韓国の経常収支黒字、「不況型」との指摘相次ぐ

 韓国銀行が29日発表した8月の国際収支(速報値)によると、経常収支は72億7000万ドルの黒字で、2年6カ月連続の黒字となった。このまま推移すれば、1986年6月から3年2カ月続いた連続黒字記録を上回る可能性もある。企画財政部関係者は「世界経済に急激な変動がなければ、連続黒字記録は更新されそうだ」と語った。

 1-8月の経常収支黒字は累計で543億1000万ドルだった。通年では840億ドル前後の黒字が予想され、過去最高だった昨年(707億ドル)を上回る見通しだ。

 経常収支は記録的な黒字となっているが、内需低迷で輸入が減少する「不況型黒字」だとの指摘が相次いでいる。8月の経常収支は輸出と輸入がいずれも前月比、前年同月比でマイナスだった。特に輸入の減少幅が輸出よりも大きかった。不況型の黒字が続けば、韓銀は今年8月に続き、年内に追加利下げを行う必要性が高まる。

 しかし、韓銀は「不況型黒字だと断定するのは難しい」との立場を保っている。韓銀関係者は「今年8月の営業日数は23.5日で、前年同月よりも1日少なく、輸出入が減少した。1日平均の輸出入額は前年同月よりも多い。不況型黒字に関する議論は尚早ではないか」と話した。

 企画財政部(省に相当)は、急速に進む円安が経常収支と韓国経済全般に与える影響について検討を開始した。チェ・ギョンファン経済副首相は同日の拡大幹部会議で、「円安など外部リスクを綿密に管理する必要がある」と述べた。ウォン・円相場は100円=950ウォン台という6年ぶりのウォン高円安水準で推移している。企画財政部関係者は「円安の影響について業種別に検討している。中小企業に対する政府の支援策が必要だと判断された場合、必要な措置を取る」と説明した。

李陳錫(イ・ジンソク)記者
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