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スマートフォンは日々進化しています。

スマートフォンの歴史
スマートフォン

スマートフォンは電話やメールの機能の他に、アプリを使用することができます。 もちろんフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)でもほぼ同じことができます。
日本においてフィーチャーフォンはすでに多機能であったため、ユーザー視点では全面タッチ液晶を採用しているのがスマートフォンで、物理的なボタンによってユーザーインターフェースを構成しているのがフィーチャーフォンという認識の方が多いでしょう。 開発者視点ではOSなどの仕様が大きく変わり自由度が非常に増えました。
それはさておき、ここではスマートフォンの歴史について振り返ってみます。

2000年代前半

この頃、日本ではフィーチャーフォンとスマートフォンの明確な区分けはまだありません。
日本独自に発展したすでに高機能であるフィーチャーフォンをそのスマート(賢い)フォン(電話)という意味で「インターネットが出来る」「カラー液晶を搭載している」としてスマートフォンと同義で扱っていました。
つまり、この頃のスマートフォンとは2001年10月にNTTドコモが商用サービスを開始した「第3世代携帯電話」(NTTはFOMA)のことでした。

第3世代の携帯電話は、2002年のサービス開始から順調にシェアを伸ばしました。
販売奨励金を背景とした実質無料の携帯電話が店頭に出回っていたことも要因の1つでしょう。また発売してから2年経ち(恐らく買い替え需要のタイミング)で爆発的に普及が進みました。ただ、2012年からはLTEをはじめとする3.9世代の高速無線通信の普及が本格的になったためか、第3世代の契約台数は徐々に低下していきます。

第3世代の通信網は、もちろん現在のスマートフォンも主要な通信軸として利用していますが、この当時の携帯電話、つまりフィーチャーフォンの芽となった第3世代初期の携帯電話は、現在のスマートフォンにつながる系譜ではありません。 とは言え、すでにスマートフォンの種はひそかにまかれていましたた。
通信を主軸にした個人端末「Personal Digital Assistant(PDA)」です。

PDA Personal Digital Assistant

PDAは「通信もできる電話」ではなく、完全に通信に特化した個人端末です。3G回線とカラー液晶の携帯電話が普及した日本においては重要度がさほど高くありませんでしたが、ほぼ通話機能にのみ絞られた携帯電話を使っていた米国では、通信専門の端末として重宝されていました。
スマートフォンの要件を「インターネットと通話ができる端末」とすれば、通話側からアプローチを進めたのが日本の端末(後のガラケー)、それ以外のPDA端末や音楽プレイヤーからアプローチしたのが世界の端末と言えるかもしれません。

2003年頃になるとスマートフォンという言葉の意味が「PDA端末に電話機能が付いたもの」という認識に変わってきました。インターネット端末=PDAという理由でしょうか、国内の携帯電話と差別化をはかるためでしょうか、いずれにしても3G回線が発売される前に使われていた「インターネット+電話=スマートフォン」という点からは少しずつ変化をしていきました。

米国で使われていたPDAですが、日本においても発売されています。シャープのザウルスはPDA端末の先駆けとして2000年前後にビジネスマンに支持されており、このPDA端末に通話機能がつけばインターネットができる電話という要件を満たすことができます。
実際にシャープは、2005年にW-ZERO3(キャリアはウィルコム)という、フルキーボード、ペン先の圧力を感知する「抵抗膜方式」のタッチパネル、OSはWindows Mobileという、スマートフォンを出しています。Windows MobileをOSとして積み、ワード、エクセルなどが利用可能。インターネットも利用しやすく、まさに現代のスマートフォンの要件を満たした国産1号と呼べます。

PDA Personal Digital Assistant

こうして2005年までは、ビジネスマンやデジタル商品に対して詳しい層でのみ使われてきたスマートフォンが、広く老若男女が知るようになったのは2006~2010年の間です。そして現在「スマートフォン」と言って想像されるストレート+タッチパネルの端末が隆盛したのもこの時期です。iPhone(そして直前に流行していたiPodシリーズがiPhoneの流行に大きく貢献していることは疑う余地もないでしょう)の登場により、スマートフォンの市場は大きく変貌を遂げました。

無数のアプリによる利用幅の広さと汎用性、わかりやすいGUI、操作をほぼタッチパネルに絞ることによるすっきりとしたデザイン(スマートフォンの「スマート」を、身なりがすっきりしていることを指す「スマート」の意味で使われていると誤解していた利用者も多かったです)が、非常にキャッチーだったことから、特にデジタル製品に詳しくない層からも、幅広い支持を得ました。 iPhoneが2008年の夏に発売されて、話題になってから開発されたのでしょう。3年後の2011年からスマートフォンの発表台数が急激に増えてきています。一方でPDAの流れを最も忠実に汲む、QWERTYキータイプを備えたネットブックにも似たスマートフォン(以下スマートブックと呼称)もW-ZERO3以来細々と台数を出してきました。しかし2010年夏にはタッチパネルタイプを上回る台数を発表ましたが流行らず、2012年以降その姿を見なくなっています。

ちなみにPDAの隆盛を作ったザウルスシリーズは2009年に、その後継機となるネットウォーカーを出し、2010年夏モデルにはauからかなり類似コンセプトとしてIS01も発売しましたが、以降の動きはありません。こうしてスマートフォンの主流がスマートブックタイプからストレートタイプに移り変わる裏で、ひそかにシェアの交代があったものがあります。それはタッチパネルの技術です。

タッチパネル

PDA端末はタッチペンを使い文字を書くことを主軸に置かれているため、精緻な動作を再現できる「抵抗膜方式」のタッチパネルが利用されています。ところがiPhoneなどのスマートフォンに採用されているタッチパネルはマルチタッチを最初に可能にして、かつポケットなどで誤作動しにくい「静電容量方式」のタッチパネルを採用しています。指先のタッチによって静電容量の変化を感知する「静電容量方式」は抵抗膜方式に比べて耐久性が高いという利点もあります。もちろんタッチパネルの需要はスマートフォン以外にもあるため抵抗膜方式の技術がなくなるということはありませんが、ここ数年でかなり静電容量方式のシェアが増えています。

ところで、スマートフォンには大きくAndroidとiOSという2つのOSがありますが、どちらが普及しているのでしょうか? 世界的には台数の違いもあり圧倒的にAndroidが普及していますが日本ではわずかにiOSのシェアの方が大きいという調査結果もあります。iPhoneのインパクトにより爆発的にストレート+タッチパネル形式のスマートフォンが普及したものと、PDA端末から徐々に移行した海外との違いか、日本はiOSのシェアが世界的に見ても高いです。何とアップルのお膝元である米国よりもシェアが大きいのです。日本においてiPhoneのインパクトがいかに強かったかがうかがえます。

2011年

今ではかなり普及が進んでいるスマートフォンですが、それでも世界各国と比較した場合、日本の普及率は低いと指摘されます。スマートフォンは非常に多機能でアプリによってそれらを拡張できますが、特にこれらの機能に興味がない層が“過”機能に感じているのかもしれません。こうした流れからか、フィーチャーフォンをほとんど開発していてなかった各社が、再びフィーチャーフォンに回帰しようという動きがあります。

2013年春・夏モデルには完全になくなっていたフィーチャーフォン(一部、特定年齢層向けの製品はあり)が、秋冬のラインナップでは復活していています。2013年にはスマートフォンの競争に勝機を失ったメーカーがフィーチャーフォンの生産に専念するというニュースも流れました。

一方、若者にはスマートフォン普及がかなり進んでいる様です。総務省の情報通信白書によると、10代は全年齢平均と比べて、ネット利用時間は1.5倍(111.3分と73.8分)。10代の利用の内訳でもモバイル端末の利用時間(75.7分)がPCの利用時間(32.4分)を大幅に上回っており、若者へのモバイル端末によるネット利用の普及が見えます。

さらにその中でスマートフォンの利用状況を見てみると、スマートフォンによるネット利用率が高いです。こうした数字からも、若年層を中心にスマートフォンの利用が拡大してきている状況が推測できます。実際に、ここ数年で急激に若年層がスマートフォンを利用している姿を見かけるようになったのではないでしょうか?今後、デジタルネイティブの層が年を経るごとに、支配的になっていくことを考えれば、やはり普及は遅かれ早かれ必須のように思えます。

これからのスマートフォン

今後のスマートフォンですが、画面のインチ数についてもさらに巨大化する可能性があります。アンドロイドのスマートフォンを多数提供しているサムスンのお膝元・韓国ではすでに5.9インチのスマートフォンが発売されています。とは言え、手持ちサイズの限界やiPad miniやネクサス7、Kindle Fireなどのミニタブレットのサイズが7インチであることを考えると、画面サイズは6インチが限界にも思えます。

さらに最も変化するのは通信速度でしょう。現代スマートフォンの特長のひとつと言えるのがLTEなどの「3.9世代通信」への対応です。スマートフォンの必要条件ではありませんが、2000年代前半からスマートフォンに求められていた「インターネット」という要件を考えれば当然の対応と言えるでしょう。スマートフォンで利用されている3.9世代通信LTEとWiMAXは、第4世代通信となるLTE-AdvancedとWiMAX2へとつながっていく基礎となります。

まずは通信網への対応…3.9世代の普及と第4世代への移行が次のタームとして考えられるでしょう。さらにその先には、第5世代の通信があります。第3世代の通信規格は2001年から開始されていましたが、規格自体は1990年代には決められていました。そのため、すでに第4世代の先、第5世代の通信規格はほぼ固まっており、サービスの開始時期は2020年頃とされています。

2013年10月31日には、ついに第4世代となるWiMAX2のサービスが開始されました。第4世代の速度は3.9世代と比較してかなりの通信速度が出ています。まだスマートフォンでも近い将来、スマートフォンの通信コアが第4世代となるのは間違いありません。そうなれば家で固定電話を使う必要がない限り、固定回線を使う必要性は激減します。テザリングによりスマートフォンの通信は個人宅内にも入り込み、スマートフォンはあらゆる場所・時間で通信のコアとなっていくでしょう。

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