<スゴ技Q 夏の汚れスッキリ!今こそ床そうじ>
専門家ゲスト:佐藤嘉浩さん(日本ハウスクリーニング協会 指導員)
ゲスト:原千晶さん(女優)、山崎樹範さん(俳優)
リポーター:宮下純一さん(タレント・元水泳選手)
<【番組冒頭】秋になってもご用心!汗荒れ>
リポーター:塩田慎二アナウンサー(福岡局アナウンス)
夏休み、子どもたちが素足で歩き回ったフローリングは、皮脂汚れでベタベタ。じゅうたんには、食べこぼしたお菓子や髪の毛が深く入り込んでとれない。頻繁に使ったお風呂には、赤いヌメヌメが・・・。そんな夏の間にたまった汚れは、寒くなる前にきれいにしておくのがおすすめです。実は、まだ気温が高いこの時期は、脂汚れが固まっていないうえに、水が冷たく感じず、体も動かしやすいので、掃除に最適な季節なんです。
そこで、今回のスゴ技Qは、フローリングの皮脂汚れ、じゅうたんの食べカスや髪の毛、玄関やベランダのしつこい泥汚れ、浴室の黒カビや赤と白のヌメヌメの「三色汚れ」という、“床の四大汚れ”を徹底的にきれいにする技を紹介しました。
この夏、家族が素足で歩き回ったフローリングが皮脂汚れで黒ずんでしまったというお悩みを、ハウスクリーニングの達人、佐藤嘉浩さんの技で解決しました。
フローリングは、まず、ほこりをしっかりと取り除き、ダニやカビを除去することがポイント。真菌に詳しい矢口貴志さんによると、ほこりに潜むアスペルギルスというカビを放置してしまうと、感染症の原因となることがあるそうです。また、ほこりを拭き取らずに、いきなり掃除機をかけると、機種によっては排気でほこりが空気中に舞いあがり、2時間ほどでほこりが再び床に落ちてたまってしまうこともあるので、乾いたシートをつけたフローリングワイパーでほこりを拭き取ってから掃除機をかけるという順番が効果的です。その後、肝心の皮脂汚れを落とします。皮脂汚れは、よほど固まっていたり、食べかすなどを含んで盛り上がっていたりしないかぎり、水に中性洗剤を少量加えた洗剤液で水拭きすれば、きれいに落ちます。
ぞうきんをポタポタと水が垂れる程度に絞り、フローリングの溝に沿って、2度拭きします。1度目を拭き終えたあと、洗剤を2~3分浸透させ、乾ききる前に拭き取るのがポイントです。
※洗剤液の濃度は通常の皮脂汚れの場合と同じです。
まず、固めのプラスチックのカードを床に平行にあてて汚れを削り取ります。
これは、0.1ミリ以下ぐらいの厚さでないと洗剤が浸透しないので、汚れを薄くすることがねらいです。そのあと、「フローリング掃除の基本の3」と同様に拭き取ります。
佐藤嘉浩さん(日本ハウスクリーニング協会 指導員)
矢口貴志さん(千葉大学 真菌医学研究センター 准教授)
じゅうたんの奥にお菓子の食べカスや髪の毛が入り込んで、掃除機を使ってもなかなか取れないというお悩みを、掃除法の研究17年の弦巻和さんと、ゴムの専門家山口哲生さんの知恵で解決しました。
じゅうたんの奥に入り込んだ食べカスやゴミを取るには掃除機のかけ方にコツがありました。そして、それでも取りづらい、奥に入り込んだ髪の毛対策にはゴム手袋が有効でした。
ゴム手袋をはめて円を描くようにこすると、髪の毛がくっついてきます。
ゴムは伸縮性が高く、髪の毛と接するとゴムが髪の毛を包み込むように伸びてキャッチするためです。
化学繊維の場合(アクリルなど)・・・住居用洗剤を表示とおりに薄めて拭く。
ウールの場合・・・中性のおしゃれ着洗い用洗剤を表示とおりに薄めて拭く。
弦巻和さん(花王株式会社 生活者研究センター 主任研究員)
山口哲生さん(九州大学大学院工学研究院 准教授)
玄関やベランダのしつこい泥汚れの落とし方を、清掃会社の技術アドバイザー尾崎真さんに教えてもらいました。水洗いしても落ちない泥汚れを落とすのにオススメなのは「重曹水」です。
泥汚れの主な成分は、鉄などの金属が酸化したものです。重曹水は弱アルカリ性なので、マイナスイオンが含まれており、泥汚れのプラスイオンを引きつけるので、その結果、泥汚れがバラバラになり、落ちやすくなるのです。さらに重曹水を沸騰させると洗浄力がアップします。
洗剤に詳しい大矢勝さんによると、重曹水を沸騰させると化学変化が起きてアルカリ度が上がります。沸騰時間が長いほどアルカリ度が上がります。大矢さんのオススメは、30分沸騰させることです(重曹水のアルカリ度が、セスキ炭酸ソーダとほぼ同じ程度まで上がります。)ただし、重曹水を沸騰させる際、アルミ鍋は変色する恐れがあるので使用しないでください。
使うときは、沸騰した重曹水を人肌程度に冷ましてから頑固な泥汚れに吹きかけます。
沸騰させてあがった重曹水のアルカリ度は、時間がたっても変わらず保たれます。
デコボコのある床材の場合・・・沸騰させて冷ました重曹水をたっぷり吹きかけ、かためのブラシでこする。
ツルツルした床材の場合・・・沸騰させて冷ました重曹水をたっぷり吹きかけ、スポンジで拭き取る。
クッションフロアの場合・・・表面に傷がついているなど、汚れが落ちにくい場合は、1度、スポンジで汚れを拭き、乾かない程度に2~3分おいて洗剤を浸透させ、再度スポンジで拭く。
コケに40度の湯をかけてふやかし、ブラシでこするのがオススメです。
尾崎真さん(長谷川興産株式会社 おそうじ本舗 企画部)
大矢勝さん(横浜国立大学大学院 環境情報研究院 教授)
浴室の床の汚れといえば、黒カビに、白や赤のヌメヌメの「三色汚れ」。
特に赤いヌメヌメは、取り除いてもすぐに出てくるやっかいものです。
そこで、微生物や菌に詳しい李憲俊さんに対処法を教えてもらいました。
赤いヌメヌメは「ロドトルラ」という酵母で、カビよりも繁殖スピードが速いのが特徴です。5日から1週間で数十億まで大増殖し、その結果、赤いヌメヌメとなって見えてきます。ロドトルラ自体は害にならないのですが、同様の条件で発生する白いヌメヌメや黒いカビは感染症を引き起こすことがあります。つまり、増殖が早いロドトルラは、これらの菌が出始めているサインとなるので、まずはロドトルラが出ないように気をつけることが大切です。
ロドトルラは、ブラシでこするだけでは完全に取り除くことはできません。
消毒用エタノールを使うことでロドトルラが死滅し、水で流しても菌が広がりません。
黒カビや白いヌメヌメ(カンジダ)にも効果的です。
ロドトルラは水を好むので、いちばん大切なのは乾燥させることです。
使用後、浴室の扉を10センチほど開けて、換気扇を回すと空気の流れができて、乾きやすくなります。それでも水が残っているところがあれば拭き取りましょう。
塩素系カビ取り剤を黒カビに吹きかけ、上からラップして1時間おきます。
ラップをすることでカビ取り剤が乾かずに浸透します。
あとはブラシでこすって洗い流します。
かためのブラシに浴室用の洗剤をかけて、ブラシで水アカをこすります。
水アカ自体に傷をつけて、そこから洗剤を浸透させます。
2~3分乾く前にブラシでこすって洗い流します。
李憲俊さん (株式会社衛生微生物研究センター 所長)
猛暑続きの8月でしたが、9月に入り気温も落ち着いてきました。長袖を着だした方も少なくないのではないでしょうか。しかし室内や電車など、まだまだ暑くて汗をかいてしまいますよね。
今日は汗にまつわる「汗荒れ」というお肌のトラブルをお伝えしました。汗をかいてかゆくなると
“あせも”になったと思い込んでいませんか?実は、あせもはかゆみをあまり生じません。かゆくなるのは「汗荒れ」の状態の可能性があるのです。かいた汗が蒸発し、皮膚に塩分やアンモニアなどの成分が残されたことで皮膚が荒れて炎症を起こしたことを汗荒れというのです。この状態の特徴はとにかく“かゆい”こと。かいてしまって悪化すれば「掻破性湿疹(そうはせいしっしん)」という症状にもつながり、治療に長期間かかってしまうため、要注意です。番組では、汗荒れの予防やメカニズムについてお伝えしました。