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【社会】

都終夜バス来月末終了 1便平均9人、採算割れ

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 東京都は二十九日、都営バスで昨年十二月に試験的に始めた渋谷−六本木間の終夜運行を十月末で終了する、と発表した。未明の時間帯を有効活用する「二十四時間眠らない街」を掲げた猪瀬直樹前知事の独自策だが、利用者数は一便平均でたった九人。採算割れして約三百万円の赤字が出ており、「これ以上続けても好転の見込みがない」と説明した。

 終夜バスの試験運行は一年程度の予定で、昨年十二月二十一日未明に開始。毎週土曜日の週一回、午前一時十分〜同五時半に渋谷−六本木両駅間を四往復(計八便)している。運賃は四百二十円。

 都交通局が試験運行を打ち切る理由に挙げたのが利用者の低迷。昨年十二月は一便当たり平均三十六人の利用があったが、一月以降は九人に落ち込んだ。採算ラインとされる「二十七、二十八人程度」には程遠く、このまま継続すると赤字は年三百四十万円になる見通しという。ほかのバス事業者にも終夜運転を働き掛けたが波及せず、終夜運行の都営バスに乗っても接続する鉄道やバスがなかった。担当者は「都営バスが終夜動くだけでは(利用拡大は)難しかった」と釈明した。

 旗振り役だった猪瀬氏は、医療法人「徳洲会」グループから五千万円を受け取った問題で昨年十二月に辞職。今年二月に就任した舛添要一知事は「一年間はやってみて利用客が少なくなればやめる、という結論になりうる」と言及していた。

 

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