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 日本高校野球連盟が、選手の健康管理に配慮した試合方法について全加盟校にアンケートしたところ、硬式の49・7%に当たる1964校がタイブレーク制度を選択した。29日に発表された。条件付きの賛成や現行通りの延長15回引き分け再試合を望む声も多く、日本高野連では慎重に検討していきたいとしている。

 アンケートは7月に実施。硬式は全加盟校4030校のうち、3951校から回答を得た(回答率98%)。4択でタイブレーク制が、投手の投球数制限(12・0%)、投球回数制限(10・7%)、他の方法(27・6%)を上回った。タイブレーク制に入るイニングとしては、延長12回終了後13回からという意見が54・8%で最も多かった。

 タイブレーク制は同点で延長に入った場合、決められた回から、1死満塁など点が入りやすい状況で攻撃を始めるルール。ワールド・ベースボール・クラシックなどで導入されており、高校野球でも明治神宮大会と国体で延長10回から実施されている。

 アンケートでは導入への賛意がある一方、「夏の大会については現行通りで、春季、秋季大会のみ導入する」など、3年生にとって最後の公式戦となる全国選手権での実施には消極的な意見も多かったという。

 アンケートで少数意見だった「投手の球数制限」や「投球回数制限」については「加盟校のほとんどは部員数、投手数が潤沢ではない。制限されると野球にならないチームが多い」(日本高野連・竹中雅彦事務局長)との理由で導入は現実的ではなさそうだ。

 今春の選抜大会で延長15回引き分け再試合があり、この勝利校が決勝まで勝ち進むと、最大で5連戦になる可能性があった。日本高野連では選手の障害予防の観点から試合進行について再考することになり、アンケートを実施した。

 日本高野連は29日、指導経験者らで構成する技術・振興委員会を開いて協議したが、結論は出なかった。4日間、延長50回(サスペンデッド制)に及ぶ準決勝があった8月の軟式の全国高校選手権を受け、竹中事務局長は「点が入りにくい軟式はタイブレーク制を導入した方がいいという意見も出た」と説明した。10月20日に同委員会で再協議して方向性を決め、11月の全国理事会に諮りたいという。

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