9月も今日で最終日。皆さん、おは用語!
前回解説した3G(第3世代の移動体通信)に続いて、今朝は携帯電話での通信をさらに高速にした『LTE』についてまとめてみます。ここでポイントを大きく3つに要約すると、
・3Gを発展させた規格で、3.9G、もしくは4Gと呼ばれている
・パケット通信のみをサポートし、音声通話は別の仕組みで補う
・国内では下り(ダウンロード)最大速度75M〜150Mbpsが一般的
といったところ。この3点について、もう少し細かく解説していきましょう。
3Gなの? 4Gなの?
LTEとは、『Long Term Evolution(LTE、ロング・ターム・エボリューション)』の略称とされていて、従来の3Gネットワークを長期的に進化・発展させることを目指した通信規格です。これによって、来るべき次世代通信(4G)への移行をスムーズに進めることが期待されています。
そのため厳密には第3.9世代(3.9G)移動通信システムとされているLTEですが、マーケティング的な事情もあって各キャリアとも『4G』と呼ぶことも多いです。また、ドコモでは独自に『Xi(クロッシィ)』というブランド名を使っていますね。
音声通話には『VoLTE(ボルテ)』を使う
従来の3Gと違って、LTEの仕組みには音声通話が含まれていません。そのためLTEに対応した端末であっても、通話には今まで通り3Gの回線を使っていました。
そこでデータを流すパケット通信に音声を乗せる、IP電話と同様の仕組みをLTEで実現した『VoLTE(ボルテ)』が登場しました。これによってネットワーク上での通信量が3分の1になり、音声の伝送効率も高まるといったメリットもありますよ(VoLTEの詳細は過去記事を参照)。
通信速度はさらに速くなる
3Gでは14Mbps程度だったデータ通信の速度(bps)は、LTEでは大幅に高速化。各キャリアとも下り最大75M〜100Mbps超くらいを謳っています。そして、さらにスピードアップする技術『キャリアアグリゲーション』によって150Mbpsあたりまでの倍速化が進行中。
キャリアアグリゲーションとは、1つしか拾っていなかった電波の周波数を2つ同時に受信して通信を倍速化する仕組み。ドラゴンボールで例えると2人の戦士が合体して強くなる「フュージョン」に近いかもしれません。
こうしたVoLTEやキャリアアグリゲーションに加えて、さらに新技術を追加したものが、正式な4Gの通信規格『LTE-Advanced』です。こちらは2016年頃のスタートを目標に現在も開発が進められています。まだまだ今後も携帯電話ネットワークの高速化、進歩は続いていくでしょう。
それでは今日も一日、スマートに! いってらっしゃい!