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【社会】

4人死亡 27人心肺停止 御嶽山 山頂付近で発見

2014年9月29日 07時02分

山頂付近で捜索活動する自衛隊員や消防隊員ら=28日午前11時53分、長野・岐阜県境の御嶽山で、本社ヘリ「おおづる」から(畦地巧輝撮影)

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 長野、岐阜県境の御嶽山(おんたけさん)(三、〇六七メートル)の噴火で、両県警や自衛隊などの救助隊は二十八日、山頂付近で心肺停止になっている登山者ら三十一人を発見した。うち男性四人をふもとに搬送し、死亡を確認した。火山ガスの濃度が高まったため、午後に捜索活動を中断。残る二十七人の搬送は、二十九日の天候やガスの状況によって判断する。負傷者は長野側で三十人、岐阜側で十人の計四十人に上った。

 長野県警が搬送した四人は浅井佑介さん(23)=名古屋市中村区、三浦勇さん(45)=岐阜市、会社員林卓司さん(54)=長野県塩尻市、無職横田和正さん(61)=長野県松本市=と判明した。

 長野県によると、心肺停止を確認した三十一人のうち、最も多い二十二人を山頂にある御嶽神社奥社付近で発見。山小屋内にも心肺停止の人がいた。周辺は灰が五十センチほど積もり、野外で見つかった人は火山灰に埋もれた状態だった。

 救助隊はこの日午前六時四十分ごろから、五百三十人態勢で長野県側の王滝口と黒沢口の登山道から入山。火山ガスの危険性があるため、検知器を持った自衛隊化学防護隊を先頭に山頂に向かった。心肺停止した登山者三十一人を確認したものの、午後二時ごろに濃度が高まり、活動を中断。今後、安否不明者の氏名を公開して情報提供も呼び掛ける。

 一方、岐阜県側では、下呂市にある九合目の山小屋「五の池小屋」に子ども二人を含む登山者二十六人が避難していたが、二十八日午前に全員が下山した。うち十人が重軽傷を負い、左鎖骨を骨折した女性がヘリコプターで救助された。男性会社員が左腕を骨折したほか、子ども一人を含む八人が打撲ややけどの軽傷を負った。

 両県の救助隊は、登山道と山頂周辺でほかに生存者がいないことを確認し、全員が下山したとみられる。ただ、入山届を出しているのに連絡がつかない人もおり、被災者が増える可能性もある。政府は同日、災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置した。

 気象庁は噴火を二十七日午前十一時五十三分ごろとしていたが、地殻変動を詳しく調べた結果、一分早めた。

(東京新聞)

 

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