死去した山口淑子さん【拡大】
山口さんの元秘書で千葉県市川市議の寒川一郎氏(78)によると、山口さんは今月初めに体調が急変、7日に弟や妹らに看取られ、自宅で静かに息を引き取った。子供はなく1人暮らしで、ここ2年ほどは外出せず車いす生活を送っていたという。
山口さんは旧満州(現中国東北部)で育ち、1938年に日本人であることを伏せて李香蘭として映画デビュー。歌も「蘇州夜曲」などが大ヒットし、日中両国で絶大な人気を集めた。41年に開いた日本劇場公演は、ファンが日劇を取り巻く騒ぎとなった。
終戦時は日本に協力した中国人として収容されたが、46年に帰国。日本名「山口淑子」に戻って芸能活動に復帰し、黒沢明監督「醜聞(スキャンダル)」などで高い評価を確立し、米国映画やブロードウェーミュージカルに主演するなど国際的にも活動の幅を広げた。
69年4月からフジテレビ系「3時のあなた」の司会を担当。74年に政界へ転身し国際平和問題、特に中東問題に熱心に取り組み、寒川氏によると「パレスチナで大使をやりたい、という気持ちを持っていた」という。