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 御嶽山が噴火した27日、雪の調査で朝から登っていた信州大山岳科学研究所の朝日克彦助教(自然地理学)が、噴煙が高速で斜面を駆け下りる様子や、灰にまみれたライチョウなどを撮影した。

 朝日助教は、山頂の剣ケ峰の北約750メートルの摩利支天山にいたとき、噴火に気付いた。「落石の音がするなと思って振り返ると、高速で煙が上昇していた。音は全くしなかったので、驚いた」。

 噴火後、徐々に火山灰がパラパラ降り出し、午後零時20分ごろから急激に暗くなった。視界が遮られ夜のようになったので、ヘッドライトを点灯。呼吸のしづらさや目の痛みはなかったという。

 近くの小屋で噴火の様子を観察した後、12時50分ごろから下山を開始。13時ごろには降灰は弱まり、少しずつ明るくなってきた。

 情報がまったくなかったが周りの登山者はみな冷静で、小屋に移動したり下山を始めたりしたという。

 午後2時半、無事に下山した。「調査でヒマラヤをはじめ、世界各地の山を歩いてきたが、火山の噴火と遭遇したのは初めて。本当にびっくりしました」と話した。(小林舞子)