訃報:辰野登恵子さん64歳=画家、多摩美術大教授

毎日新聞 2014年09月29日 15時00分(最終更新 09月29日 19時11分)

辰野登恵子さん=東京都杉並区で2012年12月、山本晋撮影
辰野登恵子さん=東京都杉並区で2012年12月、山本晋撮影

 豊潤な色彩と抽象的な造形を自在に駆使し、戦後世代を代表する画家の一人として活躍してきた辰野登恵子(たつの・とえこ)さんが29日、転移性肝がんのため東京都内の病院で死去した。64歳。通夜は10月2日午後6時、葬儀は同3日午前11時、東京都中野区本町3の12の9の福寿院西光殿。喪主は弟剛(つよし)さん。

 長野県生まれ。東京芸術大大学院修了。室内の家具やタイル、衣類など、眼前の風景に題材を得ながら意味を超えた抽象絵画や版画に一貫して取り組み、奥行きのある豊かな画面を構築してきた。1995年、45歳の若さで東京国立近代美術館での個展を成功させ、翌年に芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。2012年度、女性洋画家としては初めて毎日芸術賞を受賞した。多摩美術大教授として後進の指導にもあたった。

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