ネットでの人権侵害が急増中とあるが、そんなもの今に始まったことではなかろうに。
2チャンネルなんかは相当だ、以前から。
もうそれこそ差別用語とかのオンパレード。
公衆便所の落書きと同じで、猛烈に吐き気がする。
もうそろそろなんとかピシッとせねばなるまい。
というか、問題を認識するのが超遅せ~んだよ。
1980年12月8日は忘れることが出来ない日である。
ジョンが凶弾に倒れ、世界中が悲しみに打ちひしがれた日である。
ある意味、自分の誕生日よりも重要な意味を持っているのかもしれないとさえ思う。
当時中学生三年生だった僕は受験勉強でいっぱい一杯だった。
翌日クラスでそのことを仲間に告げたが、概ね反応は「よく知らないけど、有名人がひとり殺されたようやね」程度のものでしかなく、なんかガッカリしたものだ。
ジョンレノンについてや、BEATLESについて知っている人も少数だったんだろう。
初めてジョンの「ジョンの魂」を聞いたのは彼の死後だ。
家にアルバムがあった。
オヤジのものだった。
ビートルズはとても聴き心地が良く、すんなりと体と心にしみこんできたのだが、レコードに針を下ろした瞬間に聴こえてきた音は想像を絶する音だった。
オーバーロードしてひび割れた鐘の音が数回打ち鳴らされた後、突然「Mother!」と言うジョンの絶叫が。
彼が生まれる前にいなくなった父と、思春期の最中に目の前で交通事故死した母への思いを一曲目に託した。
"Mama, don't go! Daddy, come home!"
"Mama, don't go! Daddy, come home!"
このアルバムはいったいなんなんだ!?
なんと音が悪く聴き心地が悪い!!
それでいて魂が震えるのがわかる。
なんなのか良くわからないけど、心を捉えて離さない音楽。
その後、幾度となくこのアルバムを聴きながら、どうしようもない喪失感に沈殿していたものである。
その一方で、ポールやジョージはビートルズっぽい音楽を意気揚々と発表していた。
それらは一様に楽しく、美しい。
しかしジョンのこの曲はなんでこんなに楽しくないのか、そして美しくないのか?
理解しかねていた自分もまたいる。
こんな曲はビートルズじゃないと、どこかで激しく拒否反応を示してもいた。
シングルとして発売された「マザー」は全米チャートでは43位(ビルボード)だったが、この曲は単にヒットチャートやセールスで評価できるものではない。
ヒットチャートとは、おそらく、対極の位置に存在している作品だから。
商業的な成功が欲しかったのならば、ジョンとヨーコは間違いなく「ラブ」をシングルカットしていたと思う。
だがしかし、そうしたとしても、それは決してジョンとヨーコの本意ではないと思う。
「マザー」はアメリカでは「狂ってる」という理由で放送禁止になった。
イントロとエンディングはホラー映画のようでもある。
なので、むしろ「43位まで上昇したのは驚くべきこと」だと思う。
現在、商業的な意識を払拭した芸術性の高いアルバムとして、評価は年々高まるばかりだということは、個人的にとても、とても嬉しい。
20過ぎの頃、『ジョンの魂』を再び頻繁に聴くようになったが、そのときにやっと初めて、このアルバムの持っている独特の味を心から感じ取れるようになった。
ジョンの素直で飾り気ないボーカルは、心の内面へとどんどんと突進してくる。
それが妙に心地良いのだ。
これはジョンでしか表現できないボーカルだ。
なぜなら、ジョンの音楽は、ジョンの体の一部なのだから。
ところで、ビートルズが解散ということになり、やはりジョンはどうしようもない喪失感を感じていたと思う。彼は新しい自分の居場所を確立する必要性に迫られていた。
そのためにはまず、ビートルズという亡霊からの逃避が不可欠だ。
彼はこのアルバムで自分という存在をもう一度見つめ直した末に、本当の自分をさらけ出すことに成功したのだ。
もういちど原点に立ち返り、音楽をやり直す作業。
それこそが「ジョンの魂」の製作だったと自分は思う。
そういう私小説のようなアルバム。
それが「ジョンの魂」なのである。
ギター、ピアノ、ベース、ドラムというすごくシンプルな構成は、あからさまにビートルズミュージックへの決別を意味している。
ジョンはあえてそういう手法を選択した。
ポール、ジョージ抜きでのサウンドクリエイト作業の困難さは当人がよく知っている。
さらに、ジョンはポールと違い不器用なミュージシャンだ。
優れた演奏というのはテクニックだけではなく、まずそこにハートがあるのかないのかが大事だと思う。
ハートがあれば、すばらしい輝きを満ち溢れさせた演奏も可能だ。
素人ピアニストのジョンには、奇跡的にもそれができる才能があったということだ。
アルバムを通じて聴こえる心臓の鼓動のような、そして単調でシンプルなドラムは、誰でもないリンゴスターのものだ。
リンゴはいつも通りに、いかにもリンゴらしい脇役に徹しているのだ。
ジョンの追及を見事に体現できるドラマーは、やはりビートルリンゴを置いて、この時点では他にはいなかったと思う。
クラウスのベースは上手くはないが、味があるプレイ。
ほぼアドリブだったという。
シンプルにコードを刻むだけのピアノがジョン。
リバーブがかかったような奥行きあるピアノのハーモニーがなんともいえない。
アルバムのバッキングの基本をなしているのは、実はこのジョンのシンプルで個性的なピアノ演奏といえる。
そうやって創造した、シンプルで複雑なバッキングトラックに乗せて、感情豊かなジョンのボーカルを展開し、ジョンはビ-トルズのジョンへと完全に決別しようとしたのだが、皮肉にも、実際にはそう上手くいかなかったといえる。
ビートルズのジョンは、やはりビートルズのジョンだったのだ。
このアルバムを通して聴くと、極端にシンプルなアレンジや妙にひずんだ、まるでデモテープのような音質が気にかかる。が、これこそがジョンの意図なのである。
アルバムのトータル的なテーマとして、ジョンはそういうところに徹底的にこだわったそうだ。
コンセプト・アルバムとして明確なテーマとサウンドを構築し、その時代の中で確かな創造性を提示した奇跡のアルバム。
その音づくりは、ビートルズ時代とさして変わらない。
やはり、ビートルズの存在が、そこはかとなく感じ取れるのである。
よって『ジョンの魂』には、ビートルズからの独立を目指すジョンと、ビートルズに束縛され続けているジョンとが相対的に存在しており、その両者が絶妙なバランスを保つことにより、このアルバムは成り立っているということができよう。
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