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自己啓発書が役に立たない理由を原理的に考えてみる

自己啓発書を系嫌いするような主張をしている人をよく見かけることがありますが、それを具体的な理由で批判しているのを見かけることはあまりありません。
なんとなく胡散臭いというのは誰しも直観的に感じるであろうものの、自己啓発書の何がダメなのかもっと原理的に考えてみたいと思います。


自己啓発書が役に立たない理由は大きく分けて2つあります。

1つは自己啓発書のやっていることが「成功の定義」からして矛盾しているというものです。

自己啓発書を手に取る人は現状に不満などがあり、いわゆる「成功」したいと思っているから手に取るわけです。
では「成功」とはなんでしょうか。

人によって答えは様々でしょうが、1つに成功とは希少財によって成り立っているということが言えるでしょう。

我々が成功者を成功者だと認めるのはそれが希少だからです。
例えば、スティーブ・ジョブズが成功者なのは、スティーブ・ジョブズのような人が他にはいないからです。だから皆、スティーブ・ジョブズのことを成功者と呼ぶのです。
では仮に、この世の全ての人間がスティーブ・ジョブズのような成功をおさめたらどうでしょうか。
おそらく誰もスティーブ・ジョブズのことを成功者とは呼ばなくなるでしょう。

スティーブ・ジョブズ」を「松下幸之助」「孫正義」に変えても同じことです。

つまり、定義上、成功とは希少であるが故に成功とされているのです。

自己啓発書とは、成功者の考え方やノウハウを一般に普及しようというものです。
自己啓発書はここに大きな矛盾を孕んでいます。仮にその自己啓発書に書かれているノウハウに再現性があり全ての人が実践して、全ての人が成功することができるのであれば、希少財によって成り立つという定義上、その成功は成功ではなくなるのです。
つまり自己啓発書は存在自体が自己矛盾しているわけです。


自己啓発書が役に立たないもう1つの理由は「大きな成功」とは「投機」によってもたらさられるものだからです。

投機とは簡単にいうとギャンブルです。サラリーマンをやっているとよくわかりますが、地道に働いていたのでは大きく稼ぐことはできません。大きな成功をおさめるにはのるかそるかの勝負をしなくてはなりません。
例えば投機の一つに起業があります。事業が絶対成功するかなんて誰にもわかりません。
そういった意味ではギャンブルと同じです。
「パチンコで勝つノウハウ」のようなものが総じて詐欺なように、ギャンブルに勝つことをノウハウとして体系化することはできないのです。
もちろん中には自己啓発書を読んで「成功することができた」と主張する人もいるでしょう。
でもその人はその本を読まなくても成功したかもしれませんし、たまたまギャンブルに勝ったというだけかもしれません。
そしてギャンブルに負けた人は公で話す機会もなければ自己啓発書を書くこともないでしょう。



以上、自己啓発書が役に立たない理由を書いてみたわけですが、自己啓発書を読むことで救われたり、「やる気が出てきた」といった効用が無いわけではないと思います。
また単純に娯楽としての読み物として楽しんでいる人もいることでしょう。

ただ、やはり本当に成功したい人にとって自己啓発書は全くもって役に立たない代物といわざるをえません。

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