山口淑子さん、心不全で死去　女優「李香蘭」として活躍

死去した山口淑子さん【拡大】

　山口　淑子さん（やまぐち・よしこ＝女優、元参院議員、本名大鷹淑子＝おおたか・よしこ）７日午前１０時４２分、心不全のため東京都千代田区一番町２０の１０の５０７の自宅で死去、９４歳。中国生まれ。告別式は親族で執り行った。

　旧満州（現中国東北部）で育ち、３８年に日本人であることを伏せて「李香蘭」の名で映画デビュー。「支那の夜」などに主演、自ら歌った主題歌「蘇州夜曲」が大ヒットするなど、日中両国で絶大な人気を集めた。

　帰国後は山口淑子の名で女優、歌手として活躍。池部良さんと共演した映画「暁の脱走」、黒沢明監督の「醜聞（スキャンダル）」のほか、米国映画にも主演作がある。

　ワイドショーのキャスターを経て、７４年から参院議員を３期務め、国際平和や従軍慰安婦問題などに取り組んだ。

　８７年の自伝「李香蘭　私の半生」がベストセラーに。劇団四季のミュージカルになるなど、波乱の人生が注目された。（共同）

女優・司葉子の話「私が東宝に入った当時、山口淑子さんは近寄りがたいほどの大スターでした。でも撮影所のメーク室でお会いすると、とても優しく、縁談をくださったこともあります。私の主人（相沢英之・元衆院議員）の選挙応援に遠くまで来てくださるなど人情深い方でした。最近は体調が良くないと聞いていましたが、主人と食事をという話もあったので訃報に驚いています。満州でのご苦労も含め、幅の広い人生をまっとうされたのだと思います」