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事件
【御嶽山噴火】「山の怖さ思い知った」 救助の山小屋スタッフ
2014.9.28 20:38
[自然災害]
「山の怖さを思い知った」。9合目にある山小屋「覚明堂」のスタッフ、田中明典さん(64)は救出された後、そう本音を漏らした。
御嶽山の頂上付近では28日早朝から、自衛隊のヘリが何度も行き交い、取り残された登山者らを1人ずつ引き上げた。田中さんもヘリで救助され、長野県松本市の自衛隊松本駐屯地に降り立った。「大きな不安はなかったが、地上に着いたときはホッとした」と笑みを浮かべた。
噴火直前、軽い揺れを感じた。そして「ドーン」という音とともに、噴煙で辺りは真っ暗に。覚明堂には山頂を目指していた50人以上の登山者が押し寄せた。頭や腕などに傷を負った人は10人以上おり、登山者の身を守ろうと懸命に誘導した。覚明堂に入れない人には「早く近くの山小屋に入れ!」と声を張り上げた。
覚明堂から山頂までは700メートルほどしか離れていなかった。噴火の影響で砂利が降り、周辺には多いところで20センチの火山灰が積もっていた。「灰の中に埋もれている人がいる」。避難者がそう話すのを聞き、ただ事ではないと思った。
登山者は一様に不安そうな様子だった。夫とはぐれたという主婦には、「きっと会えるから元気を出して」と声を掛けたという。
噴火が少し落ち着くと、「命を守ることが一番大切」との思いから、登山者に下山を促し、午後4時ごろには全員が下山した。田中さんらスタッフ4人は現場で一夜を明かしたが、「気心の知れた仲間で大きな不安はなかった」という。
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