御嶽山噴火:「水蒸気噴火」予知連見解…低温の火砕流発生

毎日新聞 2014年09月28日 21時31分(最終更新 09月28日 23時50分)

噴煙を上げる御嶽山=2014年9月27日午後3時15分、本社ヘリから梅田麻衣子撮影
噴煙を上げる御嶽山=2014年9月27日午後3時15分、本社ヘリから梅田麻衣子撮影

 御嶽山の噴火を受け、気象庁の諮問機関で学識者らで構成する火山噴火予知連絡会は28日、臨時の拡大幹事会を開いた。火山灰に新鮮なマグマ由来の物質が含まれていないことなどから、「水蒸気噴火(爆発)」とする見解をまとめた。また、噴火に伴い火砕流が南西方向に3キロ流れ下ったことや、噴煙の高さが約7000メートルに達したことなどが確認された。藤井敏嗣会長(東京大名誉教授)は記者会見で「総噴出物は100万トン程度で、小規模噴火の分類に入る」と述べた。

 水蒸気噴火はマグマが火口まで達さず、地下水が加熱されることによって引き起こされる。現在も火山性地震が多く火山活動が高まった状態で推移しているため、予知連は「今後も同程度の噴火が発生し、火砕流を伴う可能性がある」と警戒を呼びかけた。ただし、地下のマグマの上昇によって起こる地殻変動が観測されていないことから「(現時点で)大規模噴火につながる兆候は認められない」との見解を示した。

 また、火砕流によって樹木が焦げた痕跡は確認できなかったという。藤井会長は「噴出物が重力によって斜面を流下する現象が火砕流であり、低温のものもある」と話した。火砕流が被害を拡大したかどうかは現状では不明とした。【渡辺諒】

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