ニューヨーク=東岡徹
2014年9月25日10時25分
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は24日、国連総会で演説し、「戦時の女性に対する性暴力はいつの時代、どの地域かにかかわらず、明らかに人権と人道主義に反する行為だ」と述べた。旧日本軍の慰安婦問題も念頭に置いているとみられるものの、直接言及せず、抑制的な内容になった。
昨年の国連総会では尹炳世(ユンビョンセ)外相が「前世紀の戦時性暴力の被害者は今も苦痛が続いている」と慰安婦問題を強く示唆したうえで、「被害者が納得できる責任ある措置と名誉回復」を事実上、日本政府に要求していた。今年はこうした表現はないことから、日韓の関係改善の雰囲気が高まっている中、水を差さないよう配慮した可能性がある。
また、演説では北朝鮮に対し、「核を放棄する決断を下さなければならない」と要求。南北統一についても自らの構想に触れながら、「統一された朝鮮半島は新しい北東アジアをつくっていく基礎になる」と述べ、理解を求めた。(ニューヨーク=東岡徹)
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日韓両政府は24日(日本時間25日)、米ニューヨークを訪問中の岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相が25日夕(同26日朝)に会談すると発表した。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際の首脳会談実現を念頭に、懸案の慰安婦問題などについて意見を交わす見通しだ。
岸田氏は記者団に、「こうした対話の積み重ねが高い政治レベルでの対話につながっていくことを期待したい」と語った。
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朝日新聞国際報道部
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