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お得意の「説明責任」が巡り巡って 朝日新聞「木村社長」国会招致の声
〈与党だけの協議や首相が選んだ閣僚による決定では、説明責任は果たせていない〉(6月30日付朝刊)

 集団的自衛権の閣議決定について異を唱えた星浩・朝日新聞特別編集委員の記事だ。

〈政治家として身を引いても、事実の重みを説いてきた作家としての説明責任は消えないことを肝に銘じるべきだ〉(13年12月20日付朝刊)

 こちらは、徳洲会問題で辞任に追い込まれた猪瀬直樹・前東京都知事をめぐる社説である。


「説明責任」という言葉が大好きな朝日新聞には、この手の“追及記事”があふれている。このお得意の論法が巡り巡って、我が身に突きつけられることになろうとは、“思いもよらぬ”展開にちがいない。木村社長に対し、与野党問わず国会議員から、国会での参考人招致を求める声が噴出しているのだ。

「会見では、従軍慰安婦報道について、“広い意味での強制性はあった”と強弁し、真正面からの謝罪や訂正はありませんでした。自分たちで強制連行という虚偽をさんざん喧伝して、火のないところに火をつけて回り、国益を損なう重大な結果を招いておきながら、なぜかくも長期にわたり訂正がなかったのか、詳しい経緯が何も説明されていません。会見を見て、木村社長の参考人招致の必要性が一層高まったと考えます」

 と語るのは、慰安婦報道問題に取り組んできた「次世代の党」の山田宏幹事長。民主党代議士で『慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会』事務局長の鷲尾英一郎氏もこう話す。

「誤報の責任の所在はどこにあるのか、真摯な謝罪や説明は見受けられない。自社でそれが出来ないのなら、国会に呼ぶしかない。『報道の自由』を損なうと反対する向きもありますが、そもそも池上さん問題で朝日自体が『表現の自由』を侵した。その彼らが『報道の自由』で守られ、国会で糺(ただ)せないとは不思議な理屈です」

 しかも、過去に、報道機関の人間が参考人招致されたケースは複数ある。96年、オウム真理教をめぐる坂本弁護士ビデオ問題でTBSの社長が呼ばれた。最近では、慰安婦発言であのNHKの籾井勝人会長も参考人として招致されている。朝日だけが免罪される理由は見当たらない。

■自らには甘すぎる

「9月29日から国会が開かれ、予算委員会も始まりますが、その前に打ち合わせのための理事懇談会がもたれます。そこで木村社長を参考人招致すべきだという協議が行われるでしょう。実現には原則、理事会の全会一致が必要ですが、あくまで話し合いで決められます。まず他の野党も強く反対しないでしょう。野党の提案を受け、あとは自・公の与党がどう吟味するか。自民党も否定的ではないはずです」(山田幹事長)

 現実味を帯びてきた木村社長の国会招致。そもそも朝日が、慰安婦誤報問題で取り消したのは吉田清治証言だけで、元慰安婦の証言を報じた植村隆元記者の記事は間違っていないと嘯(うそぶ)いている。この甘すぎる姿勢が仇となり、国会でトップが糾明される事態を自ら招こうとしているのである。

「特集 十八番の「自虐」はどこへ行った? 『朝日新聞』謝罪が甘い!!!」より
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