、今回は本当に書いちゃった」って。書かなかったら今も続けてたと思う。

--どんなことが書かれていたんですか?

ミズタマリ:もう僕はいずこねこを辞めます。みんなが僕のことを嫌いになって離れていきました。そんな内容です。だからケンカの最中に何も解決していないのに自分がワァー!ってなってることをそのまま書いちゃっただけなんです。本当にそれだけなの。で、サクライさんの言葉しかネットに出ないからいろんなことも書かれたし、間違った情報ばっかり流れて、私もすごくツラかったし。何が一番ツラかったって、サクライさんの発信だけで、みんなが勝手な想像でバァーって書いて盛り上げちゃって、そこでスッと止めておいてくれたら良かったのに何千リツイートもされて、ヤフーニュース載って、そこまで大事にされたから出来なくなっちゃったんですよ……。もしそれで「あ、またサクライさんがこんなこと書いてるわぁー」「サクライさん、また病気悪化しちゃったんだなぁ。落ち着いたらいいなぁ」ぐらいの心の広さでみんなが見てくれたらいいけど、そんなことは絶対にないから。見てる人は何千人もいるし、その全員が味方してくれる訳じゃないから。周りの反応で「終わる」っていうのが決まったんです。

--要するに収拾できなくなった?

ミズタマリ:そう。そっから私が何もそのことに対して発信しなかったのは、もう何を言っても情報が二転三転して間違った形で周りに広がっていくだけだし、それが嫌だったから。もうここで抑えておきたいから、私はあの事件のあとに何も言わなかった。

--いずこねこ終了が決まっても活動は8月の終わりまで続きましたよね。どんな心境で動いていたんですか?

いずこねこ/nostalgie el (2nd onemanDVD 「猫と煙と赤いカーテン」in 東京キネマ倶楽部より)
※いずこねこ/nostalgie el (2nd onemanDVD 「猫と煙と赤いカーテン」in 東京キネマ倶楽部より)

ミズタマリ:私はいずこねこを愛してたんですよ、本当に。いずこねこのおかげでいろいろ変わったこともあったし、いずこねこのせいで学校辞めたりとか、いろいろツラいこともあったけど、でも「学校辞める」って決めたぐらい覚悟してやっていたから、絶対にいずこねこを守りたかったんですよ。で、自信持って、誇り持ってやっていたから「綺麗に終わらせてあげたい」って、そのモメたあと。5月ぐらいにしっかり決めました。サキちゃんの話もあったし、私はしっかりいずこねこを終わらせてあげないとファンの人に申し訳ないし、自分もケジメつけないなといけないから。

--サクライケンタはミズタマリにとってどんな存在だったんだろう?

ミズタマリ:なんか……親みたいな。生みの親だし。で、活動しているときはめっちゃ仲良かったんですよ。病気のことがあっても、性格がどれだけ悪くっても(笑)全然一緒に活動できていたから、兄弟みたいな。お兄ちゃんみたいな存在であり、親であり、家族みたい。本当に……チームだったんですよね。デザインやってくれていた人とかも、結局離れちゃったけど、お母さんみたいに思ってたし、お姉ちゃんみたいに思ってたし。フリー団体で始めたから契約結んでやってる訳じゃないし、自分たちで「やりたい!」と思って集まったチームだから、みんなのこと好きでいたんです。

--そういう意味では、いずこねこは“解散”という表現も間違っていないと思うんですが、ミズタマリが元BiSのカミヤサキとユニット組んで、サクライケンタは元BiSのコショージメグミと組んで。チームいずこねこ、どれだけBiS好きなんですか?

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ミズタマリ:それは本当に偶然です(笑)。コショージ本人からも「発表の2日前に決まった」って聞いたし、サクライさんからじゃなくてコショージから言った……まぁその辺はよく分かんないんですけど、私も「BiSに入ろう」なんて思ったこともないし、ただBiSが好き。ただイチファンとしていただけで。ライブもいっぱい行ってたし、ミッチェル(元BiSメンバー)とか仲良くしてくれたし、ファンとしてプーちゃん(プールイ/元BiSリーダー/現LUI◇FRONTiC◆松隈JAPAN)のこと大好きだったけど、BiSと何かしようなんて思っていなかった。だからサキちゃんから声かけられなかったら、私は今何していたか分かんない。またギターを触ったりはしていたかもしれないけど、もう一回オーディション受けることもないし、ソロでメジャーに行こうとも思わなかったし、本当にゆるくバンドとかをやってたと思う。

--では、アイドルを辞めるという選択肢もあったと。

ミズタマリ:あった。いずこねこ大好きだし、いずこねことしての自分が大好きだから続けたいとも思ったけど、でもいずこねこのせいで嫌いになっちゃったところもあって。だからよく分かんなかったんですよ、最後のほうは。今も「いずこねこ続けたい?」って言われたら続けたくないし、でもいずこねこ大好きだから「また歌いたい?」って言われたら歌いたい。でももう歌えないから、それはしょうがない。そんな感じ。

映画『世界の終わりのいずこねこ』特報!!!!!!!!!!!!!
※映画『世界の終わりのいずこねこ』特報!!!!!!!!!!!!!

--そう考えるとBiSが解散していなかったら、カミヤサキがアイドルを続けようと思ってなかったら、ミズタマリがアイドルとしてステージに立つことはなかったかもしれないんですね。

ミズタマリ:なかったと思います。たまたまBiSさんが解散したから、サキちゃんに声かけられて今がある。BiSが続いていたら、まだいずこねこは映画『世界の終わりのいずこねこ』があるから、それで関係者しながらBiS通ってたんじゃないかな(笑)。

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サキちゃんに絶対的な信頼を置いてるから、私は

--いずこねこはプラニメの結成後、8/31に奇しくも横浜アリーナ(@JAM EXPO)でラストライブを行いました。ウェディングドレスのような衣装を着用してのステージだったようですが、いかがでした?

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

ミズタマリ:忙しかったんですよ、あの日。プラニメのライブ、いずこねこの特典会、プラニメの特典会、いずこねこのライブみたいな。だから味わう時間もなかったんです、正直。でもお馴染みのSE聴いて「あ、いずこねこの曲だ」って思って。その日は前半ずっとプラニメの曲ばかりで、新曲も2曲披露ということで慌てていたけど、いずこねこのSE聴いたときに安心感が急に生まれて「あ、ヤバイ」ってなりました。これでステージ出ちゃったらもういずこねこの光景、いずこねこのお客さんの光景は観れないんだなとも思ったし、本来なら「よし!」って気合い入れたいけど、気合い入れちゃうとすぐに崩れちゃいそうだから「うわぁー!」ってみんなの前に出て喋って、ギリギリまで喋って。でも出ちゃえばいつも通りで全然大丈夫だったんですよ。お客さんが泣いている姿を見て「あ、泣いてるわ!」ぐらいにしか思ってなかったけど、最後に挨拶したらヤバかった…………今もヤバい。

--目、真っ赤ですよ。なんて挨拶したんですか?

ミズタマリ:なんて挨拶しただろう? そのときの感情をバァー!ってぶつけて。でも感謝の気持ちが一番デカかった。これだけの景色を独り占めできるのもソロの特権だから、そういうのもあって「ソロでやってて楽しかったよ」って。これだけ集まってくれたことが私のソロでやってきた一番の成果。多分、そういうことを伝えました。

--ミズタマリにとっていずこねこって何だったんでしょう?

ミズタマリ:自分がやりたいこと、それまで出来なかったことを全部やらせてくれたし、挑戦させてくれた。いずこねこってもう一人の自分じゃないですか。変身と言うか、もうひとつの自分になれた。そんな感じです。だから今はいずこねこがすごく羨ましい。今は元BiSと元いずこねこで、2人でプラニメやってますけど、やっぱりBiSの存在のほうが大きくて。今までBiSと比べられたこともなかったし、同じ土壌に立ったつもりもなかったけど、今は立場としては同じじゃないですか。そうなるとBiSのほうがいずこねこより絶対的に大きいんですよ。それがちょっと悔しくて。いずこねこも頑張ればもっと行けたけど、あそこで終わってしまったから。

--元BiSと元いずこねこだと……

ミズタマリ:元BiSのほうが反響もデカい。どうしても「元BiSの新ユニット、プラニメ」になるから、それが悔しいから「もっと頑張ればよかったよ!」っていずこねこに対して思う。でもひとりでここまで出来たっていう自信があるから、いずこねこを私は誇りに思ってるし、負けてないとも思ってる。ただ、同時に「いずこねこは愛されてたんだなぁ」っていうのが分かって、今の私からするとそれもまた悔しい。多分そんな存在にはもう……もっと頑張んないとなれないことが分かってるから、それが悔しい。

--もうステージで「ニャンニャン!」とは言わないの?

ミズタマリ:言わなーい(笑)。年齢的にもう終わりかなって。そういう意味ではちょうどよかった感もある。二十歳前に終われて、十代の特権を使い切ったかなって。「高校生だからまだいけるでしょ!」みたいな頃から始めて「もう大学生か……もう十代終わるんだけど」っていうところでちょうど終われてよかったかな(笑)。ラストライブで全力で「ニャンニャン!」言ってきたから。「ニャンニャン!」言える曲ばっかりやってきたんで、もう大丈夫。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--で、今はプラニメの活動に専念している訳ですが、こちらのチームはマネージャーの渡辺淳之介、サウンドプロデューサーの松隈ケンタ、そしてメンバーのカミヤサキなど、ほぼほぼBiSの主要人物たちで構成されています。

ミズタマリ:そう!

--言うならば、ミズタマリは転校生的な状況になってると思うんですけど。

ミズタマリ:私、転校生はすごく慣れてるんですよ。小学校のときに3年で転校して、また3年したら転校して、中学校は新しいところから始めて、高校も外部で始まって3年やってるんで、転校生は慣れてるんです。だから新しい環境に入るのは得意なんですけど、やっぱり寂しいですね。誰も私のことを知らないし、どこに行っても「サキちゃん、サキちゃん」ってなって。そこには今までの関係性があって、私は思い出話を聞いても知らないから「あ、そうなんだ」としか言えない。

--思い出を共有してる同士だらけの場所で、自分だけ共有できてないっていう。

ミズタマリ:BiSのことはただ好きだっただけだから。そこはツラい。渡辺さんとも正直言ってまだあんまり喋ったことないし(笑)、2人で面と向かって喋ったこともないし。だから本当にみんなのことは何も知らない……けど、サキちゃんが信頼してるから私も信頼してる。サキちゃんに絶対的な信頼を置いてるから、私は。サキちゃんが「この人は絶対に大丈夫」っていう人は私も信頼する。だから全部サキちゃん通してのフィルターで見てるんです。みんなのことを直で信頼した訳じゃなくて、サキちゃんが「良い」って言ってるから良い、サキちゃんが「悪い」って言ったら私も悪いと思っちゃうぐらい(笑)サキちゃんがいないと。

--「Plastic 2 Mercy」のライブビデオにもなっていますが、某アイドルフェスで客席に突っ込んでいったり、それで渡辺さんが怒られたり、ああいうアプローチについてはどう思ってるの?

プラニメ”Plastic 2 Mercy” LIVE VIDEO
※プラニメ”Plastic 2 Mercy” LIVE VIDEO

ミズタマリ:「BiSだからよかった」みたいな意見もあるじゃないですか。私はBiS大好きだから、BiSのライブのモッシュピットに入っていくぐらい大好きだったんですけど、プラニメとしてそれをやったときに本当に面白いかどうかはまだ分かんないんですよ。今は試行錯誤をいろいろして、客席に入らないときもあれば入るときもあるし、そこはみんなも様子見だと思う。BiSが良い=プラニメが良いにはならないし、それはみんな分かっているからサキちゃんも試行錯誤だし、私も今までダイブとかしたことないから……たまたまベルハーとのツーマン(http://bit.ly/1qlhGEn)のときに客席に下りようとしたらヒュって上げられてリフトみたいにはなったけど、あれが良かったのかどうかも分からない(笑)。これからプラニメのイメージが出来てきたらいいなとは思ってますけど。

--いずこねこ時代のファンはどう思ってるんだろうね。プラニメに対して。

ミズタマリ:そんなによくは思ってないでしょうね。飼い主(いずこねこファンの通称)には曲ありきで私のことを応援している人もいれば……というか、それが9割なんですよ。私自身のやりたいことをやってる姿を見て応援してくれている人はプラニメも来てくれてる。本当にそれが少数なのも分かってるし、客席観ればほぼ研究員(BiSファンの通称)で埋まってて、私の目の前に10人にも満たない飼い主が居てくれる状況で。ほとんどの人はいずこねことしての私が大好きだから……プラニメを応援できるできないの前に「いずこねこじゃない」という感覚。ミズタマリといずこねこは全然違う、同じ人と思ってないんだろうなっていう。

--まぁでも新しいことをやる上で「やりづらい」とか「理解されない」とかはある程度想定できたことだと思うんですよ。それでもカミヤサキとやっていきたいと思ったのは何故なんですか?

ミズタマリ:サキちゃんってすごく真面目なんですよ。私のことをちゃんと考えてくれるし、何事にもすごく真剣にちゃんと良くなるように考えるし、でも抜くところは抜くし、人としてすごくちゃんとしてるんですよね。私はグループとか苦手で、今までの人生の中で「この娘と一緒にずっといる」ってことがなかったんですよ。すごく一匹狼というか、学校でも絶対同じ人とは一緒にいない。ご飯食べるのも絶対いろんな人と食べてて、毎日相手が違う。だから相方を作ったことがないし、相方にできるような娘もいなかったんですよ。それなのにサキちゃんはスって入ってきたんです。誰かの家にお泊りとかあんまり行ったことなくて、行ったら本当にツラくなって「帰りたい!」ってなっていたのに、サキちゃんの家は「帰りたい」と思ったことがなくて。それが凄いなって思った。「あ、この娘なんだ!」って思いました。

--見つけたんですね。

ミズタマリ:最初に誘われたときは「え、サキちゃん?」と思ってビックリしたんですよ。実はBiS入る前に知り合ってて、2人ともアニメが好きだからコスプレしたりして。コスプレしてても一緒にいて気にならない。私、どんなに一緒にいる人でもすぐ気になるんですよ。「この娘のあそこが……」とか。でもサキちゃんにはそれがなくて「めっちゃ居やすいなぁ」と思ってたら、今回声かけてくれて。で、サキちゃんのライブ観てても、すごく考えて努力して真面目にやってるのも分かるから「似てるところあるな」って思ってたんで。一緒にやったら似てるところは伸ばせるし、足りないところはちゃんとお互いに言えるんじゃないかなって。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--良いパートナーじゃないですか。

ミズタマリ:だから「サキちゃんなら絶対良いと思う」って。お母さんには心配されましたけどね。「あんた、誰かと一緒に出来んの?」みたいな(笑)。「え、あんた、人ん家泊まれんの? しかも一週間も?」って本当に今でも心配されるんですよ。だけど、なんか泊まれちゃうんです。サキちゃんには申し訳ないけど(笑)居心地よくて。

--そのカミヤサキは「私たちは大人にやらされている訳ではなく、自分達でそのときやりたいと思ったことを全力でやるだけだ!」と言っていますが、ミズタマリはプラニメで何をやっていきたいの?

ミズタマリ:私、今までいずこねこで拘り強い奴がいっぱいいたんで何も出来なかったんですよ。自由にできるのはライブパフォーマンスだけ。だからプラニメでもライブパフォーマンスはしっかりやりたいけど、私は美大に通ってて、高校もイラスト/漫画/アニメコースに行ってたんで、それも活かせたらいいなって。グッズデザインとか参加させてもらいたいし、いずこねこでは意味が分からない歌詞を歌ってきていたので、意味が分かる歌詞を歌いたいし、その為にも自分で歌詞を書きたい。あと、普通は大人に「このイベント出て」って言われて出るけど、ちゃんと自分たちが出たいイベントにも出たい。そうやって自分たちのやりたいことがちゃんと反映されるようなユニットにしたいです。今まで全然出来なかったから。

--今ってカミヤサキのやりたいことは見えるんですけど、ミズタマリの主張はまだまだ弱い気がするんですよね。両者のクリエイティブ面も含めたぶつかり合いによって起きるスパークをもっと見たいです。

ミズタマリ:サキちゃんが良いと思うものは私も良いと思っちゃうし、私が良いと思うものをサキちゃんは「すごく良い」って言ってくれるんですよ。

--まぁそれはそれで良いじゃないですか。

ミズタマリ:どちらかの「良い」はどちらにとっても「良い」で、「これ、悪くない」「分かる、悪い」みたいになっちゃうんですよ(笑)。ぶつかることが全くなくて平和すぎるんですよね。だから一緒にいても全然苦にならないし。

--それで面白くなりそうなら良いんじゃないですか。

ミズタマリ:私はぶつかりたくないんです。今までぶつかり過ぎたから(笑)。意見を言っても反映されなくて「なんでだよ!」みたいなぶつかり合いはよくあったから、これからはいっぱい意見を言ってより良くしていく。「良いと思ってたけど、ここもっと良くしたらこうなるよね」「じゃあ、もっと良くする為にこうしよう」って良くしていきたい。で、サキちゃんがやりたいと思うことなんだったらもっとやってほしいし、私もやりたいことがあればどんどん言ってやっていきたい。でも大人の力借りないと結局動かないところもあるから。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--それはそうでしょ。

ミズタマリ:それについていちいち「どうなんだよ?」って言われると、私らは「どうしよう?どうしよう?」ってなっちゃうタイプだから(笑)。「結局何やりたいんですか?」とか「これ、何を求めてるんですか?」とかめっちゃ聞いてくるんですよね、オタク(笑)。それにイライラした時期もあったけど、これからワンマンとかもあるから、そういうところでじっくりじっくりこれからやっていきたいことを伝えていけたらなって。

--何をやるにしても「いずこねこを超えたい」とか「サクライケンタと一緒にやってきたものより凄いものを目指す」とか、そういう想いはあったりするの?

ミズタマリ:あります。いずこねこはもうライバルなんで。ずっとライバルになっていく存在だから、いずこねこを超えたい。まず。いずこねこで立った地の倍の人数を呼んでライブしたいし、いずこねこは媒体に全然出なくて知らない人が多かったので、もっと話題になれるように。いずこねこの良さもどんどん引き継ぎながらも「いずこねこのほうがよかった」って言われないように頑張っていきたい。

--そもそもプラニメは成功できると思いますか?

ミズタマリ:何とも言えない。断言できないです。でも私はやりたいって思えたんですよ。挑戦したかったんです。私は好きだからやるっていうよりも挑戦したい人だから。いずこねこも「こういうことに挑戦したい」って3年かけて良くしていったから、プラニメも挑戦としてやっていけば絶対良くなっていく。良くしていくから、私は。サクライさんの曲も私じゃなきゃ絶対無理なんですよ。今、コショージが新しいこと始めてるけど、それはコショージがまた別モノでやってるからいいんだけど、あの曲は別の人が歌ったら絶対よくなってないし、私がやってるから良かったって思ってるから。

--プラニメ好きですか?

ミズタマリ:好きです。めっちゃ好き。あのね、サキちゃんが好き(笑)。

--では、最後に。カミヤサキへのメッセージをお願いします。

ミズタマリ:最近、DSをもらって一人で「よし!ぐわ!」っていつもやってるから……私のことも構ってね。あと、楽屋とかでほろっとどっか行っちゃうから寂しくなる。ひとりにしないでください(笑)。

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◎カミヤサキ(ex.BiS))
プー・ルイと私はお尻から血出しても頑張ってきたよ!

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--お誕生日おめでとうごいざいます! いくつになったんですか?

カミヤサキ:ありがとうございます。23です。今日0時になった瞬間、マリちゃんがプレゼントくれました。スタバのタンブラー。

--今は一緒に暮らしているんですか?

カミヤサキ:マリちゃんが東京に出てきているときは。マリちゃんのほうが私の家族と仲良く話してくれるんで有難い。私、あんまり家の人と話さないので、マリちゃんが来たときのほうがお婆ちゃんとかも嬉しそうです(笑)。

--22歳はどんな1年でしたか?

カミヤサキ:21から22なんですよ、BiSに在籍していたのは。だから超変わりましたよ、いろんなことが。BiS時代は身の回りで変わったことが多かったけど、BiS解散後の方が考え方は変わりました。内面が変わってきた感じ。

--具体的に言うと?

カミヤサキ:BiSに入るまでは、何がやりたいのかあんまり分かんないような人で。だから就活も全然身に入らなかったし。で、BiSに入るんですけど、何してたらいいのか分かんない。ゆえに100kmマラソンとかに挑戦して。そんな感じで丈夫ではあったんですけど、ご存知の通りある事件で精神的に崩れたりして。22歳にして初めて「限界まで行くとこうなるんだ」って知った。で、そこから持ち直して、最近は自分が本当の意味で何がしたいか考えられるようになって、前より生き生きしているとは思います。

--プラニメでは“限界超え”みたいなことはなさそう?

カミヤサキ:今のところはないですよ。でも考えることは圧倒的に増えてる。BiSのときも考えていたけど、プー・ルイとか渡辺さんとか最初からいたメンバーの意見を大事にしようと思っていたから、わりと“私がしたいこと”というよりは“みんながしたいこと”に賛同してやっていく感じで、たとえ私とはちょっと意見が違うなと思っても「でもこの娘がやりたいならそうしよう」「その為に自分はこういう立ち回りをしよう」って活動していたけど、今は渡辺さんに「自分はコレがやりたいからこうしていきたい」とか、マリちゃんにも「こう思うんだけど、どう?」とか、自分で発信して動いている。その分、自分が受けるダメージも大きいし、良いことがあれば素直に嬉しいと思うし、前よりも自分に返ってくるものが大きい。

--何をやるにしても、そうなりますよね。

カミヤサキ:インタビューのお仕事とかも全部そう感じるようになった。BiSのときよりもちゃんと話したいことを話せてる気はします。BiSももちろん全然楽しかったんですけど、今振り返るとBiSのときの自分のほうがダメだなって思います。

--そのBiS。9/24に解散ライブDVD&BDもリリースされたばかりですが、今振り返るとBiSで過ごした1年間はどんな日々だったなと思いますか?

BiS / FiNAL DANCE(BiSなりの武道館より)
※BiS / FiNAL DANCE(BiSなりの武道館より)

カミヤサキ:速い。何もかも速かったし、BiSのおかげでいろんなことに耐性がつきました(笑)。多分、もう嫌なこと少ない……っていうか無い。

--すべての嫌なことは経験したってことになりますね、BiSで(笑)。

カミヤサキ:さっきもスタッフさんから「夜行バスがツラくて新幹線で来た」って話を聞いて「は!?」ってなって。「こっちは2週間車中泊してんだよ!」ってめっちゃ怒って(※BiSは冬に車中泊ツアーを経験)。

--(笑)

カミヤサキ:「でもなんかお尻から血が出てきて……」みたいなこと言ったから「ふざけんな! プー・ルイと私はお尻から血出しても頑張ってきたよ!」って。「しっかり夜行バスに慣れてもらわないと困りますね」みたいな。たったの何日間かの連チャンの夜行バスで「ツラいから新幹線」なんて言われたらたまったもんじゃないじゃないですか!

--いや、でもそれが普通の人ですよ(笑)。

カミヤサキ:いや、プラニメがめちゃくちゃ売れてるならいいですよ! でもまだ駆け出しで動き始めたばっかりのときにそんなこと言われたら……BiS時代に染み付いたアレなのかもしれないですけど「ふざけんな!」って思いましたね。「でも……」「でもってなんだよ!」みたいな(笑)。

--7/8はカミヤサキにとってどんな1日になりましたか?

BiS / nerve(BiSなりの武道館より)
※BiS / nerve(BiSなりの武道館より)

カミヤサキ:横浜アリーナでのBiS解散ライブ。間違いなく人生でかなり大きな1日というか……どちらかと言うと当日より前日のほうがドキドキしてました。誰もいない横浜アリーナでリハーサルをして、1人で会場を歩き回ったりして、凄い夢を見ているみたいで。本当に寝ながら見てる夢みたいな感覚。あんなに凄い照明の中でリハーサルとかやって「本当に明日解散するのかな?」みたいな。でもライブ自体はすごく楽しくて「もうしばらくこういう大きい会場に立てないんだ?」って思ったら寂しくなって。だからこそまたプラニメで大きな会場に立ちたいなって、ライブやりながらちょっと思ってました。

--あと、AV監督とのバトルが直前まであったそうですけど。

カミヤサキ:私はすごく気を遣ってくださる良い方が担当だったんですけど、私は自分で「私を撮っててもつまんない」って思ってたんですよ。撮ってて面白いのはテンコとかウイぽんとかだって分かっていたので、初めから「私、こんな話してていいんですか? 絶対つまんないですよね」って言ってて。某N羽さんの話から「私はつまらない」っていう見解に至っていたので(笑)初めから謝ってたんです。でもよくよくメンバーから話を聞くと「これは怪しい匂いがするぞ」と思って、途中から完全に拒否モードに入って、人と壁を作ることに徹してました。嫌味じゃなく、その人が傷つかないように。

--逆に無事に帰せる自信がないから、ですよね(笑)。

カミヤサキ:だから「私、男の人が苦手なんですよ」ってすごく言いまくってました。それで(※これ以上は『劇場版 BiSキャノンボール2014』の中核に触れそうなのでカット)

--何もかも解放したときのサキちゃんは「つまらない」どころか、BiSで一番面白い人でしたよ。

カミヤサキ:私は制御しちゃう人間なので、だから急に爆発しちゃうんですけど(笑)。まぁでも自分の心をコントロールしてる人間だったので、プラニメではコントロールしないままにやってみようかなとは思ってます。そっちのほうが面白いのかなって。

--ちょっと怖いけど(笑)良いと思います。BiSとしての活動を完全に終えた直後は、どんな気持ちになりましたか?

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

カミヤサキ:そんなに「終わっちゃった……」みたいな感じじゃなくて、寂しさもそこまでなく、BiSの曲も普通に聴いてたし。そのちょっと後のほうが聴けなくなりました。プラニメの活動が本格的になってからBiSの曲を聴くと、どうしてもBiSを意識しちゃいそうだから「やめとこ」と思って。

--今はプラニメの発起人でありメンバーとして活動している訳ですが、そもそもアイドルを続けようと思ったのは何故なんでしょう?

カミヤサキ:単純に「続けたいな」と思ってて、でもその方法をどうするか悩んでいたので、それが見つからなかったら辞めようかと思ってたんですよ。でもファンの人に「サキちゃん、残らないでしょ?」みたいなこと言われて、すげぇ腹立って!「は? ふざけんな! なんでおまえがそんなこと言うんだよ? 絶対残ってやる!」と思って残りました(笑)。あと、普通に「また会いたいな」と思って。ファンの人と。それで「もうBiS終わったら来ないよー」って言ってた人がプラニメのライブに来てくれたりとか、BiSの途中で来なくなっちゃった人がまた来てくれたりとか。それは嬉しいなって思います。

--ミズタマリとプラニメを組む以外のプランはなかったの?

カミヤサキ:ありました。ひとりでクリエーターとして何か作るとか、そってぃーさん(※外林健太/BiSやプラニメの衣装担当。カメラマンも)のアシスタントやろうと思いましたもん。弟子入り(笑)。あとはとあるグループに誘われていました。それでちょうど悩んでるときに【ピエールナイト】(ピエール中野主催のイベント。BiSも出演)があって、いずこねこのライブ観て「良いなぁ、一緒にやりたいな」って思って。マリちゃんは趣味も同じ感じだし、話を聞いたらやりたいことも私と一緒だったので誘おうと。でも最初はマリちゃんが「やりたい」と言わないと思っていたんです。グループが苦手とも聞いていたので。だからすごく慎重に話を聞いて、会う度に「どう思う?」みたいな感じで進めていきました。

--元々いずこねこ時代の彼女にはどんな印象を抱いていたの?

カミヤサキ:純粋な娘。初めて会ったとき、私はまだめろめろクローバーのメンバーだったんですけど、一緒に出たイベントの打ち上げでマリちゃんが泣いてて。号泣してて。「どうしたの?」って言ったら「大阪ではまだあんまりお客さんがノってくれないんだけど、東京の人はみんなノってくれて優しい」って。それで泣いてたから「なんて良い娘なんだ!」と思って。で、歌が上手いとか、ギャップも凄いあったので、最初からインパクトは強かった。

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今のままだと「いずこねこ/BiSの方が良かった」になる

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--そんな彼女と今はどんな関係になれていると思いますか?

カミヤサキ:マリちゃんも言いたいことをハッキリ言ってくれるので、嫌だったら「嫌だ」って言うし、顔にも出るし、分かりやすい。だから難しくない関係。でもマリちゃんも気を遣ってくれるので、実家じゃなくてこっちで長期間活動するときは気遣わないで、自然にやってくれればいいなと思います。

--そんなミズタマリと組んだプラニメでやっていきたいことって何なんだろう?

カミヤサキ:一番の目標はまだ言えないんです。それ以外では全国各地でツアーできるように早くなりたいし、メジャーデビューが早く決まりたい。ファンの方は「そんなに急ぐな」って絶対言うと思うんですけど、私としては“時間はそんなにない”と思うので。私はこれがラストチャンスだと思ってるんですよ。マリちゃんも真面目なんで大学のあとのことをしっかり考えていると思うし、大学終わるまでにプラニメがどうなっているか次第で残るか就職するか決めると思うんですよ。だから私としては早く良い感じに進んでいきたいなと思うので、メジャーデビューを早く決めたい。

--そこは焦るところ?

カミヤサキ:そんなに焦ってはないんですけど、あんまりモタモタしたくないかなって。もちろん出来たばっかりなので、今を大事にしなきゃいけないのは分かるし、お客さんを確実に増やさなきゃなとも思うんですけど、もっと広い視野で考えていかないとなって。マリちゃんの大学卒業までにかなりの軌道に乗っていたいなって思います。

--マリちゃんは今何年生なの?

カミヤサキ:2年生かな? だから3年間計画。私も年齢が年齢なので、本当にそう思ってます。

--結局はプラニメもBiSと同じ速度で進めていかなきゃいけない(笑)?

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

カミヤサキ:ハハハハハ! でもマリちゃんがどういう選択をするかは分からないけど、誘ったからにはいずこねこで出来なかったことをしっかりやらせてあげたいし、行けなかったところにも行かせてあげたいし。自分だけのことじゃなく、マリちゃんを成功させてあげないと!みたいな気持ちがすごく強いです。

--そこまで相方のことを想ってるアイドルユニットも珍しいですね。

カミヤサキ:でも本当に「誘ったから!」っていう気持ちがあって。その責任は果たしたい。

--あと、カミヤサキはプラニメについて語る際に「私たちは大人にやらされている訳ではなく、自分達でそのときやりたいと思ったことを全力でやるだけだ!」的なことを言いますよね。あれはなんで?

カミヤサキ:うるさい人たちがいるからです。言わないと伝わらないので。ただ、その言葉はライブで私がダイブするとか、何かするときに“やらされてる”って勘違いされるのは嫌なのでそう言ってるだけで、別に大人を嫌悪している訳では全くないんです。渡辺さんもスタッフさんもみんな助けてくれるし、一緒にやっていく気持ちはもちろんあるので、そこは勘違いしてほしくない。でもウチらがそういう風にやっていることを「渡辺さんの案なの?」とか言ってくる人もいるので「そうじゃないよ」ってことが伝えたくて。

--BiSのパブリックイメージですよね。渡辺さんが悪い親方みたいな存在でメンバーが指示されてるというイメージの影響。

カミヤサキ:そうそう。「それはないよ」って言いたい。渡辺さんが悪い人に見えるのはしょうがないと思うんですけど(笑)、そこまで嫌悪するほどじゃないよっていう。プラニメが始まるまでにいろんなところに行ってくれてると思うし、そういうところは知らないから仕方ないとは思うんですけど、そんなに嫌悪してても良いことないじゃないですか。良い風に思ったほうが幸せでいられるじゃないですか。だからいつまでもそんなに嫌悪する必要ないのになって思って。

--また、9/1のBELLRING少女ハートとのツーマンで「私はBiSだったからダイブするんじゃない。楽しいと心から思ったときにダイブするんだ。だから私はどこにいてもダイブをするんだよ!」と叫んでいたのも印象に残ってます。ダイブに対しての想いをあんなに熱く語る人、初めて見ました。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

カミヤサキ:ハハハハ! だって、飛びたいじゃないですか(笑)! あれを言ったのはなんか勿体無いなと思って。BiSのときも楽しくて飛んでたのに、プラニメになったから飛ばないのって。それこそ逆にBiSに捕われてると私は思って。だから仮にプラニメ組んでなくても、どっかで飛んでたと思いますよ。

--(笑)

カミヤサキ:どっかのグループで飛んでた。本当にそれぐらいの軽い気持ちなんですよ。ただ、BiSのときは「IDOL」で飛ぶみたいなお約束になりつつあったので、プラニメは本当に気分が高まったときに飛びたい。

--「あー、今夜はビール呑みてぇ」的な感じで?

カミヤサキ:そういう感じ! 私、お酒はあんまり得意じゃないんですよ。でも好きなんですよ、すごく。だからたまに無性に「今日は呑みたいなぁ」みたいな日があるんですけど、それと変わらない。

--(笑)。BiSとの比較。これはカミヤサキの中でどうしても気になってしまう要素になってるのかな?

カミヤサキ:それはしょうがないんじゃないかなとは思ってます。でも自分がいかにそれを気にしないでやっていけるかだなと思って。これからファンを倍以上に増やしていかなきゃいけないので、BiSと比較されることを気にしていてはいけないなって。研究員さんはああいう場所にいたから、求めているものが無意識なうちに突飛なもの、BiS的なものになってると思うんですよ。だからダイブした日とか客席に乗り込んだ日に評価される。でもそうやって分かり易く目に見えるもの以外のところでもちゃんと伝えていかなきゃいけない。そこばっかに頼ってたら、私は結局BiSのときと一緒になっちゃうので。純粋に歌って踊るだけでも「今日、めっちゃ気合い入ってたよね」とか言われるようにならないと。ってaikoさんのライブを観てすごく思いました。

--なるほど。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

カミヤサキ:aikoさんは普通にライブやってすごく盛り上げていたし、自分の出来ないことがそこにはあったので。なかなか難しいですけど、アイドルがそういうレベルまで行くのって。だからあまり「BiSだったからこういうことしないと」みたいなことは考えたくないなって思います。

--カミヤサキはダイブもそうですし、全裸や100kmマラソンなどBiSの象徴的なアクションは全部やってきましたよね。そうしたセンセーションをプラニメでやっていきたいとは思ってないの?

カミヤサキ:脱ぎたくないです、もう(笑)。あれはBiSだからやっていたので。1人だったら絶対やってないんで。あと、何がセンセーションだって評価されるのか私はよく分かんないんですけど、それって後からついてくるじゃないですか。普通にやっていたことが「新しい!」って言われたりするじゃないですか。そういうものが生めたらいいなとは思ってます。狙ってやるんじゃなく、結果的にそう思われるものが出来ていたらいいなって。

--では、今後、どのようなヴィジョンを持ってプラニメを成功させたいと思っているんでしょう?

カミヤサキ:まず10/5のワンマンを成功させる。で、そのあともワンマンが結構なスパンで行われると思うんですよ。なので、そこでしっかり良いライブが出来るようにしたい。BiSのときよりもワンマンに向けての「ああしないと、こうしないと」っていう感覚がすごく強いので、ワンマンの成功というものを前より意識するようになってるんです。あとは、他のアイドルやアーティストが出てるイベントでもちゃんとプラニメの魅力を発揮できるようにしないといけない。「今日の出演者の中で誰よりも印象に残った」みたいなところを目指します。一番の目標がまだ言えなくてもどかしいんですけど(笑)。

--プラニメは成功できると思いますか?

カミヤサキ:私は思ってないとダメですよ。成功させる。すごく落ち込むときもあるんですけど、そういうときは「こんなことで落ち込んでたら絶対成功できない」と思って戻るようにしてます。私がBiSに入れたのは多分ラッキーだったんですよ。でもこれからは自分の力で何とかしていかなきゃいけないと思うので、そこはもう意思を強く持っておかないと。

プラニメ 『Plastic 2 Mercy』 インタビュー

--では、最後に。ミズタマリへのメッセージをお願いします。

カミヤサキ:マリちゃんも持ってるポテンシャルは高いと思っているので、気を遣い過ぎず……危険な部分を出していったらいいんじゃないかなと思います。

--(笑)

カミヤサキ:とても優しくて良い娘なので、いつもニコニコしているのがマリちゃんらしいんですけど。多分、今のままだと「いずこねこの方が良かった」「BiSのほうが良かった」ってなっちゃうんで、お互いそれを超えていけるように頑張ろう!

Interviewer:平賀哲雄
Photo:外林健太

プラニメ「Plastic 2 Mercy」

Plastic 2 Mercy

2014/09/30 RELEASE
TPRC-105 ¥ 1,080(税込)

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