【動画】噴火から4日目を迎えた御嶽山=金谷尚紀撮影
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 登山者12人の死亡が確認された御嶽山(おんたけさん、長野・岐阜県、3067メートル)の噴火で、自衛隊や警察などは30日早朝に再開した救出・捜索活動を午前7時すぎに中断。主力部隊のこの日の活動を断念した。気象庁の観測で火山性微動の振幅が大きくなり、火山活動が活発になっていると判断した。午後1時現在、心肺停止状態の24人が依然、山中に残されている。

 気象庁によると、火山性微動の振幅が大きくなったのは29日午後7時20分。30日午前1時15分にいったんはおさまったが、同6時12分に再び大きくなった。振幅は噴火があった27日の夜と同程度という。救出・捜索活動の中断の理由について、長野県災害対策本部の担当者は「27日と同程度の噴火が起こる可能性が高まっている」と説明した。

 陸上自衛隊と長野県警、消防による救助隊は30日、後方支援も含めた計約850人態勢で、徒歩とヘリコプターで心肺停止の人たちがいる山頂付近に入る予定だった。29日まで使っていた中型ヘリの約5倍の人員を運べる大型ヘリも準備していた。

 地上部隊は午前6時すぎに入山を始めたが、同7時に登山をやめて8合目付近の避難小屋で待機。正午過ぎ、この日の活動中止を決め、下山を始めた。上空からの捜索部隊は、午前7時すぎに大型ヘリの飛行準備を中断。救出・捜索方法を探っている。

 御嶽山ふもとの長野県の木曽町役場に設置された待機所では、行方不明者の家族ら約80人が待機している。

 気象庁によると、地面の傾きを測る傾斜計のデータには大きな変化はない。27日は噴火の約7分前に、山頂の南東に設置した傾斜計で山体がわずかに膨らむ変化が確認されていた。

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 死亡が確認されたのは次のみなさん。

 名古屋市中村区亀島、会社員浅井佑介さん(23)▽岐阜市次木、会社員三浦勇さん(45)▽長野県塩尻市峰原、会社員林卓司さん(54)▽長野県松本市中川、無職横田和正さん(61)▽静岡県御前崎市白羽、会社員増田直樹さん(41)▽岐阜県中津川市中津川、会社員関口泰弘さん(39)▽東京都大田区下丸子、会社員高田紗妃さん(29)▽川崎市麻生区、会社員高橋秀臣さん(41)▽横浜市港北区、会社員本多達一さん(39)▽兵庫県、山上貴史さん(45)▽愛知県知立市東長篠、高校生伊藤琴美さん(18)▽東京都中央区新川、会社員上方麻衣さん(31)=長野県警発表