栗山監督(左)も佑ちゃんを笑顔でお出迎え。頼もしい右腕の復活でCSでの逆襲を目指す【拡大】
札幌ドームに佑ちゃんスマイルが戻ってきた。2012年6月6日以来、845日ぶりとなる本拠地での白星。2万5597人の観客から送られる温かい拍手に、斎藤がお立ち台で白い歯をみせた。
「こういう場所を与えてくださった監督、六回以降抑えてくれた中継ぎ陣に感謝したいです。この光景を見ることができてすごく幸せです」
8月14日以来となる1軍マウンドは、勝てばCS進出が決まる大一番。常人なら重圧につぶされそうな状況で、やはり斎藤は持っていた。
本来、この日の先発は大谷だった。その二刀流右腕が発熱で登板を回避。30日の西武戦(札幌ドーム)で復帰登板の予定だった斎藤に偶然にもチャンスが巡ってきた。2軍で6勝を挙げている2年目の新垣も候補だったが、栗山監督の「(技術以外の)違う力を持っている選手」との思いもあり抜擢(ばってき)。周囲は持ってる男とはやし立てるが、斎藤は「持ってるなら、(今季)2勝じゃないでしょう」と苦笑い。「僕くらいのレベルだと、相手の打ち損じを狙っていくしかない」と謙虚だった。指揮官もそんな斎藤の“見えない力”にかけたのだ。