前半、パスを出す宮間=仁川(共同)【拡大】
試合終了のホイッスルが鳴ると、佐々木監督は目尻を下げた。3-0の快勝で7大会連続のメダルを決め、連覇へ王手。「イメージ通りやってくれた」と拍手を送った。
前半24分にMF阪口がこぼれ球を蹴り込んで先制すると、後半8分にDF長船、29分にFW菅沢がともに頭で追加点。今大会5得点の阪口は「自分の前にボールが(こぼれて)来てくれる」と照れ笑いした。守ってもベトナムをシュート4本に抑え、5戦連続無失点で決勝へ駒を進めた。
2008年に就任した指揮官は日本女子代表監督として史上初の100試合到達。「クビがよくもった。思えばいろんなゲームがありましたってね」。11年ドイツW杯で優勝、翌年のロンドン五輪でも銀メダルと、いまや世界的名将となった。
決勝の相手は3大会連続の同一カードとなる北朝鮮。06年大会はPK戦で敗れ前回は1-0で勝った。過去5勝5分け9敗の難敵に指揮官は「いかに金メダルを取るか、強い意識を持って準備したい」。男子がついえた連覇の道を、なでしこが突き進む。 (伊藤昇)
データBOX
◎…佐々木監督が日本女子代表監督史上初めて国際Aマッチ100試合に到達。戦績は65勝15分け20敗。次点は1989~96、99年に指揮を執った鈴木保監督の65試合。
◎…先制点を決めたMF阪口夢穂が代表通算26得点。歴代10位の内山環に並んだ。同1位はMF澤穂希の82得点。
(紙面から)