米エクソン・モービルが北極海の原油開発から撤退、対ロ制裁で
[モスクワ 29日 ロイター] - 米石油大手エクソン・モービル(XOM.N: 株価, 企業情報, レポート)は欧米による対ロシア制裁を受け、ロシア国営石油会社ロスネフチ(ROSN.MM: 株価, 企業情報, レポート)と共同で進めていた北極海の海底油田開発を中止する。ロシアの日刊紙、コメルサントが29日、匿名の関係筋の情報として伝えた。
ロスネフチとその最高経営責任者(CEO)イーゴリ・セチン氏は、ロシアがウクライナ紛争へ介入したとして欧米が発動した制裁の対象となっている。
ロスネフチは27日、カラ海でのエクソン・モービルとの共同事業で原油試掘に成功したと発表していた。カラ海地域の原油埋蔵量はサウジアラビアに匹敵すると推定されている。
米政府は12日、ロシアの石油セクターに物資提供や技術協力している欧米企業に対して26日までにそうした協力を停止するよう求めたが、財務省はエクソン・モービルについては若干の延長を認めていた。
コメルサントによると、1人の関係筋は「形式的には事業継続の可能性はあった。しかしそれには新たな認可を取る必要があるが、米国はそのような認可は出さなかった。その結果、エクソン・モービルは10月中旬までに事業を停止し、社員も完全に引き揚げなければならないことになった」と述べたという。
ロスネフチはコメントを控えるとした。エクソン・モービルからもコメントを得られていない。
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