2014年09月28日

 神田にある書泉グランデが、公式アカウント(ツイッター)で桜井誠氏の新刊『大嫌韓時代』のPR(現在は削除)を投稿したところ、炎上するという事件がおこり、いろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 ツイッター投稿

 何でも、ツイッターでは「隣国が嫌いな方、なぜ嫌われているのか気になる方や、植民地支配、戦勝国気取り、領土問題、反日、それらについて疑問をお持ちの方にオススメです」と記されていたそうです。

 この投稿がツイッター上で炎上し、かなりの批判が寄せられた結果、書泉グランデはこの投稿を削除し、自社のホームページで、「弊社ツイッターアカウントにご意見をいただきました件につきまして」とする謝罪を掲載することとなりました。

 なお、その内容は「新刊書籍のご紹介をさせていただいた内容に、特定の主張を支持するかのような表現がありましたことは、様々な思想を扱う知識の場である一書店として、決してあってはならないことと考え深く反省しております。また、そのような誤解をお客様に与えてしまいましたことにつきましては、決して弊社の意図するところではなかったため、恐縮ながら該当ツイートはすでに削除させていただいております。」となっております。


2 書店

 確かに、書店である以上、「様々な思想を扱う知識の場」であることが理想というのはわからない話ではありません。

 特定の思想だけが排除された結果、どのようなことになるかは歴史が教えてくれている(特定の国家では未だに継続中)のことであり、私もそのようなことは全く期待しておりません。

 ただ、その一方で、今回の事件は「書店」という民間企業で起こった問題であり、民間企業(人)が特定の思想を擁護したとしても何の問題もなく、何故謝罪しなくてはならないのかというのも疑問です。

 確かに下手に特定の思想に特化した書店というイメージがついてしまうのを恐れたという話はあるかもしれませんが、共産党擁護に特化した書店や逆に国粋主義に特化した書店があっても何の問題もありませんし、実際に存在し営業しております。


3 公共性

 これが公立図書館であれば、公共性という観点から特定の思想を流布するのはどうかという話にはなりかと思います。

 また、マスコミであれば、免許の問題などから公共性という話が出てくるかもしれませんが、書店にはそのような制限はありません。

 それに個人商店であれば(古本屋が典型ですが)、どうしても店主の専門という話が出てくるので、置いてある本が偏っていることはよくあります。

 ただ、書店が減少していることを受けて、知識の情報発信の場として、いろいろ手助けを求めたことがあるので、そういうことを行っているのであれば、特定の思想を擁護するのはおかしいという話にはなるかもしれません。


4 PR

 ただ、今回のツイートの内容が特定の思想を擁護する内容かというと私的は少しひっかっております。本のPRですので、その本の立場にたってPRするのは当然のことかと思います。

 もしこれがダメとなれば、逆に左翼系の本でヘイトスピーチを批判する内容をPRとなった場合、それも同じく特定の思想を擁護するという観点からPRはできないことになってしまいます。

 であれば、何か特定の思想を含む本をPRすること自体ができたいという話で、それはそれで大変おかしな事態ではないかと考えます。


5 最後に

 本来公共性というのであれば、こうした揚げ足取り的に1つのツイートを批判するのではなく、こうした本だけを一貫して紹介しているかどうかを検証して行うべきかと考えます。

 つまり、右寄りの本も左寄りの本も書店にPRしてもらというスタンスが、本来こうした批判をする方々にとって有利なはずですが、今回こうした批判を行ったことによって書店がこうしたPRそのものを行うことができなくなる可能性も高く、本末転倒かと思った次第です。

 批判を行えるということはとても大事なことで、それを制限するつもりはありません。ただ、結果として、それが自粛などの行動を促すのであれば、それこそ自由権に対する最大の障害であり、私的には最も唾棄すべき行動であると考えるという話です。



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凜amuro001 at 06:26│コメント(4)トラックバック(0)その他 | その他(その他)

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この記事へのコメント

1. Posted by 高田 亨   2014年09月28日 10:01
これは、難しいですねえ。
私も仕事でよくツイートを書きますが、私ならこういう内容は書かないですかねえ。politically incorrect と思えますから。
小さな書店ならともかく、ある程度以上大きな書店なら社会の見る目も厳しいですし、また正しいかどうかと別に品格という問題もあります。
ただ、ツイートというのは、企業用アカウントであっても気軽に書けるところ、社員の個人的な色を出せるところに魅力があるので、これくらいの内容は会社側も、ユーザ側も許容されるべきだというのも一理あるんですよね。

まあ、ツイッターの怖いところは普段はツイートを見る人が限られていて、ほとんど仲間内の世界になっていても、いったん問題化した場合にパブリックな情報として無限に拡散してしまうところですね。
ネット全般にそういう傾向はありますが、ツイッターはその日常の閉じた度合いから、問題化した時の発散の仕方にわずかなバリアしかないところが特徴的です。
つまり、ツイッターは非常に炎上がおきやすいメディアとも言えます。
(逆に言えば、一度「当たりツイート」を書けば、途方も無い宣伝効果があるのが、マーケティングを行う上でののツイッターの魅力なのですが)
ツイッターを仕事で活用している側の人間として言えば、世の中の人にはもう少しツイートの内容に関して寛大になって欲しいというところですかねえ。
でなければ、流れるツイートが無難なものばかりになってつまらなくなります。
これは別に日本に限った話でもないですね。

2. Posted by 高田 亨   2014年09月29日 09:11
ところで、この「大嫌韓時代」は、今日本でベストセラーなんですね。
だとしたら、ますます難しいですよね。
書店としては、ベストセラーになってる本を紹介しない方がむしろ不自然でしょうし。

担当者の苦悩を想像してしまいます。
3. Posted by たっつん   2014年09月29日 13:46
コメントの内容を見れば、数行だけを読んで記事内に書かれてる事も知らずに反応してるのが本当に多い。

小さなスマホ画面の一回分だけを見て、最初から読んでないのが丸分かりの早とちりがどれだけ多い事か。

暴動もこういった人間を扇動すれば、簡単に起こせるんだと思う。

韓国現大統領の父親の暗殺未遂犯は、日本語しか教えられずに育った17歳の在日少年!

訛りが出ない様に母国語を一切教えられなかった人間は母や父の母国語も知らなかったが、扇動されて偽造パスポートで渡韓、失敗し、早朝に処刑された。
4. Posted by DinoSwift   2014年09月29日 14:17
文章中に排外要素なんて全くないのに「排外主義」というレッテル張りと「差別」の大声には正直うんざりする
これらの声が上がるときは朝鮮人限定の話題じゃないか

自分たちがピンポイントで嫌われているのを指摘されると日本では外国人自体を排除しようとしている風潮があるかのようにすり替える
まともな神経をしているやつらならこれらのすり替えにはウンザリするもんだ
だから一部の人間が「差別ニダ」と声をあげても叩く側を支持する人間のほうが一方的に増える

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