接近禁止命令(Ⅲ)
テーマ:ブログ
先日は、ストーカー規制法についてブログで書きましたが、今回は接近禁止命令についてです。
私は今年の1月頭に裁判所へ接近禁止命令の仮処分申請をしましたが、8ヶ月たった後に仮処分は下りませんでした。(仮処分の結果 Ⅰ )
私が仮処分を申請するにあたって1番思った事は、仮処分を申請してから結果が出るまでの期間、何の身の安全の保証がもなく過ごさなければならなかったこと、そして時間がかかりすぎということでした。
裁判官へその事を聞いても「そんなものありません。それは弁護士の先生に相談して下さい。」と淡々と言われてしまいました…。
アメリカは、警察にも裁判所が出す接近禁止命令と同じ効力の持つ命令を出すことができます。
(※接近禁止命令は英語でRestraining Order と言います。)
それは、私のように裁判所からの接近禁止命令が出る間、警察からの接近禁止命令でとりあえず被害者の身の安全を確保するためです。
問題の時間ですが、アメリカでは緊急を要する場合、EPO( Emergency Protective Order )という緊急接近禁止命令が警察に相談してから2時間程度で出ます。このEPOは珍しいものではなく、95%の事案に該当するそうです。
また緊急ではない場合、TRO( Temporary Restraining Order ) という一時的な接近禁止命令が出ます。
TROが出たら24時間以内に加害者へ「あなたには接近禁止命令が発令されています。」と報告がいきます。(手渡し)
さらに、TROが出たと同時にCourt Day(裁判所へいく日程)が出ます。つまり、裁判所で初めて加害者はクレームや反論がある場合主張する事ができるのです。
よって、加害者はクレームや反論がある場合、できるのは接近禁止命令が下りた後になります。何よりも被害者の身の安全の確保が最優先されるのです。
そして、Court Dayで裁判官が被害の一連や加害者の主張を聴聞した上で、その日のうちにジャッジが下ります。私の場合は8ヶ月もかかり、ここは大きな違いです。
裁判官が接近禁止命令を下した場合、その効力はアメリカの場合3年間の接近禁止命令になります。
また、私がいるロサンゼルスではセレブリティも多いため、セレブリティを守る警察の専用部署も存在するようです。
(このような情報は直接アメリカの警察の方へインタビューしたものです)
日本の場合も、実は緊急を要するケースでは警察の一存で聴聞もせずに一気に仮の禁止命令を発令できる素晴らしいシステムが存在します。(ストーカー規制法第6条「仮の命令」)
とりあえず被害者の身の安全を優先し、仮の命令を出してから15日の間加害者からの聴聞を行うというものです。そして、通常の仮ではない命令などに切り替えるというものです。
しかし、残念な事にこの制度は事実上一度も使われていないのです。
日本ではほとんどの場合、手順追ってまずは「警告」をすることから始まるようです。
「警告」→「禁止命令」→「処罰」というような流れです。
ただし、警告に違反してもきちんとした罰則も設けられておらず、警告というのはあくまでも注意のようなものです。
※警察に警告の申し出をしても、必ずしも警告を発してくれるとは限らないようです。
ここできちんと理解しなければならないのは、ストーカーに対して警告をする条件としては、ストーカー規制法に該当していなければいけません。
私のケースでは、ストーカー規制法に該当しなかったので仮処分申請を裁判所へ行うという選択をしました。
(詳しくはこちらのブログへストーカー規制法Ⅱ)
これは費用も時間もかかる事なので、何も対処できず自分の身は自分で守るという決断を余儀なくされてる方も多くいると思います。
また、警察は通常の禁止命令を出す場合も、私が経験したことと同じように加害者の聴聞があり、時間がかかると言われています。
ストーカーというのは時に、突然と最悪な事件に発展しかねないものです。そのために、被害者は一刻も早い身の安全の確保がほしいものです。
迅速に、かつ効果的な禁止命令が被害者に下りる社会になるといいなと切に思うばかりです。
結果はどうであれ、私の場合は8ヶ月も待ちました。それではダメだと思います。(詳しくはブログ仮処分の結果 Ⅰ )
私は自身の経験を後発してから「警察から相手にされなかった…。」「今の法律には該当しないケースで苦しんでいます…。」など多くのSOSを聞きました。
これからも私が学んだ事、思った事をここに綴っていきたいと思います。
自分の経験も含めて。私の件については、事が起き始めた2012年以前の問題にも繋がっていきます…。どうかこれから書く事が、もう一度社会の問題を見直すきっかけになりますように。
とても勇気がいります…。
でも、きっと良い社会へ前進するための一歩になると信じて。どんなに小さな一歩でも良いから、自分が出来るアクションをしたいです。
(※ここではアメリカ、カリフォルニア州の法律を元に書いています。)
(つづく)
(※このブログは社会向上のために書いているものであり、特定の人物に対し誹謗中傷のブログではありません。よって、コメントにも第三者を特定できる情報が上がっている場合承認されない場合がありますことをご了承下さい。)
↑これから色々と本裁判が始まるので、ご理解いただけたらと思います。
吉松育美
<参照>
Stalking Resource Center
http://www.victimsofcrime.org/our-programs/stalking-resource-center
California Courts
http://www.courts.ca.gov/home.htm
ストーカー行為等の規制等のあり方に関する報告書【PDF】
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/stalker/report/report.pdf
警視庁/政策全般
https://www.npa.go.jp/seisaku/index.htm
ストーカー行為等の規制等に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO081.html
検察庁/平成25年中ストーカー事案など
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/stalker/25DV.pdfオフィシャルFacebook
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1 ■日本社会の歪
お早うございます、吉松さん
犯罪が最もよくその時代を反映している。
加害者のみならず、無関心な世間、日本のマスコミの無視しかりです。
欧米では考えられないというセリフをあなたを含めて、よく耳にしますが事実そうなんでしょう。
一方で日本に来た外国人は、以前に比べれば、ずっと物騒になったであろう今でも日本の治安の良さに驚くそうです。
日本て、歪ですね。
他のブログで、他殺が強く疑われる、そして結局自殺として処理されてしまった女性市会議員のことがよく俎上に上っています。その用意周到さ、状況の真っ黒さには、只々戦慄を覚えます。そういえば川田亜子さんのこともありました。
油断禁物です。
集団ストーカー被害者より。