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【大相撲】

白鵬が逸ノ城に完勝

2014年9月28日 紙面から

逸ノ城(左)を上手出し投げで破った白鵬=両国国技館で

写真

◇秋場所<14日目>

 (27日・両国国技館)

 横綱白鵬(29)=宮城野=がモンゴルの後輩に貫禄を見せつけた。怪物旋風を巻き起こす逸ノ城(21)=湊=との注目の直接対決で、上手出し投げで完勝。1敗を守り、史上2位タイとなる31度目の優勝に王手をかけた。一方の逸ノ城は2日連続の金星はならず2敗となったが、まだ逆転優勝の可能性は残っている。千秋楽で逸ノ城が安美錦に勝ち、白鵬が鶴竜との横綱対決に敗れた場合は決定戦にもつれ込む。逸ノ城には史上最速の三役昇進もかかっている。

 白鵬が背負っていたのは、横綱としての意地だけではない。相撲協会の威信もかけて結びの土俵に上がっていた。

 相手は初場所で入門したばかりの逸ノ城。1横綱、2大関を倒して目の前にいる。千代の富士と並び史上2位タイとなる31回目の優勝がかかる場所。相撲協会を背負って立つ男が、ここで負けるわけにはいかなかった。

 大歓声の中での立ち合い。お互い得意の右四つに。白鵬は逸ノ城に上手を取らせずチャンスを待った。上手出し投げ。逸ノ城の巨体を転がした。

 快勝。だが、厳しい表情に変化はなかった。

 「意地というかね。いい壁になるという緊張感がありました。横綱、大関を倒してきたし、それなりの重さがあった気がします」

 13日目の取組後は背中を向けて無言。この日の朝稽古も報道陣への対応はなかった。自分を追い込んでいたのだろう。

 取組後。若手の壁になれなかったときが引き際かと聞かれると、「そう言われると、そうかもしれませんね」。逆に考えれば、この日の白星で、まだまだやれるという手応えも感じただろう。

 その手応えが逸ノ城への、余裕を持ったメッセージになった。「来場所活躍してもらいたいですね。そう(手応えある力士に)なってもらいたいし、それは来場所でしょう」と期待を込めた。

 さあ、いよいよ千秋楽の鶴竜戦。勝てば31回目の優勝が決まる。北の湖理事長(元横綱)は「これで、だいたい事実上の…。鶴竜の内容が悪いから90%」と白鵬の優勝に太鼓判を押した。

 名古屋場所までに30回の優勝を重ねた。どの優勝が印象に残っているのか? そう聞かれた白鵬は「比べようがないんじゃない。ただし、(あるとすれば)区切りの、歴代横綱の優勝回数に並んだ瞬間だね」。目指すはその区切りの記録。

 新入幕で多くの記録を塗りかえてきた新星を退け、きょうからまた自身の記録に向かって歩を進めていく。 (岸本隆)

 

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