岡田えれなさんというタレントが死亡したというニュースを見たが、正直、誰?それ??って感じだった。
ベースマン鮫島秀樹さんの娘さんかよ。
お若いのに、急性心不全か...。
ご冥福を。
井筒和幸監督の「TO THE FUTURE」「ゲロッパ!」を見た。
連休中は映画をたくさん見ようと決めているので、まずはその第一弾だ。
「TO THE FUTURE」は、いわゆるモンスターペアレンツを題材にした映画で、職場にて、同様の難解かつ理不尽な苦悩、葛藤を、なし崩しに、強制的に日々押し付けられた経験のある自分には、他人事とは思えない映画である。
こういうやつらは必ずいる。
子どもの為という大義名分を臆面もなく振りかざして、やっていることは単なる暴君ネロだ。
要するに子どものためではなく、あくまで「自分のプライド充足」のためだ。
自分の子どもは、当然かわいい。
当然だ。
だが自分の子どもよりも弱者的にある子どもたちを差し置いてまで「特別扱いせよ」と、公然と、暴力的に要求する精神が、自分にはまったく理解できない。
こういう人達の本質を「化け物=モンスター」と表現した人は、まこと賞賛に値すると思う。
もっとキャンペーンを張り、もっと、もっと一般的になって欲しい言葉だ、「モンスターペアレンツ」は。
なお、映画タイトルは自衛隊のポスターから着想を得たらしい。
シニカルで、毒があり、井筒らしいのう(笑)。
ところで、井筒監督作品でまず記憶に残っているのは「ガキ帝国」だ。
これは掛け値なく凄まじかった。
今は封印作品となっているそうだ。
というのも劇中に「ここのハンバーガーは猫の肉、使こてるんやで」という台詞があり、それがロケしたモスバーガーの逆鱗に触れたそうだ。
井筒らしいエピソードだ。
まあそれもあるが内容が凄すぎて教育上良くないということだろう。
この井筒監督は以前、石原慎太郎の監督作品をボロカスにけなしたことがあった。
石原は、タイトルは憶えていないが、要するに戦争を美化する内容のクソ映画を堂々と撮ったことがあり、それが井筒の逆鱗に触れたのだ。
愛国精神にまみれていると思しき有名人たちを巻き込んでの侃々諤々の大騒動に展開していったが、特に窪塚洋介の「映画を観る前から批判するやつはアホ」発言は強烈だった。
ただ、映画も観ていないのに批判したというのは本当だそうで、それはどうかなとも思う。
その後もこの騒動は遺恨を残したそうだが。
あと「みゆき」の撮影依頼を受けた時に、初めて原作の漫画を読んだのだが、そのあまりの内容のなさに漠然としてしまい鬱病になったとか。
大量の抗鬱剤を飲みながらなんとか撮影して完成させたそうだ。
撮影後、症状がいきなり消えたという。
井筒監督の哲学は、聞く人によればただの暴言に聴こえると思う。
奈良弁でまくしたてる様がそういうイメージをいっそう掻きたてるのかも知れないが、例えば、穏やかな標準語の通訳したと仮定すれば、まことに正論だ。
特に在日韓国人に対する哲学とか思想にはただひたすら頷くばかりだ。
今、ここにいる一人の人間としての当然の感覚をしっかりと主張し、その違和感というものを、人種とか境遇なんかを超えた次元で誠実に問いかけること。
人間として、ごく当たり前のことだと自分も思うからだ。
だからしっかりと筋が通っていると自分は思うし、それがまったくぶれないところがまたすごくいいと思う。
本当の意味での「愛国」「国益」とは、実はこういうことから巣立つものではなかろうか。
事実上、誰のものかも良くわかんない、「国益」とかいう非常に正体不明なもんを、とりあえず守ろうじゃないか!というスローガンにまんまと踊らされている人を見る度に、イタいというか、憐れになってくる。
その「国益」って、本当に自分たちまで回ってくると、還元されてくると、こころから信じているのですか、頭、お花畑ですね、とだ。
さて件の窪塚洋介だが、彼は「ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ」「GTO」なんかのドラマで初めて見たときからなんか持っているなという感じで注目していた。
「ロング・ラブレター」での演技も彼でしか出せない個性があったし、「国会議事堂にションベンをかけたい」発言など、多少のリップサービスはあったと思うが、それでも国家に対しての敵愾心を隠そうともせず、正々堂々としており、好きな俳優のひとり、だった。特に「GO」での演技は凄かった。
過去形にしたのは、彼は明らかに映画「凶気の桜」出演後、見る見るうちに変わって行ったからだ。
厳密に言うと、国粋思想への傾倒は、以前から、ややみられていたのだが、役に入り込むうちに、相当深く傾倒してしまったというか。
ナショナリズム賛美を描いたこの作品は、本当に恐ろしい世界観だと思う。
「ネオトウジョー」とかふざけすぎている。
「キングギドラ」のラップも、まったく音楽的なレベルが低すぎて涙が出てくる。
すべてにおいてだ、ふざけすぎていて、気持ちが悪いガラクタだ。
というか、これを観てホンマの右翼な人間ですら噴飯しているのではなかろうか。
自然に「大日本帝国」とか「ナチス党」を連想する人は相当多いと思う。
まったくどういうつもりなんだろうか?
バカヤロウだ。
この映画の是非は後に取り上げるが、今は置いておく。
窪塚はこの後どんどんと、とり止めもなく右傾化してゆく。
染まればかなり極端に、深く、染まってしまう体質なのだろうか。
「麻」のルーツを探るドキュメンタリー出演後の彼も、それまでとは違った一面を見せて行ったし(ラスタ思想・哲学への過度の傾倒)、右にも左にも、あるいは、すべてにおいてそうなのかもしれない。
この後の彼は見るも無残に干され出し、月面タッチジャンプ事件とか、マンションから「ダイブ」して瀕死の重傷を負う事件まで引き起こす。
過度の右傾化が、そのすべての要因とは思わないが、それゆえのトラブルの数々が彼を非常に付き合いにくいヤツとか、扱いづらい人間としてのレッテルを貼ったことは否めない。
「ヘルター・スケルター」なんかでは凄く吹っ切れた感じが見受けられていた。
なんやかんやで歳を取ったしね。
ただ、ファンには申し訳ないが、自分にとっては、窪塚は嫌いな人間であることに変わりはない。