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 特別養護老人ホーム(特養)への「入居待ち」の高齢者が、昨年秋時点で約52万2千人にのぼることが25日、厚生労働省の集計でわかった。4年前の前回調査より約10万人増えた。待機者のうち、入居の必要性が高い「在宅で要介護3以上」は約15万2千人いた。高齢化で介護が必要な人が増え、受け皿不足はさらに広がっている。

 特養は全国に約8千カ所あり、約51万人が暮らす。入居待ちの約52万人のうち、介護が必要な度合いが中重度の「要介護3~5」は約34万人。このうち特養以外の施設や病院にいる人が約19万人いる一方で、家族らの支えで在宅で暮らす人も約15万人いた。

 厚労省は特養不足への対策として、来年4月以降は新たに入居できる人を原則「要介護3~5」に絞り込む方針だ。今回調査では、「要介護2以下」の人も約18万人おり、全体の34%を占めた。今国会に提出した関連の法改正案が成立すると、これらの人の大半は特養に入れなくなる。

 また、都道府県別で入居待ちが最多だったのは東京都の約4万3千人。上位は大都市圏が目立つ。

 今回の調査では、昨年10月1日時点で入居を希望しながら入れない人数を集計した。ただし、1人で複数の施設に申し込んだ重複分を除いていない▽要介護3以上や在宅の人だけを集計している、といった理由で実態をつかみ切れていない府県も含まれる。