アーチャー(Fate)

登録日 :2009/05/29(金) 22:44:21
更新日 : 2014/09/30 Tue 16:09:46 NEW!
所要時間 :約 21 分で読めます




了解した。地獄に落ちろマスター


Fate/stay night』に登場する人物。

声優:諏訪部順一
身長:187cm
体重:78kg
イメージカラー:赤
特技:ガラクタいじり、家事全般
好きなもの:家事全般(本人は否定)
苦手なもの:正義の味方
嫌いなもの:未熟な自分
天敵:イリヤ遠坂凛間桐桜メルトリリス

属性:中立・中庸
能力値
筋力D C
耐久C C
敏捷C C
魔力B B
幸運E D
宝具??? ???
  SN EXTRA

クラス別スキル
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

単独行動:B C(EXTRA)
マスター不在でも二日間行動出来る。
Cランクなら一日間行動可能。

保有スキル
心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す"戦闘論理"
逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
EXTRAでは(偽)になっているが、誤表記なのかは不明。

千里眼:C
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。

魔術:C-
オーソドックスの魔術を習得。得意のカテゴリーは不明。
奈須きのこによると得意なのは投影と強化で構造把握から派生する解錠、修復も可能。
基礎中の基礎の魔力感知、魔術抵抗も可能だが自然干渉の攻撃魔術はからっきしとの事。


第五次聖杯戦争の弓兵のサーヴァント。マスターは遠坂凛

キザで皮肉屋だが根はお人好しで時々子供っぽい一面を見せる。
家事が得意(本人は否定)で、紅茶を美味しく淹れたり、料理も美味いと多芸で執事のランクがあるならA+。

衛宮士郎とは顔を合わせる度に険悪な雰囲気になり、彼の理想である「正義の味方」を「掃除屋」と吐き捨て否定するなど手厳しい態度を取り、互いに嫌い合っている。
その一方で誰にも理解されなかった彼の魔術の特異性を把握しており、適切な助言を行うといった奇妙な一面を持つ。

その真名は乱暴な召喚で記憶が混乱し、凛も真名を知らない。
聖杯にかける程の大層な望みはないと語り、願いをかけるつもりはない。
それでも敢えて口にするのなら『恒久的な世界平和』を望んでいる。

弓兵のクラスでありながらも双剣による接近戦を好む。
操る宝具は中華系の夫婦剣、ギリシャ神話の盾やケルト神話の剣など、統一性が全く無い上に由来もバラバラで、
更に普通の英霊はまず使わない壊れた幻想を使用するなど、人の常識を超越したサーヴァントの中でも極めて異端の戦法を取る謎のサーヴァント。
その異質さから、どの英霊も彼の真名を見抜く事は出来なかった。


※最大のネタバレのため注意





























真名は「エミヤ」。
正義の味方を目指した衛宮士郎のなれの果て。 
生前は己の理想である『正義の味方』になる為に修練を続け、ある事故にあった約百人の命を救う為に『世界』と取引し、
死後は『守護者』となる契約をした。
その後、世界の危機をも救い、遂には英雄とすら呼ばれたが見返りを求めない彼の行為は人々の恐怖を買い、
裏切られ続ける日々の中で最後は救った筈の人物に罪を被され処刑された。
しかし、それでも彼に後悔はなく、満足げに死んでいったという。

死後は生前に交わした『守護者』になる契約で、更に多くの人間を救う事を望んだ。
生前は己の力が足りなかった為に"多数を救う為に少数を切り捨てる"やり方をせざるを得なかったが、
英霊の力ならば"誰もが幸福な世界"を実現出来ると信じていた為に。
だが、守護者は彼の願った「人を救う」などという役割ではなく、
ただ人類の滅亡を回避する為にその起因となった加害者と被害者の全てを皆殺しにして起きた事をなかった事にする「掃除屋」に過ぎなかった。
信じ続けた己の理想にすら裏切られ、拒絶する事も許されずに虐殺を続けた末に彼の信念も遂に磨耗し、
かつての自分を憎み、自らの手で殺す事で自身の消滅を望むようになった。
延々と守護者の役目を果たしながら、凛の召喚によって遂に第五次聖杯戦争に参加する機会を得、
過去の自分である衛宮士郎を見定め自身と同じ道を行くのであらば殺害を目論んでいる。

とはいえ、英霊(守護者)となった時点で元の存在とは別物として、
より高次元の英霊の座に記録されてしまっているので元となった人物を殺したところで英霊としての自身を消せる可能性はほぼ存在しないことは当人も自覚している。
それでもその可能性に賭けなければ自らを許容出来ず、
自分の手で自分を殺す事という矛盾と歪みによって或いは起きるかもしれない自らの消滅の可能性にかけている。
この行動がただの八つ当たりにすぎない事も認めており、それでも行おうとしているのは自身の罪を償う為でもある。

触媒は凛のペンダント。生前に死に掛けた際に救ってくれた顔も知らない命の恩人の持ち物を肌身離さずに持ち歩いていた。
凛は触媒を使用せずに召喚したと思い込んでいたが、ペンダントを持ったままに召喚の儀式をした為に彼が召喚された。
英霊側が触媒を持っているという極めて稀なケースである。

未来の英霊の為に知名度補正は皆無。
英霊の格も自身の力では足りず、守護者となる契約によって組み込まれた末端の英霊の為に、
神代の強豪揃いの第五次においては他のサーヴァント達と比べ、格で言えば数段劣る。
その為か、「EXTRA」では主人公に対して「残念ながら自分は知名度は大してないし、そんなに強力な英霊ではないよ」と皮肉りながら自虐する場面も。

それでも平均的なサーヴァントを普通に上回るレベルのようで、
並のサーヴァントとほぼ互角だという死徒二十七祖を相手にしても圧勝出来ることが挙げられている。
EXTRAでは少しパラメーターが上昇しているがEXTRAマテには無銘として呼ばれたことで筋力と幸運が上昇したと書かれてる。


宝具は所持していないが実質宝具として扱われるまでになった「固有結界無限の剣製」とそこから零れおちた「投影」を駆使して戦う。
前述の複数の宝具も投影で作り出した投影品であり、厳密には宝具ではない。
全体的な基礎能力が低いこともあり、普段は二振り揃うことで防御力が一段階向上し、投影のリスクも低い『干将莫邪』を愛用。
無限の剣製も担い手のサーヴァントにとっては多少厄介な能力で必殺たりうるものではないが、
培ってきた「技量」と「経験」、投影品の宝具を上手く使いこなす事によって他のサーヴァントと渡り合う。

弓兵でありながらも双剣による接近戦を好む変わった人物。
しかし、その剣技は剣の英霊たるセイバーをして、清廉さを思わせる見事な剣と讃える程。
能力制限されていたとはいえランサーを相手に互角以上に渡りあい、
あのバーサーカーをして 「得難い難敵だった。もし自らに理性があれば互いに思う存分に剣技を繰り広げられただろうに……」 と最大級の賞賛をさせた。
特に守りに関しては鉄壁と称されるほどに優れているという。
その剣はセイバーのような才に満ち足りた剣とは対極にある、凡人が血の滲む努力の末に辿り着いた剣とされる。


記憶喪失というのは半分嘘で半分本当。
召喚当初はホントに記憶が曖昧で、凛の事も覚えていなかった。
一晩経った事で記憶が戻り、漸く目的を可能とする機会を得たと確信。
己の悲願を達成させる為にあえて記憶喪失のままという事にしていた。

凛の名前を聞いた時に、磨耗したはずの記憶がフラッシュバックの様に過ったとか。
「では凛と――――ああ、この響きは実に君によく似合っている。」
このセリフは狂おしい程の親愛の情が籠っている。

衛宮士郎としての記憶は焼ききれて磨耗しており、生前の事は殆ど覚えていないという。
しかし衛宮切嗣によって自身が助けられ、正義の味方を目指すキッカケとなった光景は覚えていると語っている。

生前の知人達に対して、何らかの思いを持っているようでセイバーを視認した時は体中に電気が走ったかの様に硬直している。

なお、本編のプロローグである士郎とセイバーの出会いだが実はコレは士郎の視点ではなくアーチャーの視点、つまり彼の回想によるもの。
『昔、ある出会いがあった。
おそらくは、一秒すらなかった光景。
されど。
その姿ならば、たとえ地獄に落ちようとも、鮮明に思い返すことができるだろう。』

彼にとってセイバーの姿は自身の記憶よりも尊いモノだったのだろうか。

今でもセイバーには思う所があるようで、度々気にかける発言をしている(凛は皮肉混じりだけど、セイバーを気にしての発言・忠告なんじゃないかと考察していた)。
またUBWルートでは、 「君こそまだ間違えた願いを抱いているのか?」 と発言したり、
士郎がアーチャーの気持ちを代弁して 「お前を救う事がオレには出来なかった。」 と語っていたりと、後悔の念や大切に思ってると伺える発言している。
だが、例えセイバーでも目的の邪魔になるなら容赦なく排除するリアリストでもある。

イリヤには負い目を感じているようで、HFルートでは彼女に対し申し訳なさそうな目をしていた。
藤ねえは今でも大切に思っており、UBWルートでキャスターに人質に取られた際は彼女の危機に真っ先に心配していたという。
(この際に 「――無事か!?」 という台詞を発しているが、実は凛ではなく藤ねえの安否を確認する為の言葉と解説されている)
桜はHFまで聖杯戦争に関わらないため殆ど触れられず、そのHFルートでは世界の危機から士郎に殺すように忠告する場面がある。
とはいえ、大切に思っているのは変わらないようでEXTRAではそれなりに絡む場面も。

また、生前の聖杯戦争の経験もある程度は覚えているが、殆ど磨耗しているうえに詳細の多くは不明である。

Fateルートではバーサーカーから凛と士郎とセイバーを逃がす為に殿を務め、決死の足止めもむなしく敗れ去った。
しかし、道ずれに6つの命を奪っており、士郎とセイバーを後々の勝利に貢献した。
HFルートでは黒桜の影によって致命傷を負い消滅寸前の事態に陥るも、ただでは消滅せずに片腕を失った士郎に自らの腕を移植させる事でその命を救った。
UBWルートでは彼を中心に大活躍し、アーチャー√とすら言われている。

中盤にて凛を裏切り契約を断ち、終盤で遂に士郎と激突。

士郎の理想を切嗣から借りた『借り物の理想』と否定し、能力が大幅に落ちた状態(10分の1以下)ながらも士郎を圧倒し叩きのめす。

しかし、自らの信念を『借り物』と断じられ、半ば自覚さえしつつも、それでも諦めず戦う士郎の姿に理想を目指し続けたかつての自分を思い出し、動揺。

『決して、間違いなんかじゃないんだから…!』

そして胸に剣の一撃を受けたアーチャーは静かに、自らの敗北を受け入れた。

直後、金ピカの攻撃から士郎を庇って深手を負うも辛うじて存在を保ち、クライマックスでは士郎と凛をフォロー。
彼らを勝利に導き、昔の彼を思わせる少年のような笑顔を見せながら消滅した。

「答えは得た。大丈夫だよ遠坂。オレも、これから頑張っていくから」

尚、答えを得たがそれは召喚されてる間まで、再び召喚されれば彼から記憶は失われる。
やり直しを望み続け数え切れない程の後悔の中で彼はこの結末を恨み続けるとされる。しかし最期には全ての結果を受け入れていた。

『それでも―――俺は、間違えてなどいなかった―――』


コンマテ3によると第五次聖杯戦争時点で千を超える宝具を貯蔵していて、様々なサーヴァントから宝具と戦闘技術を習得しているとのこと。

ホロウでは凛の 「誰にも橋を渡らせてはいけない」 という命令から、弓兵として本領発揮。
約4km離れたビルから超遠距離射撃を行いランサー(Fate)ライダー(Fate)でも橋を突破出来なかった。
その為、剣による接近戦より弓兵に徹した方が脅威ではないかファンから指摘される時も。
しかし、士郎とセイバーの令呪を用いた奇策によって敗れた。

迷シーンに釣り勝負があり、高級ロッドに、品切れの十六個のボールベアリング、電動操作の巻き上げ式リールのフ○セスーパーオートメーション。
「本物を買えば」総額二十万三千円にもなる釣り竿を全部投影して、はしゃぎながらランサーを圧倒するキャラ崩壊ぶりを見せ付けた。
「フィィィッッシュ!!イィィヤッホォォォーーー!!」

「なあランサー、別にこの港の魚を釣りつくしても構わんのだろう?」

奈須きのこはこのネタはSNの頃からやりたかったらしいが、今は黒歴史とか…。

Fate人気投票は常に第三位にランクインし、男性キャラなら型月トップ人気。
最近のTYPE-MOON人気投票でも3位で、Fateメンバー内では2位。とうとう凛すら上回ってしまった。
その人気の為か待遇は良く、アニメ第14話は専用EDが流れた。


奈須きのこ曰くFateの裏主人公はアーチャーでもあるとか。

因みに、ゲーム中の士郎とは違う「アーチャーになった生前の衛宮士郎」の人生がどのようなものであったかは不明。
公式では「どのルートもエミヤになる可能性はある、ただ基本的に可能性は限りなく0に近い」と発言されている。
凛が側にいる限りはエミヤとなる事はないと断言されている。

Fate/EXTRA』にパートナーサーヴァントの一人として登場。
凛やランサー等とのイベントで思わずニヤリとしてしまうような台詞を言ったりする。
また、SNでは詳しく語られなかった『エミヤとしての人生』も語られる。

凛とは共にロンドンには行ったが、さほど長い期間一緒にいた訳ではなく、恋人と言える程の関係ではなかったようだ。
真名は『エミヤ』でなく『無銘』。
尤も真名は違えど同一人物であり、ビジュアルファンブックの解説で無銘とエミヤは正真正銘同一人物と語られている。
しかし、EXTRAマテには無銘とエミヤはほぼ同一存在であって、同一人物じゃないとマテに書いてあり、公式でも扱いが別れているが詳細は不明。

「帰ってきた!ブロッサム先生 狐虎編」によると
「アーチャーは抑止の輪側の英霊だけど今回は英霊の座から喚ばれたから抑止力の奴隷になってない」との事。
Fate本編と若干差異があるのはそのせいなんだとか。
スキルも心眼(偽)となっている(説明文が同じなため誤植の可能性あり)

本編より性格が丸くなった印象を受けるのは、EXTRAでは士郎が不在であり、自分殺しの願望から解放されてるからとか。
また正義の味方を否定的だった「stay night」の時とは違い、自らを「正義の味方」「正義の体現者」と度々名乗っている。
本人によると、主人公の影響で「以前の自分なら憎むだけの事だったが、自分でも信じられない話だが今はアレはアレで悪くない人生だったと思えている」との事。
しかし、自らは「正義の味方」ではあっても「英雄」ではなかったと語り、自らの所業を悪と断じている。

宝具は変わらず、「無限の剣製」で使用時には『エミヤ』のアレンジ曲が流れる。
続編のEXTRA CCCにも登場するのだが…その新コスチュームは裸ジャケット。
当初は本人も不本意だと語っていたが、ちょっと褒めると「実はこんな格好をしてみたかった」とノリノリになり出す。ちょろいもんである。
海パン一丁になると自分の肉体美の自慢を始める。

男主人公の場合は兄貴分として、女主人公の場合は主人公の好意に気付けない朴念仁としての側面が強く出ている。

ネタの方面もなかなか強化されており、アルターエゴ・パッションリップの巨大な胸をが玩ぶ様に見とれたり、

「法律に反しないかぎり、男女交際は積極的に行うべきだ。
人間だって動物なんだから、そこは仕方ないだろう」

「可愛い子なら誰でも好きだよ、オレは」

だのと堂々と言い放っておきながら、自身の女難を嘆く。どう見ても自業自得です。本当に(ry
しかし、恋人が出来たとしても皆数ヶ月で別れてしまうらしい。
サバイバーズ・ギルトの彼にとって幸せな日々を過ごす自分に罪悪感を感じるらしく、
付き合った女性もまた彼の内面を感じ取って「この人は自分の手には負えない」と感じて別れ話を切り出されてしまうという。

また生前に苦い経験でもあるのか敬遠するタイプに力ある魔術師を挙げていて、
「聖杯戦争に参加した選ばれた力のある魔術師なんてオレが一番敬遠する人種だよ。助ける事も認める事など有り得まい。」 と辛辣に語っている。
故に記憶を失った状態で主人公と再開した際は聖杯戦争に参加している以上、魔術師であろう主人公に自分が協力するとは思えないと洩らしていた。


個別ルートに入ると、(EXTRAの時間軸における)生前の彼自身が現実世界に戻った主人公と、民間人用ボランティア団体のサバイバル教官として出会う。

また、ムーンセルが観測した時間軸の再現という形で、SNのそれを再現した凛とのパートナーとして現れる。
サーヴァントとして経験してきたものが違うためか、若干声が重々しい。
曰く『守護者』ならこの手の衝突もあるとのこと。

そしてCCCルートでは彼が生涯、死後ですらも追い求めていた、子供の頃に誓った願いが本当の形で成就する事となる。
主人公に生前は叶わなかった夢を果たさせてくれた事に感謝をつけて別れを告げて去っていた。
CCC発売前に語られた奈須きのこの「このCCCはFateのある人物の結論でもある」という発言はこの事と推察される。


追記・修正は正義の味方になろうとした理由を思い出してからでお願いします。

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