日中フォーラム:「繁栄と安定へ協力を」…東京で開幕

毎日新聞 2014年09月29日 00時47分

 日中間の課題への対応を両国の有識者が議論する「第10回東京−北京フォーラム」が28日、東京都内のホテルで始まった。全体会議で福田康夫元首相は少子高齢化などの両国の共通課題に触れ「アジアが老いていく前に、繁栄と安定を持続的なものにするために緊密に協力すべきだ」と述べ、対立を乗り越えて地域の安定に向けて共に取り組むことの重要性を強調した。10回目の節目で中国側からは蔡名照・国務院新聞弁公室主任(閣僚級)、日本側は岸田文雄外相も出席した。

 フォーラムは、日本の民間団体「言論NPO」と中国英字紙「チャイナ・デーリー」が主催。11月に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日中首脳会談が模索される中、双方から関係改善に前向きな意見も出た。特に9月下旬の日中高級事務レベル海洋協議で、偶発的な軍事衝突を避ける海上連絡メカニズムの構築についての協議再開が決まったことに対して「良いニュースがあった」(趙啓正・元国務院新聞弁公室主任)など肯定的な声が相次いだ。【米村耕一】

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