September 29, 2014
27日に発生した御嶽山の噴火で有毒な火山ガスや灰が噴き上がり、登山者30人以上が心肺停止となっている。噴火が必ずしも予知可能ではないことを痛感する事態となった。
日本は3つの地殻プレートが交わる場所にあるため、地震や噴火が発生しやすい。気象庁は現在、御嶽山以外に
6つの火山について警報を発令している。
東京から西に200キロの位置にある御嶽山は、富士山に並んで登山者に人気のある火山として知られ、巡礼地と
しての一面も持つ。
大規模噴火の前兆であるマグマの動きを捉えて警報を発令できる先頃のアイスランドのようなケースもある一
方、今回のように火山灰や煙を伴う水蒸気の噴出となると、必ずしも同様の動きが見られるわけではない。
その結果、土曜日の噴火は何の前触れもなく起こり、紅葉を楽・・・
日本は3つの地殻プレートが交わる場所にあるため、地震や噴火が発生しやすい。気象庁は現在、御嶽山以外に
6つの火山について警報を発令している。
東京から西に200キロの位置にある御嶽山は、富士山に並んで登山者に人気のある火山として知られ、巡礼地と
しての一面も持つ。
大規模噴火の前兆であるマグマの動きを捉えて警報を発令できる先頃のアイスランドのようなケースもある一
方、今回のように火山灰や煙を伴う水蒸気の噴出となると、必ずしも同様の動きが見られるわけではない。
その結果、土曜日の噴火は何の前触れもなく起こり、紅葉を楽しむ登山者たちの頭上に火山灰や岩が降り注い
だ。
御嶽山は標高3067メートルと日本の火山の中で2番目に高く、“成層火山”に分類される。成層火山は1枚の大
陸プレートが別の大陸プレートの下に潜り込む位置に形成され、噴火の間隔が予測できないことで知られる。
緩やかな斜面は頂上付近で急激に勾配を増し、見た目には美しいが死者が出ることもある。
御嶽山の南側には、週末の間に火山灰が3キロメートルにわたって降り積もった。高温の溶岩流が流れ出し、20
万トンの火山灰が斜面を覆った1979年の噴火よりは規模が小さいと見られる。1984年には、地震の後に起きた雪
崩が12キロメートルも流れ下り、15人が死亡している。
◆2種類の噴火
成層火山で特に危険なのは、何の前兆もなく起こる傾向のある“火砕噴火”だ。噴き出た火山灰や岩は、場合
によっては時速700キロという猛烈な速度で火山の側面を流れる。1979年に起きた御嶽山の噴火もこの種類に該当
する。
土曜日の噴火はより小規模な“水蒸気爆発”と呼ばれるもので、水蒸気や火山灰、岩が溶岩を伴わずに噴出す
る現象だ。このような噴火で発生する二酸化炭素や硫化水素を吸うと窒息することがあり、今回もこれによる被
害が出ていると見られる。カルデラ(火山噴火によって形成された窪地)が4つある御嶽山では1979年以降、水蒸
気の噴出が定期的に観測されている。
たいていの水蒸気爆発は大規模な火砕噴火に比べて破壊力が小さいが、かなりの規模になることもある。1883
年にインドネシアのクラカタウで起きた水蒸気爆発は、観測史上最大の音を発したと考えられている。
無人の火山島クラカタウで起きた噴火の音は3200キロ離れたオーストラリアまで届き、噴火による津波で3万人
以上が命を落とした。
Photograph by Kyodo / Reuters