商用 Enterprise CMS(HP Autonomy 、Adobe CQ、etc)って費用対効果を考えると、ドブに金を捨ててないのだろうか?
# ってタイトルで書きだして、このままだと怒られて消されちゃうかなぁ?? って危惧を持ったりしてますが、まぁ、書いちゃいましょう(笑)
# クレームが来て、削除になったら、他所に載せれば良いだろうし(オイオイ)
========================= 9/8 21:30追記===
と言うことで、以下のような指摘が来ましたので、修正させて頂きます。
(1) 項は正式名称としてのミスなので訂正に合意。
日本市場においては「中規模向けで該当しない」と言う可能性からタイトルから製品名は削除。
(2) 項については、競合となる HP や Adobe との製品群とも価格帯に差があり、低価格路線であると言うのであれば、その通りかもしれません。中規模向けで、HP や Adobe と競合しないのであれば理解できます。
が、私が書いてるのは「エントリー構成の価格」、10ユーザ利用での価格を示しているのではなく、「採用した場合に1企業当たりでの初期導入価格の合計」ですので、訂正の対象なのかは疑問はあります。採用検討されている企業は、見積もりしたほうが良いでしょうね、HPやAdobe よりも安い設定だとしても、積み上げた金額は確認が必要です。あとは、必須とされる年間保守の金額にも、オラクル社の場合には要注意ですね。
(3) 項については、言語数の制限がないのは商用製品として、現実にどの程度の言語数がサポート対象なのかは不明です。日本での商用CMSを採用した顧客で、10言語以上の顧客はほぼ無いと言うのを聞いていますので、商用製品は OSS の Drupal などよりも対応が弱いとの認識でいます。
いや、オラクル製品では国内事例がありますとか、100カ国以上の言語対応はできます、と言うのならカタログなどでの明記を推奨したいですね。
しかし、今回の指摘は Oracle製品よりも、HP製品が主体だったので、そちらからも間違いなどの指摘があれば、お待ちします。
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【日本オラクル社の広報からの指摘内容】
(1)製品名
Oracle WebCenter→Oracle WebCenter Sites:CMS製品は"Sites"が付きます
(2)「初期ライセンス費用が最低5千万円以上」
WebCenter Sitesの場合、使用ユーザー数(NUP)
また弊社では、初期ライセンスの平均を取っても5,
(3)多言語対応:「商用製品の場合には、
WebCenter Sitesの場合、そのような制限はありません。
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今の日本の求められている状況として、企業の外向け Webサイトでも、多言語対応、大規模対応、セキュリティ強化が、必須だと捉えています。また、内部サイト、ERP や業務システムの DBMS との連携も当たり前ですよね。
そして、2005年ぐらいから、大規模向けWebサイト向けとして、Enterprise CMS が商用製品でも幾つか提供されてきています。初期の頃だと、総ページ数が1千ページ以上(今だと3千ページ以上とか、5千ページ以上かも?)で、アクセス頻度が高い(閲覧が多い、同時接続が多い)サイトや、多言語対応が必須と言うことで採用された事例があるのを幾つか公開されてますよね。
だいたい、初期のライセンス費用が、最低でも5千万円以上で、だいたい億円単位でのライセンス費用で構築される。さらに、年間保守費用として、ライセンス費用の2割ぐらいを払うことになっているのが相場だと捉えてます。
これって結構な金食い虫ですよね。
例えば、3億円の初期ライセンスで構築したとして、毎年保守料が6千万円発生していると言うことになります。
サイトの規模にも寄りますが、総ページ数が数十万件でも、今では OSS で対応可能なのが現実なんじゃないかと、調べてみました。Drupal も、元々が OSS CMS として認識されてるので、比較されやすいですからね。
多言語対応、多国籍対応と言う面では、日本語対応しかない国内製品は論外ですので、
・HP autonomy Team Site
http://www.autonomy.co.jp/japan/products/teamsite
・Adobe CQ
などが該当しています。それらと比較してみましょう♪
国内製品が論外なのは、東京オリンピックや在留外国人が増えているのに、多言語対応が弱い、日本語対応だけとかでは、ダメダメだからです。
選定基準として、以下のサイトの記事を参考にしました、EnterpriseCMS として、3千ページ以上を管理する商用CMSを比較していますね。
CMS比較選定に役立つ 大規模サイトが選択肢に入れるべき代表的な7つのCMS製品(2013年度版)
http://dmj.underworks.co.jp/2013/05/25/content-management-system/
比較する点として絞ると、
・大規模対応
・多言語対応
・海外地域サポート
と考え、それぞれをさらに掘り下げて考えてみます。
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1. 大規模対応、規模での比較
内部はわかりませんので、外部に出ている総Page数をカウントして比較してみます。
Google であれば、site: を付けて、調べたいサイトの URL を入れると総Page数が出てきますね。
Drupal での事例として著名なサイトを見てみると、
・米国ホワイトハウス
site:http://www.whitehouse.gov/ --> 約 96,500 件 (0.28 秒)
・NASA アメリカ航空宇宙局
site:http://www.nasa.gov/ --> 約 263,000 件 (0.35 秒)
・インプレス社 Think IT 、日本の出版メディア
site:http://thinkit.co.jp/ --> 約 27,100 件
が、 Drupal で稼働している実績があります(2014年9月7日現在時点)
外部Webサイトがどう構築されているのか?については、ブラウザのアドインツールで、確認することが可能です(Webサイト側が隠蔽してると見えない場合もあります)。以下の情報が参考になります。私は Wappalyzer と Drupal Version Check を入れて利用しています。
------- Chrome用です--
Wappalyzerはそのサイトで利用されているWebアプリケーションを解析
https://chrome.google.com/webstore/detail/wappalyzer/gppongmhjkpfnbhagpmjfkannfbllamg
Appspector(Chrome snifferの後継アドオン)
https://chrome.google.com/webstore/detail/appspector/homgcnaoacgigpkkljjjekpignblkeae
Drupal Version Check
https://chrome.google.com/webstore/detail/drupal-version-check/cfgkoondhklepebjanihdiedjmibieii
他のウェブサイト分析をする際にオススメのChrome拡張機能8選
http://www.hivelocity.co.jp/blog/30422
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では、高額と推測される商用 EnterpriseCMSの国内事例のサイトを同様に見てみましょう。
まず、HP Autonomy の事例を調べてみます。裏情報で採用してる企業も知ってます(苦笑)が、ここは公式に表明されている所を見繕って行きましょう。
Autonomy 社が HP社に買収されて今後の方針、と言う記事が見つかりました。
HPでのマーケ推進へ――ヒューレット・パッカードへの統合と今後の方針を伝えたオートノミーユーザー会レポート 2013.07.12.
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2013/07/12/15633
私が知ってる頃って、インターウォーブン社だったんですよね、その後に、オートノミー社に買収されて、さらにHP社に買収された。
---- 記事から引用 ---
日本では2000年8月から「インターウォーブン・ジャパン」として活動している同社は、本社の買収によって2009年にオートノミーとなった。そして2011年にヒューレット・パッカード(HP)に買収され、これまでHPへの統合を進めていた。
---- 引用終了 ---
ここで出てくる国内ユーザー企業としては、
・キヤノンマーケティングジャパン
・三菱電機
・花王
・サッポロビール
ですね。これらの企業の総ページ数を同様に調べてみましょう。念の為に、日本語サイトと、海外向け(全世界向け)のサイトを確認します。
サイト内の公開されたURL件数を Google で調べた情報です。
・キヤノンマーケティングジャパン
site:http://canon.jp/ --> 約 130,000 件 (0.27 秒)
site:http://canon.com/ --> 約 145,000 件 (0.26 秒)
・三菱電機
site:http://www.mitsubishielectric.co.jp/ --> 約 557,000 件 (0.24 秒)
site:http://www.mitsubishielectric.com/ --> 約 16,100 件 (0.15 秒)
・花王
site:http://www.kao.com/jp/ --> 約 7,760 件 (0.27 秒)
site:http://www.kao.com/ --> 約 12,600 件 (0.28 秒)
site:http://www.kaobrands.com/ --> 約 61 件 (0.15 秒)
site:http://chemical.kao.com/ --> 約 12,800 件 (0.23 秒)
・サッポロビール
site:http://www.sapporobeer.jp/ --> 約 54,100 件 (0.31 秒)
site:http://sapporobeer.com/ ---> 9 件 (0.21 秒)
Drupalで NASA が26万ページ、米国ホワイトハウスが9万6千ページ、国内でもインプレス社 Think IT が2万7千ページのサイトが稼働しているのを考えると、総ページ数だけでの非常に単純な判断ですが、三菱電機のサイト以外は、すべて Drupal で稼働できる可能性が高いでしょう。
アクセス数などがどうなのかも関係しますが、米国ホワイトハウスよりも、見られてる量が多い企業サイトってどのぐらい存在するでしょうか?
また、セキュリティ面についても、ホワイトハウスや NASA よりも上と言う企業サイトが多いのでしょうか?
ここにある事例となっているユーザー企業が、どの程度の金額で導入しているのかは不明ですが、一般的な相場では、ライセンス費用が億円単位であり、年間保守費用が、数千万円から億円単位だと推測されます。
採用時点では、商用EnterpriseCMS しか選択肢がなかったのかもしれませんね。
しかし、今の時点では、Drupal などの EnterpriseCMS よりも、費用対効果が良いとは思えませんので、多くの商用 EnterpriseCMS のユーザー企業は早急に、見なおしたほうが良いでしょうね。
他の商用 EnterpriseCMS のユーザー事例についても、また調べて記事にします。
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2. 多言語対応
多言語対応と言う面では、現状の Drupal Version 7 でも100カ国以上の言語ファイルで対応できています。商用製品の場合には、5言語から10言語ぐらいで、Drupal の足元にも及びません。今年後半に出てくる予定の Drupal 8 では、さらに多言語対応が強化される方向性ですので、ますます、高額な商用製品が負けて行くことになりそうです。
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3.多国籍対応、海外地域サポート
この点についても、Drupal は全世界で100万人を越える技術者が関わっている(drupal.org から)状況にあります(開発者は30万人)し、Open Source Software でもあるので、各国各地域でサポートを提供する企業が存在します。
商用製品では、中身がわかりませんので、多言語対応した上で、さらに支社や代理店が無い限り、海外地域のサポートができませんよね。
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上記を情報からは、Drupal などの主流となっている OSS を採用して、多言語対応、海外向け対応を考えるのは、費用対効果で有利と言うのが結論です。
上記以外の要因があれば、知りたいところですね。
で、しつこいですが(笑)、
9月9日に「Drupal ビジネスコンソーシアム 説明会」を開催します。10月上旬にも第2回を調整していますが、可能であれば、今回に御参加下さい。あと、残り枠は9名です。
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ミドルソフトウェアや OSS についてのBtoBマーケティングにおいて外資企業、国産大手企業、ベンチャー企業と様々な環境での経験が豊富な『闘うマーケッター』。