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できごと
【河村直哉の国論】社長謝罪の形で慰安婦誤報を隠した朝日新聞 「広義の強制性」スタンス変えず
原発の誤報と慰安婦の誤報は、いずれも日本人の名誉を大きく傷つけている。だが故吉田清治氏の話を最初に取り上げてから32年、国際社会に積み重なった「性奴隷」といった誤解は途方もなく大きい。朝日は誤報を取り消すだけでなく、誤報によって国際社会に広まってしまった誤解を正す発信をすべきなのである。
だが会見の記録や紙面でのおわびの文を読んでも、この点は心許ない。編集担当の職を解くとされた杉浦信之取締役も会見に同席し、慰安婦には「自らの意思に反した形で軍の兵士に性の相手をさせられるという行為自体に、広い意味での強制性があった」と述べている。
「広義の強制性」に議論を持っていくスタンスは変わらないのだ。これで国際社会の誤解が解けるだろうか。筆者にはそうは思われない。
国際社会の誤解を正せるか
例えば最近、クマラスワミ氏が日本のメディアに登場した。慰安婦を「性奴隷」とし、日本に謝罪や賠償を勧告する1996(平成8)の国連報告書を作成した、あのクマラスワミ氏である。朝日が故吉田清治氏の記事を取り消したのを受けて共同通信がインタビューした。
クマラスワミ報告は吉田証言を引用し、吉田氏が1000人もの女性を慰安婦として連行した奴隷狩りに加わっていた、としている。しかしインタビューに答えたク氏は、「(報告書の内容について)修正は必要ない」「(吉田証言は)証拠の一つにすぎない」といってのけた。
報告は吉田証言だけでなく元慰安婦への聞き取りをもとにしている、とク氏主張しているのだが、その聞き取りも信頼性に乏しいこと、報告自体が極めていい加減なものであることが専門家から指摘されている。
それでもク氏は修正しないというのだ。ここまで強固に、「強制連行」という誤解は国際社会に浸透しているのである。ク氏はそれに汚染されているといってもよい。
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