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首相 「年功序列」など見直す方向で
9月29日 18時08分

首相 「年功序列」など見直す方向で
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政府と経済界、労働界の代表による「政労使会議」が再開され、安倍総理大臣は、企業収益を拡大させ、賃金の上昇や雇用の拡大を図ることが重要だとしたうえで、年功序列の賃金体系などを見直す方向で検討を進めたいという考えを示しました。

去年12月以来、およそ9か月ぶりに再開された政府、経済界、労働界の代表による政労使会議には、政府側から、安倍総理大臣や甘利経済再生担当大臣ら、経済界から経団連の榊原会長ら、労働側から連合の古賀会長らが出席しました。
この中で、安倍総理大臣は「賃上げは過去15年で最高水準となり、その動きは力強く広がっている。動き始めた経済の好循環を拡大するためには労働生産性の向上を図り、企業収益を拡大させ、賃金上昇や雇用拡大につなげていくことが重要だ」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「第1に子育て世代の処遇を改善するためにも、年功序列の賃金体系を見直し、労働生産性に見合った賃金体系に移行することが大切だ。第2に、ワーク・ライフ・バランス=仕事と生活の調和を促進することが、女性や高齢者の労働参加のためにも必要だ。第3に、職業訓練や労働移動の円滑化を掲げたい」と述べ、年功序列の賃金体系などを見直す方向で検討を進めたいという考えを示しました。
政府は、月に1度のペースで会議を開き、年末までに働き方の改革などについて合意文書をまとめたいとしています。

連合会長「年功序列解消は乱暴」

連合の古賀会長は記者団に対し、「今の賃金体系は、当初から年功序列にしようとしたのではなく、処遇を巡る労使の議論の積み重ねによるものだ。年功序列だけ見て解消すべきというのは乱暴だ。業種ごとに労使がきちんと話をしていけばいい」と述べました。
そのうえで、古賀氏は「デフレ脱却のカギは個人消費が握っており、賃金を見直すというのであれば、中小企業で働く労働者の賃金の底上げと格差是正が大きなポイントだ」と述べました。

経団連会長「賃上げの環境づくりを」

会議に出席した経団連の榊原会長は記者会見で「昨今の景気の状況を見ると、やや力強さの点で懸念が出始めているので、経済をきちっと回すためにも、いろいろな政策的な対応が必要だ」と述べたうえで、「賃金が上げられるような環境づくりが大事なので、規制緩和や税制の対応など、企業活動が活性化するような仕組みを検討してほしいと会議で申し上げた」と述べました。

日商会頭「中小企業の賃上げ条件設定を」

会議に出席した日本商工会議所の三村会頭は、記者団に対して、「アベノミクスは評価しているが、中小企業の立場から考えると、円安が進んでコストがさらに上がる方向になっていることもあり、その成果がすべての企業まで広がっているとは言えない。このような状況の下でも中小企業が賃金を上げることができるような条件を設定するようお願いした」と述べました。

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