住商:損失2400億円 米でシェールオイル開発失敗

毎日新聞 2014年09月29日 20時39分(最終更新 09月29日 21時32分)

多額の損失計上で記者会見する住友商事の中村邦晴社長=東京都中央区の住友商事本社で2014年9月29日、神崎修一撮影
多額の損失計上で記者会見する住友商事の中村邦晴社長=東京都中央区の住友商事本社で2014年9月29日、神崎修一撮影

 住友商事は29日、米国でシェールオイルと呼ばれる新型原油開発事業などで失敗し、2015年3月期に計2400億円の損失を計上する見通しとなったと発表した。これに伴い連結最終(当期)利益を従来予想の2500億円から100億円に下方修正した。

 子会社を通じ、米開発会社と共同で12年から手掛けている米テキサス州での原油事業で、回収量が想定を下回る見込みとなった。従来は採掘が難しかった地層から、石油やガスを採掘する事業だが、当初の見込みより地層が複雑で、効率的に採取できないことが分かった。開発エリアの一部を残して撤退し、リース権や井戸などの関連施設を売却するが、約1700億円の損失が生じる見込みだ。

 また、鉄鉱石や石炭の価格下落により、ブラジルの鉄鉱石事業で約500億円、豪州の石炭事業で約300億円、米タイヤ小売り事業で約200億円の損失を計上。さらに権益を持つ豪クイーンズランド州の炭鉱を15年1月に休山する。

 住商は社内に特別委員会を設置し、損失を出した投資判断や今後の資源事業のあり方などを検証する。中村邦晴社長は29日記者会見し「心配をかけ深くおわびする。体質の再強化を行い、信頼回復に努める」と述べた。【種市房子】

最新写真特集