僕は今年80歳になる。毎週土曜にBS朝日「激論!クロスファイア」、月に一度、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」の司会をしている。また、ラジオ番組は週に2本あり、雑誌の連載は6本、ネット連載は3本ある。そのほか、単発のテレビ出演や講演もあり、僕の手帳はいつも真っ黒だ。
「その歳で、なぜそんなに元気なのですか」と、よく聞かれる。そんなとき僕はいつも、「悩まないこと」と答えている。もちろん、日々迷うことはある。いろいろと考え込むこともある。けれど夜になれば、悩んでも仕方ないと寝てしまうのだ。だから、失敗しても引きずらない。済んでしまったことを、くよくよ悩んでも仕方ないからだ。
ぼくは、特別な健康法なんてしてはいない。ただ、しいていえば、たっぷり7時間睡眠をとるようにしている。そして、好きなことしかしない。このふたつだけは、心がけている。人間、ストレスが一番体に悪いのだ。
以前、人に頼まれて、オーケストラの指揮者の真似事をやったことがある。カラオケの音楽に合わせてイヤイヤ指揮棒を振る練習をしたら、たちまち消化器系がダウンしてしまった。それ以来、僕は嫌だと思う仕事は受けないようにしている。
食事も、嫌なものは食べない。好きなものしか食べないのだ。たとえ身体によくても、食べたくないものなんか食べても、身体が喜ばないのではないか。僕は、そう考えているのだ。だから、朝はトーストと目玉焼き、ちぎったレタスと紅茶。そして、すりおろしたリンゴと季節の果物と決まっている。昼は、だいたいうどんだ。
夕食は、外食になることが多いが、それでも、あきれられるほどいつも同じメニューにしている。僕は、お酒は一切飲まない。そのかわり、白いごはんと味噌汁、煮るか焼いた白身の魚、野菜の煮物かお浸しと豆腐。デザートは旬の果物だ。25年来、ほぼ毎日、こんな食事をしているが、飽きることはない。
かなり前のことだが、「三世紀会」という、政治家の会合を取材したことがある。会長は、1896年生まれの岸信介さん。岸さんは戦中戦後に活躍した政治家で、安倍首相の祖父である。この岸さんはじめ、会員はみんな19世紀生まれだ。そもそも会の名称は、19世紀、20世紀、21世紀と、「三世紀を生きよう」ということでつけられたのだ。つまり、みんなで100歳以上生きようというわけである。
では「長生きのコツは?」と僕は会員たちに聞いた。すると、3つの答えが返ってきた。ひとつめは、つきあいを悪くすること。つきあいがよいと、パーティや飲み会についつい毎晩顔を出して疲れてしまうというのだ。ふたつめは、悩まないこと。悩んでも物事は解決しない。3つめは、肉を食うこと。これは、最近の研究でも科学的に実証されているようだ。
僕は、肉は好きではないので、残念ながら3つめは実践できない。でも、ひとつめとふたつめは、実によく実践できていると思う。
僕にとって何より大事なことが、ひとつだけある。それは、毎日いろんな人たちと会うことだ。家で本を読んだり、原稿を書いているとき以外は、たいてい人と会っている。なぜ人に会いたくなるのか。それは「好奇心」があるからだ。好奇心が、僕の原動力になるのだ。
僕は、いつも人と会うときに、「この人は何をしているのだろう」「何を考えているのだろう」、ということを知りたくてたまらなくなる。そして、実際に会うと、たくさんの刺激を受けて、生きる力がわいてくるのだ。
僕に力を与えてくれる、家族、友人、そして多くの人たちに感謝したい。そして、まだまだ走り続けていきたい、と思っている。
>済んでしまったことを、くよくよ悩んでも仕方ない
>人間、ストレスが一番体に悪い
それは結構ですが、だからといってWGIPの教えを布教し続け、朝日新聞と財務省にすり寄っていても日本にとって有害なだけではないですか。
傘寿の「日々是好日」ライフご満喫、おめでとうございます!
大正9年生れの当方の母もまさに健やか「三世紀人」です。激動の大正・昭和を生き抜き、余生の平成、日々、身も心も未だピンシャキ、張り切っております。
母の長生きの秘訣はいつも一言、「欲張らないこと」
アレコレ欲を持つと悩みにまみれ、ストレスとの戦いの日々になる、そんな状態で長生きしたってちっとも面白くないと。
毎日喰っていけるだけのほんの少しのカネさえあれば何もいらない・・・とのこと。欲張らないと言っても生きている以上は喰わずにはおれませんからねぇ。それだけ。
仕事も無ければ、友人もこれといっての人は無く(ほとんど亡くなっている)、一日一人で居てもまるで無頓着。
のんびり、ゆったり、時々テレビ、たまに隣家の娘と話し「ガハハ・・・」と高笑いの・・・仙人ライフです。
田原さん、くれぐれも仕事のし過ぎにご注意ください。まだまだ「田原さんの一刀両断」、我々に楽しませてください。
その為にも、ご無理なく、テキトーに、テキトーにお楽しみください。
先日の「朝まで生テレビ!」のご尊顔はちょっとお疲れ気味のようでしたよ。
95歳の母からしたら、田原さんの80歳なんてまだまだガキだそうです。むははは・・・失礼。
今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。