週末は、いつもはてな村戦線から後退するので知らなかったが、なにやら辞める辞める詐欺だのなんだのあったらしいnetcraft氏がどうにも飛ばし気味で、そんなドリフトじゃあ峠のヘアピンカーブを攻め切れないと思うんだけれど大丈夫だろうか。
はてなブロガーには嫌儲民はいないのか? - はてな村定点観測所
左ジャブ打ちつつ右ガードが露骨に上がってて、これだとリバーブローがモロに入るんだけど、誘ってるのか無意識なのかどうなんだかわからないのでとりま左フックを打ちこんでみるのがこの記事。
あえて、です。
あ、え、て。
嫌儲思想
今さらだが「嫌儲」とはそもそもが、
嫌儲とは特にインターネットにおいて、金儲けが絡む活動・宣伝を嫌うことを表した言葉である。
この記事の読みは「けんちょ」であるが「いやちょ」「いやもう」「けんもう」「いやんもう」という読みもある。
自称するのならともかく、使用するのは主に叩くときなので他人に使うときは注意が必要。
この言葉が盛り上がったのは、いわゆる2chまとめ系サイトへの嫌儲民の騒動だろう。
2chの場合、誰かが書きこんだ書き込み(カキコ)を無断転載し、それをまとめと称しアフィリエイトやアドセンス広告でも受け、更には自分で板を立てたりデマを撒いたり燃え上らせたりステマしたりと言う「金のためならグレーゾーンはすべてやる」姿勢が叩かれたのは記憶に新しい。
「2chで儲かったぜ―!」という笑顔がこちら↑
さてこの「嫌儲騒ぎ」の際の嫌儲派の主張は「2chの無断転載」にこそある。
「オレらの書き込みを勝手に使って儲けやがって」が主論になる。
ところがnetcraft氏が打ち出してる嫌儲は、
はてなブログでホットエントリに上がってくるブログをよくウォッチしているんだけど、たいていアドセンスやアフィリエイトの書籍やアプリやクレジットカードへのリンクがある。私は嫌儲民なので、はてなブログの有料版を契約して広告は一切排除しているのだけど、同じような嫌儲民のはてなブロガーがいないのは寂しい
ブログに広告がある→儲けようとしてる
これすら嫌だ、と言うことなんだけれどつまりは
「ブログをタダで読ませろ」
「ブロガーは無料で書け」
と言うことと同意なんだが?
広告のないセカイ
ウチは過去に何度か書いてるがブログは儲けていいと思ってる。
中には「こんなもん一円の価値も無いわ」というものもあるが、それにしろ著述の対価として数円が(自分からじゃなく)支払われるのは構わない。
別にオレの懐が痛むわけじゃあない。
「商品に関してウソの感想(サクラ・ステマ)や無断転載でコンテンツを作るのは別」
とは思ってる。
後者は嫌儲騒ぎの思想に近い。
コンテンツにバイアスが無い限りはアフィリエイトだろうがアドセンスだろうが稼げばいい。
行為に対して対価が支払われるのを嫌がるのは単なる妬みでしかない。
ネットコンテンツは、多くが広告で維持されてる。
もし広告で儲けさせるのは嫌だからネットで広告を逃れてネットサーフしよう、とすればどうなるだろう?
検索エンジンの多くは広告が出る。
ポータルサイトにも出る。
Youtubeにも出る。
ニコニコ動画にも出る。
ネットを観るのは、つまり広告を観るのと同じ。
検索エンジンを使ってビッグデータを売り渡してるのに今さら広告を観るのが嫌だのなんだのどういうことだろう。
テレビを見るときにCMは嫌いだ、と言ってもCMは流れている。
CMのないNHKをと言ってもNHKには受信料を払わされる。
金を払って買ってる新聞にだって広告は載ってる、雑誌にだって載ってる。
ネットであれ、テレビであれ、新聞・雑誌であれ広告は付いてくる。
町中にある無料の冊子も広告で成り立つ、ポケットティッシュだって広告があるから無料で配ってる。
なのに「個人のブログには広告を載せるな!お前ら儲けるな!無料で書け!」と言うのはどういう主張でどこに正しさがあるんだろう?
ブログで面白い記事を書いて儲けようとする商業ブロガーと、ブログには金銭的対価を求めずに無償で自由気ままに記事を書く非商業ブロガーが両立してこそブロゴスフィアの安定が保てるように思う。現在は商業色が全面に出すぎていて、ちょっと「気持ち悪い」。アフィリエイトリンクを広告だと認識しない人には普通に記事が読めるのかもしれないけど、私には現在のブロゴスフィアが広告で満ちすぎているように思う。
残念ながらこのnetcraft氏の分類で言えば、ウチは非商業ブロガーだがアフィなりアドセンスなり載っけてる。
どこかから「拾ってきた」違法画像を載せるよりも広告であれ綺麗な画像を載せたいと思うからだし、それ以外に関してはだからAAを使ってる。
「広告で儲けるな!」というアンバランスな主張よりも
「違法画像や無断転載するな!」
の方を重視してる。
広告とバイアスと
クレジットカードの記事を書いたりライフハックの記事を書いたりする人は、本当にクレジットカードが好きなのだと思うし、ライフハックを日常的に実践したりしている人だろう。「iPhone6を買ったら絶対入れたい厳選アプリ100選」とか書く人はアプリにこだわりがあるのかもしれない。でも、アフィリエイトゆえに記事の内容には筆者が意図する意図しないにかかわらず、商業バイアスが掛かっている。それをドン・キホーテのような蛮勇でコケにするのが嫌儲ブロガーの存在理由であると思う。その両者がいてこそブログのメディアとしての健全性が保てるのだ。
先日、
フリック入力で戦闘 「ファイナルファンタジー ワールドワイドワーズ」 - あざなえるなわのごとし
珍しくアプリの記事を書いたが無料アプリで、とはいえ有料でもたいして変わらない。
アプリが一つ売れても数円の世界。
だったらアルバイトなり内職なり一個やる方がまだ儲かる。
たまに
「おら、プロブロガーで食ってくんだ!」
と蛮勇を誇る方もいるがそんな生き方がいつまで続けられるのか、グーグル様やアマゾン様次第の生き方には憧れない。
ウチでは本や映画の感想を書くが売れることなんてまずない。
面白いものは面白いと書くし(国や思想や時代は関係ない)面白くなければ貶すだけ。
どうせアクセスもたかが知れてるのに数十円に矜持を曲げるわけもない。
面白くないものをわざわざ面白いと書くのに数円の対価では割に合わない。
誰か献本でもしてくれ。
ほめつつ、ふんわり京都人っぽく暗喩で貶してみせよう。
多くの個人ブログはそんな程度の意識しかないんじゃないだろうか。
バイアスをかけてる「儲けたい」方々はまた別に存在する気がするしそう言う方々が語りたい話題は相場が決まってる。
SEOがー、PVがー、ブログとは―。
「アフィを載せるからバイアスがかかる」勢力をしばきたいなら、もっと違う攻め手がありそうに思うが実に打ち筋が悪い。
さんざ攻めてると思ったら遥か昔に破られてた定石でごっそり石が抜かれるみたいな手筋。