2014年09月28日

ホンダのハイブリッドF1マシン開発 1

How Honda developed a hybrid F1 car: Introduction

ホンダ・ロゴ: POWERED by HONDA

はじめに

ハイブリッド・マシンを最初に開発したF1チームは1998年、ほぼ秘密にされていたKERSを搭載したマクラーレンだった。この技術はすぐに禁止され、2009年になって承認された。大半のチームがこの技術を適切に機能させることに苦労し、実際にシステムを搭載してレースに出走したチームは少なく、ハイブリッド・システムの再導入は大成功とは言えなかった。

しかし、2009年にマシンをつくっていれば、ハイブリッド・システムを搭載していただろうチームがある。それはホンダだった。日の目を見なかったRA109は、非常に革新的な電池-電動ハイブリッド・システムを搭載するよう最初から設計されていた。このシステムは2008年4月、直線テストで初めて使用され、同年5月シルバーストンで、マクラーレンから10年ぶりにハイブリッド・システムをトラックでテストした最初のチームとなった。

2009年規約は、KERS駆動はリアホイールに限定され、その出力は60kW以下、そして1周あたり使われるエネルギーは400kJ以下と規定されていた。ホンダは2007年夏以降この分野の研究開発を実施しており、モータードライブ・インバーター・ユニットと電圧調節システムに統合された高速、高出力、直接油冷モーター、水冷出力調整装置(PCU)、および高出力密度のリチウムイオン電池を開発したが、F1向けにすべて小型・軽量のものを選んだ。

システム全体のパフォーマンスは規約によって規定されていたので、ホンダの開発は、装置をできるだけ小型・軽量化することに集中した。開発は2007年夏に本格的に始まり、ちょうど9ヶ月後、プロトタイプ・マシンRA1082(システムの機能をチェックするために作られた車両)を使ってトラック・テストが行われた。その後技術はRA1089(レース・プロトタイプ)に移転され、2009年にはRA109K(レース車両)に搭載される予定だった。RA109Kのモノコックが製造され、少なくともシステムの一部が搭載された状態でクラッシュ・テストが実施された。

クランフィールドでクラッシュ・テストを受けるホンダRA109K
クランフィールドでクラッシュ・テストを受けるホンダRA109K。このシャシーはブラウンGPには渡されなかったと考えられる。

-Source: Racecar Engineering

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markzu at 23:57│Comments(0)ホンダ | F1特集

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