最近寝る前とかに、ことに思うのだが、来年あたり地元に帰ろうかなと。
地元で商売でもするかなと。
時が来ている気がしてやまない。
そう考えたら急激に今いる場所への興味が薄れてきた。
この流れは、よっぽどのことがない限りもう止められそうもない気がする。
何事も短絡的で、いつもこの調子である(笑)。
それが自分の個性なのかもなぁ。
「高校野球特別規則・17」というものがある。
どういうものかというと
「バントとはバットをスイングしないで内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球である。自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルするような、いわゆるカット打法は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある」
というもの。
ベースに覆いかぶさるように構える、花巻東(岩手)の身長156センチの千葉翔太外野手(3年)は、この規則に抵触するとして、準決勝前日に高野連から厳重注意を受けた。
事前に注意を受けた千葉は、この試合で、一切、カット打法を使わなかった。
高野連は、カット打法自体を禁止しているわけではないが、おそらく監督と相談の上で自粛したのだろう。
まるでドカベンの殿馬を実写したような千葉は、これが尾を引いたのか、決勝進出をかけた延岡学園(宮崎)との大一番で全く自分のバッティングができず4打数無安打に終わってしまい、チームも敗退してしまったのである。
千葉一人が敗戦要因の全てではないであろうが、結果的にダントツの出塁率を誇っていた千葉が封印され、花巻東の得点パターンが見事に崩された事実は、敗戦の大きな要因と考えて差し支えないであろう。
「ファウルしてカットする自分の役割ができなかった。いつも通りの野球ができなかった」と千葉は涙が止まらなかったが、確かにバントと見なされて仕方がないカットもあっただろう。
だが、どれが認められるカットで、どれが違反のカットかの明確な基準がない以上、審判の判断に任せるしかないのが現状である。
準決勝を前にして禁止と判断されれば、三年間地道にコツコツと磨き上げてきた自分の個性を押し殺してでも、従わなければいけなかった..のである。
心情を察すれば胸が痛くなる。
プロでも高等技術とされるこの“ファウル打ち”の技術は、2ストライクまではバントの構えでゆさぶり、追い込まれてからはバスターのような構えに変えてカットするもの。
2回戦の彦根東(滋賀)戦では、第2打席で13球粘って四球を選ぶなど、5打席通算で計34球。
準々決勝の鳴門(徳島)戦では5打席で計41球を相手投手に投げさせるなど、「カット打法」で観客の心を掴んだ。
相手投手が投じた163球のうち41球を1人で稼いだのである。
準決勝進出の立役者といえよう。
これは花巻東の伝統だそうで、菊池雄星(西武)を擁してベスト4に進出した2009年夏にも、身長155センチの2番左打者・佐藤涼平が、徹底したファウル打ちをみせて甲子園を沸かせたのは記憶に新しい。
ボールをできるだけ手元までひきつけて、顔はホーム方向に戻しながらバットを出す。真横に向かって打つイメージだ。
その佐藤の活躍をテレビで見て刺激を受けた千葉は花巻東に進学し、憧れの先輩と同じ「2番・センター」のポジションを掴んだのだ。
カット打法は、上背に恵まれない彼の取得した個性であり、武器なのだと思う。
個性の芽を摘むことになりはしないのだろうか?
彼がこの先、こんなことにめげずに野球を続けてくれることを強く祈らんばかりである。
さて、カット打法云々がどうというよりも、花巻東側に通達した時期が、そもそもおかしいのではないのかという指摘は、全くその通りだと思う。
花巻東は準決勝までに、彦根東、済美、鳴門と戦ってきて、その間、千葉はカット打法で「打率.700」と大活躍した。
準決勝直前に「その打法は禁止ですよ」というのは今さらではなかろうか。
甲子園初戦が終わった時点、もしくは岩手県予選の段階で指摘すべきではなかったか。
もしくは、大会終了後に「今後はしっかりと適用したい」とすればよかったのではないのだろうか。
そもそも花巻東の監督はこの特別規則を知っていたのか?
規則の存在を知っているなら、それに準じた指導をすべきではなかったのか??
非常に後味の悪い結末となったことは否めない。