2014年9月30日16時37分
同級生の悲報を伝えるメッセージが突然届いた。「うそでしょ」。御嶽山の噴火から4日目。活発な火山活動が続き、山頂付近の捜索は中断を強いられた。行方の分からない人たちを待ち続け、不安といら立ちが募る。家族らを支える取り組みも始まった。
30日未明に亡くなったことが発表された愛知県知立市の県立安城南高校3年、伊藤琴美さん(18)。同じクラスの女子生徒(18)は「いつもニコニコ、癒やし系。ゆるキャラみたいな子でした」とうつむいた。
この日朝、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で友人から、「本人じゃないよね」と連絡があってびっくりした。「山登りをするなんて知らなかったから、驚いたの一言です」
伊藤さんはおっとりとして愛敬のあるタイプ。「食べるのが好き」と自ら言い、休み時間には笑顔でお菓子をほおばっていた。
安城南高校では朝に臨時の全校集会を開き、黙禱(もくとう)を捧げた。神谷康夫校長によると、すすり泣く生徒もいたという。伊藤さんは弓道部員で、1年の時に初段を取った。「大切な生徒が亡くなって残念というほかない。元気で前向きで頑張る子だった」。周囲には「ツアーコンダクターになるのが夢」と話し、大学進学を希望していたという。
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朝日新聞社会部
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