消費再増税なら「政策効果吹き飛ぶ」の声、市場の期待は限定的
[東京 30日 ロイター] - 鉱工業生産など経済指標の悪化が嫌気され、日本株は利益確定売りに押されている。景気の悪化は金融緩和や財政支出など政策期待を高めるものの、足元の経済データが景気低迷を示しているだけに、市場の期待は盛り上がらない。
10%への消費増税があれば効果が吹き飛ぶと懸念されているためだ。財政再建などの制約もあり、次にとれる政策の選択肢も限られるとみられている。
<政策期待高まるも株価は下落>
経済指標の悪化は、金融相場(流動性相場)の下ではそれほど悪い話ではない。追加金融緩和など景気対策の期待を強めるため、むしろプラス材料と受け止められることもある。
鉱工業生産や家計消費など30日に発表された国内の8月経済指標が大きく悪化したことで、市場では政策期待が高まった。
東洋証券・ストラテジストの大塚竜太氏は「生産が市場予測を下回ったことについては、あまりよくない印象だ。足元の落ち込みが改めて認識された」と指摘。そのうえで「悪い経済指標が出てくると、来年10月の消費税増税の実施に向け、政府の経済施策に対する注目が強まっていくことになる。今月の安倍首相と日銀の黒田総裁の会談後に広がりつつあった日銀の追加緩和への期待も高まることになる」と話している。
しかし、日経平均.N225は30日の市場で一時200円を超える下落。経済指標の悪化を政策期待がカバーするには至らなかった。「政策期待はそれなりに高まったが、株価をプラス圏に押し上げるほどではない。経済指標をみる限り、金融緩和をしても、財政支出もしても景気は良くなっていないという結果になっているからだ」(国内投信)という。
<強気派のシナリオ崩れ> 続く...