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■満映の崩壊を見とどけた巨匠の「血槍富士」

 大ばくち 身ぐるみ脱いで すってんてん――自決する3日前の1945年8月17日、甘粕正彦は理事長室に親しい政府要人を招いた酒宴で、たわむれに、こんな辞世の句を黒板に書きつけていた。

 その場にいあわせた内田吐夢の回顧によると、参会者たちは誰ひとり言葉を発せず、沈黙に耐えかねたように、甘粕はその句を消し去ったという。

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