竹下由佳
2014年9月30日16時28分
岐阜県教委は今年度、大学を卒業したばかりの新任の小学校教員に対し、一部に担任を持たせず1年かけて指導のノウハウなどを学ばせる独自のプログラムを始めた。じっくり研修を受けさせ、プロの教育者に育て上げるのが狙いで、文部科学省も「先進的な取り組み」と評価している。
県教委が始めた「スタートアップ・プラン」。対象の新任教員15人は、小学校に配属されているが、クラス担任を持たない。9月末までは「集中型」として週3~4日、教科ごとの指導法や、児童指導のノウハウなどを学ぶ研修を受ける。10月からの「実践型」では、研修は週1日に減り、副担任を受け持つ学級で授業を担当する予定だ。
「What do you want to be?」。8月末にあった英語の教科指導研修。先生役の県教委のベテラン指導主事が、児童役の新任教員に呼びかけた。「ポイントはモデルを示すこと。子どもたちが英語に集中できる環境がつくれます」
研修を受けた小橋愛実さん(22)は「児童として授業を受けるので、分かりやすかったのはどうしてなのか考えることができ、今後に生かせる」。水谷佳代さん(23)も「最初は担任を持っていないという焦りもあったけど、授業の流れをしっかりつかめる」と話す。
15人は、新規採用の小学校教員262人のうち、大学を卒業したばかりの教員の中から選んだ。配属先は児童数が100人程度の中規模校で、足りなくなった担任の分を県教委が独自の予算で配置するなどした。
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