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放送内容


7月8日(火)

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メインテーマスゴ技Q 今が旬!ブルーベリー徹底活用術


出演者

専門家ゲスト:田中敬一さん(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 専門員)
ゲスト:浜島直子さん(モデル)、つるの剛士さん(タレント)
リポーター:宮下純一さん(タレント・元水泳選手)


国内での生産量が増え続けているブルーベリー。旬は7月から9月で、長野、群馬、栃木、そして東京が主要な産地です。注目の栄養素は、ポリフェノールのなかでも抗酸化作用の強い、アントシアニンです。
そのパワーについては、去年、ブルーベリーを週2~3回食べている人は、糖尿病にかかる割合が低くなるという報告がイギリスの科学雑誌に発表されています。
しかし、街頭調査を行うと、なんと8割の人が「そのまま食べるだけ」と回答し、あまり活用しきれていないことがわかりました。
アントシアニンは、通常は安定していますが、一度切ったり、ミキサーにかけたりすると、酸化しやすい性質がありますが、その使いこなし方は、あまり知られていません。
今回は、カリスマ・パティシェの辻口博啓さん、ブルーベリーの成分の研究者、そして、ブルーベリー料理教室の主宰者などの達人から、成分も色も損なわず、ブルーベリーを味わい尽くすスゴ技をご紹介しました。

ブルーベリー栽培家直伝!鮮やかな色と成分を保つ方法

旬のブルーベリーを味わうために、東京都練馬区のブルーベリー農家、高橋正悦さんのオススメは、ブルーベリージュースです。冷凍したブルーベリーと氷、水、そしてレモン汁をミキサーで混ぜると色鮮やかな赤紫色になり、ブルーベリー本来の味わいを楽しめるジュースになります。ポイントは、レモンを入れることです。
その理由を、山形大学名誉教授、五十嵐喜治さんに伺いました。ブルーベリーの皮には、抗酸化物質のアントシアニンという成分が含まれています。アントシアニンは、「ポリフェノール」の一種で、強い抗酸化力を持っています。アントシアニンは実の中では安定した状態になっていますが、水と一緒にミキサーにかけると、不安定になって酸化しやすくなり、その結果、色も黒っぽく変わってしまいます。そこで、レモンや酢のような酸性の物質を加えると、酸とアントシアニンが反応してアントシアニンは赤紫色に変化し、安定します。その結果、抗酸化作用も保たれます。

高橋さんオススメ!ブルーベリージュース

【材料・3人分】
・冷凍ブルーベリー・・・200グラム
・氷・・・適量
・水・・・300ミリリットル
・レモン汁・・・適量

【作り方】

  1. 材料を入れて、ミキサーにかけるだけ。

<取材協力>
高橋正悦さん(ブルーベリー観光農園 園主)
五十嵐喜治さん(山形大学 名誉教授 農学博士)

ブルーベリー活用~スイーツ編~

「あさイチ」アンケートや街頭インタビューで多かったのが、ブルーベリーの食べ方のレパートリーを増やしたいという声でした。あさイチサポーターの小林知子さんも、そんな一人です。
まずは、スイーツから。お悩みを解決してくださったのは、カリスマ・パティシエの辻口博啓さんです。
辻口さんが紹介してくれたのは、「ムース」や、「即席のパイ」などに広く活用できる特製ブルーベリージャムです。このジャム作りでのスゴ技は、ブルーベリーを洗ったあとに、「冷凍」すること。一度冷凍したあと、砂糖を加えて解凍すると、実から水分がたっぷり出てきます。辻口さんによると、その結果、強火で加熱しても、焦げにくく、かつ短時間できれいなジャムに炊きあげることができるといいます。
これは、冷凍、そして解凍することでブルーベリーの細胞が破壊されるためです。ブルーベリーのアントシアニンは、細胞壁、細胞膜、液胞膜という3重の膜で守られています。細胞膜より内側には水分があり、冷凍すると水分が膨張して、膜の組織が壊れます。そのため、解凍すると壊れた部分から水分、そしてアントシアニンも外に出てきて、上手に煮るのに役立つ、たっぷりの色鮮やかな水分となるのです。

特製ブルーベリージャム

【材料】
・ブルーベリー・・・100グラム
・グラニュー糖・・・60グラム
・レモン汁・・・大さじ2分の1

【作り方】

  1. 密閉袋に入れ、ブルーベリーを冷凍する。
  2. 冷凍したブルーベリーを鍋に入れ、グラニュー糖、レモン汁を加えて冷蔵庫で半日置いて解凍する。
  3. 強火にかけて10分ほど混ぜながら 一気に炊きあげる。
    トロミが出たらジャムの完成です。

即席パイ

【材料】
・春巻きの皮・・・適量
・無塩バター(クリーム状)・・・適量
・ブルーベリージャム・・・適量

【作り方】

  1. 春巻きの皮に、塗りやすいくらいにクリーム状に溶けたバターを塗る。
  2. (1)の真ん中にブルーベリージャムをのせ、春巻きの皮を巻く。
    このとき、中心に向けて、四隅の角を折り、そのあと、巻くのがポイント。
  3. 巻き終わりをバターで接着し、さらに表面にもバターを塗って予熱した230度のオーブンで約5分焼いたら、出来上がり。

ブルーベリームース

 【材料・2人前】
・ブルーベリージャム・・・30グラム
・無糖ヨーグルト・・・50グラム
・グラニュー糖・・・10グラム
・レモン汁・・・2グラム
・粉ゼラチン・・・1グラム
・生クリーム35%・・・60グラム

【作り方】

  1. ヨーグルトにグラニュー糖を入れて混ぜ、そこにジャムを加えて、さらに混ぜ合わせます。
  2. レモン汁を湯煎で温めてから、粉ゼラチンを入れ溶かします。
  3. 粉ゼラチンが溶けたら、(1)を少量取り、(2)と混ぜ合わせます。
  4. (3)と(1)の残りを混ぜ合わせたら、6分立ての生クリームとさっくりと混ぜ合わせます。
    器に盛って、冷蔵庫で半日冷やし固めたら完成。

<取材協力>
辻口博啓さん(モンサンクレール オーナーパティシエ)

ブルーベリー活用~料理編~

ブルーベリーをふだんの食事にも活用するスゴ技を紹介してくださったのは、ブルーベリー農家でブルーベリーなどを使った料理教室を主宰している関塚直子さんです。
関塚さんが、暑い時期にオススメというのが、ブルーベリー酢と氷砂糖で一週間つけた「ブルーベリー酢」です。炭酸水で割ると、スッキリした飲み口の「ブルーベリー酢ソーダ」が出来上がります。
この「ブルーベリー酢」に、塩、こしょう、レモン汁、サラダ油を混ぜ合わせると、野菜を引き立て、ブルーベリーの香りがアクセントになるドレッシングが完成します。
さらに、メインディッシュのお肉にピッタリのソースもご紹介いただきました。作り方は、生のブルーベリーにハーブ入りの塩、水、レモン果汁、粉ゼラチン、そして牛乳をミキサーで混ぜるだけです。ここで加えた牛乳がソースにコクを出し、さらにブルーベリーのアントシアニンの吸収を高める働きをします。
栄養を吸収する小腸には、水が吸収されやすい「水溶性」のゲートと油が吸収されやすい「脂溶性」ゲートという、2つのゲートがあります。ブルーベリーのアントシアニンは水溶性なので、「水のゲート」を通って吸収されます。しかし、アントシアニンを牛乳と一緒に摂取すると、牛乳のカルシウムとアントシアニンが結合し、「脂溶性」のゲートを通ることができるようになります。その結果、「水のゲート」、「脂のゲート」の2つからアントシアニンが吸収されるようになるので、吸収率がアップします。

ブルーベリー酢

【材料】
・ブルーベリー・・・300グラム(※冷凍でも可)
・氷砂糖・・・150グラム
・酢・・・300ミリリットル

【作り方】

  1. 熱湯消毒した保存ビンに、氷砂糖・ブルーベリー・酢の順番で入れる。
  2. 1週間たったら、ブルーベリーをこして完成。

※炭酸で割ると、おいしいブルーベリー酢ソーダになります。

ブルーベリー酢のドレッシング

【材料】
・塩・・・小さじ2分の1
・こしょう・・・少々
・レモン汁・・・1個分
・ブルーベリー酢・・・大さじ3
・サラダ油・・・大さじ5

【作り方】

  1. 材料を全部混ぜ合わせたら、ドレッシングの出来上がり。

ブルーベリーソース

【材料】
・ブルーベリー・・・200グラム
・牛乳・・・50ミリリットル
・ハーブ入りの塩・・・小さじ2分の1
・粉ゼラチン・・・3グラム(※80度の湯、大さじ1で溶く)
・レモン汁・・・1個分
(※ブルーベリーの甘みが足りない場合は、砂糖、はちみつなどをお好みで足してください。)

【作り方】

  1. 材料をすべてミキサーにかけ、ソース状になったら完成!

<取材協力>
関塚直子さん(ブルーベリー農家「ベリー会議」会長)
田中敬一さん(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 専門員)

葉も活用!ブルーベリー茶

ブルーベリーの葉を使ったお茶を宮崎県と宮崎大学の共同開発によって生まれています。
その研究・開発の最前線に立ち、かつ、今回、自宅でも作れる方法を教えてくれるのは、宮崎大学の國武久登さんです。このお茶には、ポリフェノールの一種の「プロアントシアニジン」という成分が含まれています。このプロアントシアニジンは、非常に抗酸化力が高く、葉には、果実のおよそ10倍も含まれています。

このブルーベリーの葉については、脂肪肝のラットを使った実験が行われています。高カロリーの食事だけと、高カロリーな食事とブルーベリーの葉を与えたときとを比較したところ、ブルーベリーの葉を与えたほうが、脂肪が少なくなったという結果が出ています。國武さんによると、人間でも同様の効果が期待できると言います。

自宅でお茶を作るとき、葉を摘んですぐに電子レンジにかけるのがポイントです。これは、葉の中の酵素が働いてプロアントシアニジンが別の物質になるのを抑えるためです。

ブルーベリー茶を作るのは、いくつかあるブルーベリーのうち、「ラビットアイ系」という種類が、葉に含まれるプロアントシアニジンが多いため、ブルーベリー茶にオススメだと國武さんは言います。

ブルーベリー茶

【材料・6杯分】
・ブルーベリーの葉・・・20枚

【作り方】

  1. なるべく濃い緑色のブルーベリーの葉20枚ほどを摘み、よく水で洗ったら、水けを切る。
  2. (1)の葉をラップに包み、電子レンジ(600ワット)に約1分かける。
  3. 乾燥させるため、フライパンで2~3分、中火でからいりする。(焦げ過ぎに注意)
  4. 葉を細かく砕いて、湯で5分以上煮出す。

<取材協力>
國武久登さん(宮崎大学農学部応用生物科学科 教授)


視聴者のみなさまへ
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
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