真実を語る

一念三千は抜苦与楽なり

薬王品六箇の大事
だい2　じゅうゆのこと
第二十喩の事

おんぎくでんにいわく　じゅうゆとは　じっかいなり
御義口伝に云く十喩とは十界なり、

このやまのしたに　じごくかいを　ふくめり
此の山の下に地獄界を含めり、

せんるごうが　がきちくしょうを　せつせり
川流江河餓鬼畜生を摂せり・

にちげつのもとに　しゅらをおさめたり
日月の下に修羅を収めたり

たいしゃく　ぼんてんは　てんかいなり
帝釈梵天は天界なり・

ぼんぷにんとは　にんげんなり
凡夫人とは人間なり、

しょうもんとは　しこうしかの　あらかんなり
声聞とは四向四果の阿羅漢なり・

えんがくとは　しゃくしぶつちゅうと　とかれたり
縁覚とは辟支仏中と説かれたり、

ぼさつは　ぼさついだいいちと　いえり
菩薩は菩薩為第一と云えり

ぶっかいは　にょぶついしょほうおうと　みえたり
仏界は如仏為諸法王と見えたり、

この　じっかいを　じゅうゆとあげて　きょうそうをふんべつして
此の十界を十喩と挙げて教相を分別して

さて　みょうほうれんげきょうの　おいちぶつじょうより
さて妙法蓮華経の於一仏乗より

ふんべつせつさんするとき　かくのごときあげたり　
分別説三する時此くの如く挙げたり、

よって　いちねんさんぜんの　ほうもんなり
仍つて一念三千の法門なり

いちねんさんぜんは　ばっくよらくなり
一念三千は抜苦与楽なり。

「いま、われわれは、大御本尊を、即日蓮大聖人を拝し、仏弟子として甚深の慈悲を蒙っているのだ、と確信し、感謝を忘れてはならない。
そして、いまだ正法を知らぬ人々に対し、この御本尊の功徳を教えてあげることが、私たちの慈悲の行為となっているのである。
橋を造ったり、学校に寄付したり、人に親切にすることは、もちろん、善ではあるが、これは、一時的な社会の善に過ぎない。これを小善というのである。
また、これらは本来、政治で解決すべき問題でもある。慈悲は大善である。
大善は、根本的に、しかも永久に、最も多くの人の幸福のためにする行為である。
したがって、われわれの折伏活動こそ、大善の中の極大善であることを、強く強く確信すべきである。
　現在、社会に最も必要なことは、この慈悲ということである。
日蓮大聖人の大慈悲につつまれながら、大生命哲学を学び、生活の源泉としていく以外に、真に安心立命の人生はない。
また、社会も、おたがいの慈悲がなければ、まるで闇のようになり、三悪道から抜けることは、永久にできないでであろう。」
（赤鬼さんのブログより）


「抜苦与楽の力があるのは　事の一念三千たる南無妙法蓮華経のご本尊である。
地獄・餓鬼・畜生・修羅の四悪趣は毒であり、そこに沈没する人生は苦である。
天界以上の声聞・縁覚・菩薩・仏は薬であり楽である。
一念三千であって初めて、一人の生命にこれらが本質的にそなわっているのであり、ゆえに変毒為薬、抜苦与楽することが可能となる。
その究極の当体は事の一念三千のご本尊であり、地獄・餓鬼・畜生・修羅の生命は、ことごとく、妙法の光明に照らされて、抜苦与楽となる。
抜苦与楽とは慈悲であり、それは　絶対的概念である。
いかなる境涯の、いかなる境涯をになった人をも、絶対に救いきるのである。
真実に、人を救い、幸福を与えきっていく力は、妙法の一念三千に裏づけられた、慈悲以外にないことを知るべきである。」

（池田先生の御義口伝講義　下より抜粋）

苦悩にうちひしがれているとき、心はふさぎがちで、下を向き、希望にあふれている人のように上を向くことが辛くなる。
でも　そこからが　勝負だ。
前を向き、希望を自らつくり、一歩一歩　歩き出さなくてはならない。
辛い時は辛いって　言っていいんだよ。
みんなで　お題目を送るから。
そして、前を向けるようになったら、今度は、苦悩にうちひしがれている人に、お題目を送ってあげよう。
最高の慈悲は　祈ること。
そういう善の連帯を　築いていきたいと　私は思う。