cali≠gariが9月27日に東京・日比谷野外大音楽堂にて、単独公演「cali≠gari 20th Caliversary"2013-2014" 最終公演 第7期終了 - To say Good bye is to die a little」を開催。ライブ中に武井誠(Dr)の脱退を発表し、オーディエンスを驚かせた。
2000年より石井秀仁(Vo, G)、桜井青(G, Vo)、村井研次郎(B)、武井の4人体制で第7期cali≠gariとして活動してきた彼ら。この体制での活動を終了することはあらかじめ告知していたものの、以降どんな編成で活動していくかなどは発表していなかった。
過去に野音でライブを行っていた際は雨に見舞われることが多かったcali≠gariだが、この日は見事な秋晴れに恵まれた。ライブは涼しい風が吹き、会場周辺が暗くなり始めた頃に開演。それまで流れていたSEが止むと、観客は一斉に立ち上がりメンバーを迎える。最後に登場した石井が両手を広げ、オーディエンスに挨拶したことを機に、桜井と村井の鳴らすノイジーなサウンドに乗せて「エロトピア」がスタート。石井の歌声が響くと会場はたちまち艶やかな空気に包まれ、時折桜井の喘ぐような合いの手が加わると、観客は熱狂的な歓声をあげた。
この日のライブは、2009年の第7期の活動再開以降に披露されていなかったナンバーも盛り込んだセットリストをベースに進められた。序盤はタイトなリズムで観客を踊らせる「淫美、まるでカオスな」、ダイナミックなサウンドが炸裂する「-踏-」、石井がステージを優雅に練り歩きながら歌い上げた「偶然嵐」などがプレイされた。またMCのトップバッターを務めたのは村井。彼は「会いたかったかー! 今日、一発目しゃべっちゃうぜ」「ちょっと元気ないんじゃないのか? 往年のナンバーいっちゃうぜ!」と叫ぶと、第7期の初期ナンバー「舌先3分サイズ」と「近代的コスメ唱歌」を連続で投下した。
ピンクの照明が艶かしさを煽った「娑婆乱打」、パンキッシュなモードを打ち出した「トレーションデモンス」を届けたあと、石井は「精も根も尽き果てるまでね……みたいな」とやんわりとした口調でオーディエンスを挑発する。さらに、「誘蛾燈」「原色エレガント」といった懐かしいナンバーを続け、客席エリアの狂騒に拍車をかけていった。すっかり暗くなった頃に届けられた「オーバーナイトハイキング」では、ステージの照明が消され、観客が掲げるスマホのライトなどが場内を照らす。幻想的な雰囲気の中で桜井と村井は客席を通り、会場中央に設けられたサブステージに移動してプレイを繰り広げた。「混沌の猿」では桜井がサブステージに移動し矢継ぎ早にバナナを客席に投げ込むパフォーマンスを展開。そして本編のラストを飾ったのは、第7期cali≠gariに別れを告げるように鳴らされた「グッド・バイ」。曲のクライマックスでは銀テープが舞い会場を華やかに彩る。そして石井は「ありがとう」と告げると颯爽と去っていった。
アンコールで届けられたのは“別れ”や“終わり”を示唆するような「最後の宿題」や「さよならスターダスト」といったナンバー。2曲が終わったところでフロントの3人が退場し、武井が1人でステージに残りセンターマイクの前にスタンバイする。彼は「えー」と少し言いよどみつつ、「本日第7期終了とアナウンスされていましたが、私、武井誠がcali≠gariを去ります。1999年から活動休止もありましたが15年間という結構長いことやっていたなあと。一言では語れないです。皆さんは何度かcali≠gariを観に来たことがあるかもしれないですが、僕はないので一度生で観てみたいと思います。脱退の挨拶です。今までありがとうございました」と述べ、脱退することを報告した。
悲痛な声が上がる中、ダブルアンコールに応えたメンバーは「クソバカゴミゲロ」を激しくプレイ。そしてパトランプが赤く光り、不穏なサイレンの音が鳴り響く中で披露された「サイレン」でライブはフィナーレへ。最後に残った武井は石井が立っていた位置に立つと深々とお辞儀をして、サイレンが鳴る中で野音のステージをあとにした。
なお第7期cali≠gariのラストステージは、10月3日に東京・新宿LOFTにて行われる「トコママン with #7.01」となる。以降の編成や活動スケジュールについては現時点では未定。
※記事初出時、本文中の一部曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。